太宰治
……ねえ〇〇
神崎〇〇
んー?
太宰治
寝具に乗っても善い?
神崎〇〇
善いよ
太宰が恐る恐る聞いてきたため、
携帯遊戯から目を離さずに答える。
後ろでギシリと寝具が音を立て、
太宰が乗った事を確認した。
太宰治
……
神崎〇〇
……
沈黙。
でも携帯遊戯に夢中な私は、
黙っている太宰を気にも留めない。
太宰治
一寸、其れ早く辞めたら?
神崎〇〇
何で?
太宰治
何でって…
太宰治
あ、そうだ
太宰治
喉乾いたから飲み物持ってきてくれないか?
神崎〇〇
えー?仕方ないなぁ
太宰に云われて一度遊戯を中断する。
立ち上がると、後ろから腕を引かれた。
神崎〇〇
わっ!?
ぼすんと音を立てて寝具に転がる。
すると素早く胸下に腕を回され、
私はガッチリとホールドされてしまった。
神崎〇〇
急に何!?
太宰治
少し眠らせてくれ
神崎〇〇
はぁ?飲み物は?
太宰治
そんなの君を携帯遊戯から離す為の嘘だよ
太宰治
家で一人では眠れない
そう云って肩に顔を埋める太宰の声は、
心做しか普段の陽気さが薄い。
太宰は昔から夜眠るのが苦手で、
眠れない時期が定期的にくると云う。
そういえば昔、私がいると
よく眠れると云っていたっけ。
神崎〇〇
はぁ、仕方ないなぁ
睡眠は体や健康の基本だ。
普段から不健康の太宰に
これ以上体調を崩されても困る。
私は黙ってじっと温もりを分け与えた。






