テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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Grimm

第2話 - Grimm オオカミと七匹の子山羊

2020年01月01日

#メルフェン

#夢の世界

ライラック

♪〜耳を澄ませば聞こえるでしょ小川のせせらぎ風の歌素敵な物語の始まり 2人の兄弟の深く強い愛が祖国の未来に残した数多の夢の物語

♪〜ほらすぐそこあなたのとなり心の中に憧れのプリンス素敵なプリンセス色あせない物語ページめくればめくるめく夢の世界あなたを誘う冒険の世界へ心躍る物語

♪〜ここが全てのふるさとここはグリムの森ここが全てのはじまりここはグリムの森

男の子

おーい、早く来いよー！

女の子

待ってよー。

女の子

早く早くー。

女の子

今日は何して遊ぶ？

男の子

木登り！

男の子

よし、決まり！

女の子

負けないわよ！

本を読みながら歩いてくるヴィルヘルム

ヴィルヘルム・グリム

気を付けるんだよ！

男の子

平気だよ！

ヴィルヘルム・グリム

（少し笑って）元気だな。

読書の続きを始める。

そこにヤーコプがやってくる。

ヤーコプ・グリム

ヴィルヘルム！

ヴィルヘルム・グリム

兄さん。
どうしたんだい、そんなに慌てて

ヤーコプ・グリム

ライン川の辺りまで、ナポレオンの軍隊がせめてきている。
川の西側はフランスに合併されるらしい。

ヴィルヘルム・グリム

なんだって！

ヤーコプ・グリム

ここままでは、ここカッセルが占領されるのも時間の問題だ。

ヴィルヘルム・グリム

カッセルまで.........
信じられない。

ヤーコプ・グリム

あぁ、だか現実だ。

ヴィルヘルム・グリム

ヤーコプ兄さん、僕達はこのまま大好き学問を続けることができるのかな？

ヤーコプは、悲しげな瞳で空を見上げる。

ヤーコプ・グリム

我々の愛すべき祖国、ドイツの空が屈辱の灰色におおわれていく.........。

そこに親子連れがやってくる。

女の子

ねぇ、お母さん！
それで、そのカエルはどうなったの？

母親

王女様が怒って寝室の壁に投げつけたのよ。

女の子

投げつけたのよ！？

母親

そうよ〜。

女の子

それでそれで？

母親

続きは、お家に帰ってからね。

女の子

え〜。じゃ、早く帰ろ！

親子連れは楽しそうに家路を急ぐ。

ヴィルヘルム・グリム

、、、兄さん。
あの子の未来は、、、
この国の未来はどうなってしまうんだろう、、、。

ヤーコプ・グリム

いつまで経っても戦争がなくならない。
フランス戦争後にナポレオンが起こした戦いだけで、すでにどれだけ多くの命が失われたことか。
それを正義の戦いだと言っているんだからな。

