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コメント
16件
こんな下僕にフォローありがとうございました… 物語拝見させてもらいました。何処かしら小説家みたいな 物語の書き方をしていたので実に興味深いなと思いました あ、お礼の品に♡111個と🍮を置いて下僕は去ります。


フォロー失礼します!
《少女は沈む》
窓の外ばかり見つめていた。
風になびいた教科書がパラパラとめくれていく。
数学教師
教師の声が響き渡る……
黒板に書かれた数式の羅列の中に何を見いだせると言うのだろう。
数式で世界を感じたいとは思わない。
また、文学で世界を感じたいとも
社会の法律や制度を見て感じようとも思わない。
周りの人は皆、懸命に黒板に書かれた数式をノートに殴り書いている。
この人たちは一体、何処にたどり着きたいのかしら……
学校から家に帰ってきた
母
今日も儀式を終えた。
今日は何だか、いつにもまして、陰鬱な気分を感じていた。 私は何処かへ行きたくなった。
明日は休日らしいから何処かへ行こう……。 ベッドの中でそう思った。
少女は駆けていった
息が切れて、
一人で寝そべった。
川は流れるし、小鳥は囀ずる。
日は照るし、木葉は舞い散る。
一つに重なり合って、山は高らかに歌う。
これが音なんだと思った。
少女は耳をすませた。
そして、静かに目を閉じた。
ここが私の……私たちの故郷じゃないかしら……
水中から聞こえる水面を打ち付ける波の音
記憶にはないけれど、遠い昔に聞いたような……
ほのかに温かい水の中で私はそっと手を伸ばす
苦しい……
けれど、辛くはないの
次第に楽になるでしょう……
だって私の故郷だもの
大きく水を吸い込んでもっと深くへいきましょう……
沈む沈むよ、少女は沈む
《少女は沈む》完
《翌朝 》
ガチャ!
母
母
母
母
母
バタン!!
ドアを勢いよく閉めた。
見上げると、木の梢の方に果実がなっていた。
私は手を伸ばしたけれど、届かなかった。
背伸びをしてみたけれど届かなかった。
力を込めてジャンプをしたら、意外と楽に届いた。
力の加わった木の枝は鞭のようにしなり、 ミクロな振動となってやがて止まった。
私は取った得体の知れぬ、赤い果実をガリリと噛んだ。
苦いような酸っぱいような、舌先の痺れる味がして、思わず吐き出した
そして、少女は笑った。
日も暮れて、宵が私を包んでいく。
そして足を波に踏み入れた……
波の音が時の移ろいを示す……
月の傾きが……星の小さな輝きが……
あなたたちの囁きが……
私に動きを与えているの
沈む沈むよ、私は沈む
耳に残るのは、あなたたちの囁き…
帰る場所を与えてくれる
普段は大人しいくせに……
あなたたちのせいじゃないのは分かってる…
海に浸った私の体……
月光の眩しい夜に……
これが光なのねと囁く
ふく風よ、やまないで
打ち付ける波よ、止まることを知らないで
夜明けを待つ小鳥たちよ、囀ずることをやめないで
私の足取りは止まらない
沈む沈むよ、私は沈む