テラーノベル
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⚠ATTENTION⚠
・実験施設、人外、能力者パロ ・腐向け要素なし ・センシティブなし ・なんでも許せる方向け
⚠️戦争賛美、政治的な意図、政治思想、思想的な主張は決してございませんのでご了承ください ⚠️史実とは一切関係ありません ⚠️史実ネタでもございません ⚠️すべて、私の妄想です
では、どうぞ⬇
警報が止んだあとの静寂は、耳に痛いほどだった。
赤い非常灯だけが規則的に瞬き、廊下の輪郭を断続的に浮かび上がらせる。
空調の音も弱い。 施設全体が、息を潜めている。
ナチスは歩調を落とさない。
端末はすでに閉じている。 開いても意味はない。 通信も権限も凍結されたままだ。
封鎖は、想定外の規模だった。
すると、角を曲がった瞬間、前方に人影が落ちた。
ソ連
ソ連。 壁際に立ち、こちらを見ている。
偶然。 だが、この状況では動線は限られる。
ソ連
ナチ
数秒、視線がぶつかる。
その緊張を裂くように、反対側から足音がする。
アメリカ
アメリカ。 軽い調子だが、視線は鋭い。
三人が揃う。 示し合わせていない。
だが、同じ方向を向いているのは明らかだった。
すると、アメリカが親指で奥を示す。
アメリカ
ナチスの視線がわずかに動く。
ソ連
ソ連が続ける。 内部事情を知る黒ランクが言うなら、筋は通るだろう。
ナチスは数秒だけ考えてから
ナチ
それだけ言い、歩き出す。 赤い光の中、三人の影が重なる。
すると、突き当たりの側壁に、明らかに異質な扉があった。
他より厚い。 金属の質が違う。
電子ロック三重。 物理錠二重。
他の部屋と比べて、あまりにも警備が過剰すぎる。
ナチスは足を止めた。
ソ連
ソ連が淡々と言う。
アメリカ
アメリカが軽く笑う。 ナチスは扉を見上げたまま、答えない。
視線だけで判断する。
この封鎖。 この監視。 そして、この厳重すぎる扉。
無関係とは思えない。
ナチ
静かな指示。 アメリカが肩を回す。
アメリカ
ソ連
ナチ
ナチスの返答は冷たい。
アメリカは一瞬だけナチスの横顔を見て、止めても無駄だと判断した。
アメリカが物理錠を掴む。
金属が軋む音。 一つ目が外れる。 二つ目も、力でねじ切る。
電子ロックは沈黙したままだ。
最後の固定が外れ、扉が重くずれる。
中から流れ出す空気は、冷たい。
薄暗い室内。 白い光が広がる。 整然と並ぶ実験台。 封鎖された保管ケース。 壁一面の記録棚。
そこは、研究室だった。
ナチスは中央の端末に触れる。
予想に反して、制限はかかっていない。
画面が立ち上がる。
被検体データベース。
ランク別一覧。 白。 赤。 黒。
番号の横に、もう一つの欄。
――旧氏名。
ナチの指が止まる。 画面を拡大する。
医療記録。
適合率。 精神耐久値。 再構築処理。
ナチ
無意識に、声が漏れた。
アメリカが背後から覗く。
アメリカ
別フォルダ。
ランク個体A。 ランク個体S。
備考欄。
――出力過多。 ――制御不能。 ――特例扱い。
空気が変わる。 ソ連の視線が静かに動く。
ナチスは次のファイルを開く。
その瞬間、室内奥の大型スクリーンが自動起動する。
三人同時に振り向く。
そこに映し出されていたのは、映像だった。
廊下を歩くナチス。 赤ランク区画での会話。 端末を開く手元。 赤ランク区画の前で立ち止まる姿。
すべて、複数角度。
しかも、日時付き。
ナチスは動かない。 画面の光が、横顔を白く照らす。
ナチ
アメリカは答えない。 ソ連も、何も言わない。
ただ、スクリーンを見ている。
映像が切り替わる。
監視ログ。 観察記録。 評価欄。
ナチスの喉がわずかに動く。
ナチ
続かない。 言葉が見つからない。
旧氏名。 再構築。 特例。 観察。
断片が頭の中で結びつきかけては崩れる。
室内のランプがひとつ点滅する。
…監視は、今も続いている。
To be continued
コメント
4件
ナチさん...どうなってしまうのだろう... 習い事終わってからのこの小説は最高ですね!何か習い事が終わってからの楽しみが出来て嬉しいです(((o(*゚▽゚*)o)))