Sakura
ねぇ!雨樹!置いてかないでよ!
Sakura
ねぇ!
雨樹
……
雨樹
ごめん……
そう、雨樹は言って去っていくのを私は見ていた
Sakura
雨樹はまた置いていくの!?
Sakura
雨樹は!
Sakura
雨樹は、自分が辛いことを隠して!
Sakura
私にくらい言ってよ!
Sakura
雨樹が出来損ないで追い出された時も!
Sakura
雨樹が熱出た時も!
Sakura
私はずっとそばに居た!
Sakura
なのに置いていくの!?
Sakura
雨樹が追い出された時!
Sakura
雨樹は私を置いて行こうとした!
Sakura
マスターが死んじゃった時!
Sakura
雨樹は私を置いて行った!
Sakura
そして今!
Sakura
また旅に出るなんて言っておいていこうとしてる!
Sakura
もう嫌なの!
Sakura
私も連れて行って!
そう泣き叫ぶSakuraに俺は……
雨樹
……
嫌われるように
初めて俺は……
雨樹
そんなんうざいからに決まってるじゃん
嘘を着いた……
Sakura
!
Sakura
え?
Sakura
嘘…だよね?
嘘
なんていえなかった
雨樹
ほんとだよ
また嘘をついた
Sakura
嘘って言って!
Sakuraの目には光はなかった
ただ濡れた瞳がこっちを見ている
雨樹
ほんとだよ
嘘
Sakura
やだ!
雨樹
ほんとだって言ってんじゃん
嘘…
Sakura
だっ…
雨樹
ウザイの!わかって!?
嘘…嘘だから…
Sakura
やめ……
雨樹
分かる?俺がどれだけ我慢したと思ってんの?
お願い…
Sakura
嫌だよ!
雨樹
何がよ!ウザイんだよ!
それ以上……言わせないで……
Sakura
!
Sakura
やめてよ……
Sakuraが俺を突く
それに俺は咄嗟に手を出してしまう
Sakuraは近くにあったレンガの角に頭を打つ
雨樹
え?
雨樹
嘘…でしょ?
雨樹
やだ…
やだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだ……
ねぇ!起きて……
Sakura
……
俺の呪い……
俺が邪神になる時に付けられた呪い
人を傷つければ……
一つ一つ……体の何がが消えていく……
今回は……
"声"だ……
雨樹
(俺はやっぱり旅に出た方がいいのかも……)
俺はSakuraに声をかけようとした時……
雨樹
……(声を出そうとする)
声が出ない……
雨樹
(そっか……呪いが発動したんだ……)
雨樹
(つまり能力が発動できない……)
雨樹
(神失格だな……)