ヴィルヘルム・グリム

何が英雄ナポレオンだ。
ただの独裁者のくせに。

ヤーコプ・グリム

フランスから見れば英雄なのだろう。
だが、それが戦争なんだ。

ヴィルヘルム・グリム

、、、僕は悲しいよ。

ヤーコプ・グリム

私たち大人が守らなくては。
祖国ドイツを。子供たちの笑顔を。

ヴィルヘルム・グリム

子供たちの未来のために、僕たちには何ができるんだろう。

ヤーコプ・グリム

ヴィルヘルム。
私たちは何だ？
お前の夢は？

ヴィルヘルム・グリム

僕たちは文学者だ。
僕は生涯文学を研究していきたい。

ヤーコプ・グリム

そうだろ？
私もそうだ。
ナポレオンがいくら侵略行為を続けたとしても、ドイツの文学とか言語とか歴史を奪うことはできない。

ヴィルヘルム・グリム

その通りだ！

ヤーコプ・グリム

子供たちの未来の為に、私たちにできることをやるんだ！

ヴィルヘルム・グリム

僕たちにできること、、、。

ヤーコプ・グリム

学問だよ。
ドイツの言葉や文学を研究して残すんだ。
それこそが私たちが守りたい財産だろ！

ヴィルヘルム・グリム

言葉や文学を残す、、、。

女の子

ヾ(•̑д•̑ ๑ )ﾈｪﾈｪ
森の中の3人の小人ってお話知ってる？

女の子

知ってるわ！

女の子

どんなお話なの？

女の子

簡単にいうとね、正直で優しい女の子には良い事がおきて、意地悪なるほど人は必ず罰を受けるってお話よね。

女の子

そうそう！

ヤーコプ・グリム

それだ！！
それだよ！
ありがとう！

女の子

なんのこと？

ヴィルヘルム・グリム

いや、なんでもないんだよ。
ありがとう。

女の子

ねー、行こう！

女の子

待って〜。

ヴィルヘルム・グリム

童話を集めよう！

ヤーコプ・グリム

童話を集めよう！

ヤーコプ・グリム

このドイツには素晴らしい民話が沢山ある！
それを1つの本まとめて出版するんだ！

ヴィルヘルム・グリム

きっと、大人から子供まで、みんなが楽しめるものになるね！

ヤーコプ・グリム

民話は私に大切なことを数多く教えてくれる。
夢も希望も教訓も与えてくる。

ヴィルヘルム・グリム

昔話の中に脈打っているドイツ民族の心の鼓動をよみがえらせるんだね。

ヤーコプ・グリム

そうだ！
今、この国に必要なことは、民族としての自覚と誇りを取り戻すことなんだ。

そこへシャルロッテがやってくる。

シャルロッテ

兄さんたち。
今日は何だか楽しそうね。

ヴィルヘルム・グリム

シャルロッテ。

シャルロッテ

なんのお話？

ヴィルヘルム・グリム

子供たちのために童話集を作るんだよ！国中の民話を集めて。

シャルロッテ

まぁ！
童話集！？

ヴィルヘルム・グリム

そうだよ！
凄いだろ？

シャルロッテ

素敵ね！

ヤーコプ・グリム

これはやりがいがあるぞ。

シャルロッテ

でも、大変じゃないの？

ヴィルヘルム・グリム

僕と兄さんとで協力すれば大丈夫さ。

シャルロッテ

あぁ、それなら、ルーイに挿絵を書いてもらったらいいじゃない。
子供の為の本なら、挿絵がたくさん集また方がいいもの。

ヤーコプ・グリム

それはいい！

ヴィルヘルム・グリム

僕も大賛成だ！

シャルロッテ

私からも話しておくわ。

ヴィルヘルム・グリム

ありがとう。

シャルロッテ

（ヴィルヘルムに）でもお兄さん。身体には気を付けてね。絶対に無理はしないで。
喘息なんだから。

ヴィルヘルム・グリム

わかっているよ。

ヤーコプ・グリム

さぁ、ヴィルヘルム。
早速作業に取り掛かろう。

ヴィルヘルム・グリム

民話を多く知っている人を探さないと。

シャルロッテ

それならまず、仕立て屋のフィーメンニンおばさんに聞くといいわ！

フィーメンニン

さて、まず何からお話しようかねぇ。
.........ある所に、お母さん山羊と七匹の子山羊が暮らしていました。
ある日、お母さん山羊は街へ出かけることになり、子山羊たちを集めてこう言ったのさ。

母親山羊

今から街へ行ってくるからね。
誰が来ても、決して家に入れてはいけないよ。

子山羊︰はーい！

ヤヌアール

分かったよ、お母さん。

アプリル

でも、どうして？

マイ

郵便屋さんとかだったら？

母親山羊

狼かもしれないからよ。
もし狼が入ってきたら、お前たちみんなを、毛も皮もみんな食べまてしまうわ。

ユーニ

こわいよ〜。

ユーリ

（母親に泣きついて）お母さ〜ん。

母親山羊

大丈夫。
家の中にいれば安全よ。

ユーニ

本当？

母親山羊

本当よ。

フェーブル

お母さん。
僕たちよく気を付けるよ！

メルツ

心配しないで行ってきていいよ。

母親山羊

ありがとう。
お留守番お願いね。

ヤヌアール

任せて！

子山羊︰いってらっしゃーい。

フィーメンニン

母親山羊は子山羊たちにしっかりと言い聞かせて、家を出て行った。
するとそこへ、1匹の狼がやってきたんだ。

狼

やっと出かけていったな。
よ〜し。

㌧㌧㌧㌧ﾋﾉﾉﾆ㌧( 　'-' )ノ)`-' )"

ヤヌアール

誰ですか！？

狼

（ガラガラ声で）私だよお母さんだよ。

アプリル

嘘よ！私たちのお母さんはそんな声じゃないわ！

マイ

そうだ、そうだ！

フェーブル

帰れ帰れ！！

メルツ

どっかいけ〜！

狼

ちっ、ばれちまったか。
それなら仕方ない。

フィーメンニン

狼は街へ行ってチョークを買い、それを頬張って声を変え、再び子山羊たちの家へ戻ってきたんだ。

シャルロッテ

ちょっと待って！

フィーメンニン

何だい(*´-ω・)?

シャルロッテ

チョーク？どうしてチョークなの？

フィーメンニン

そんなこと、私は知らないよ。
そうゆうお話だからだろ？

ヤーコプ・グリム

フリードリヒ・ハーネマンが打ちたてた医療法の中に、硫酸カルシウムが喉の薬であるっている記述は読んだことがある。

シャルロッテ

さすがはヤーコプ兄さん。
なんでも知っているのね。

ヴィルヘルム・グリム

でも、これを童話集に載せるなら少し内容を変えた方がいいかもね。

フィーメンニン

おや？
どうしてだい？

ヴィルヘルム・グリム

子供が面白がって真似をしてしまうといけないだろ？

フィーメンニン

ただの昔話じゃないか。

ヤーコプ・グリム

そうだ。
私は書き換えることに反対だな。
できるだけ口伝で伝わるままの形で残していきたい。

ヴィルヘルム・グリム

そうか。
分かったよ兄さん。、

ヤーコプ・グリム

それで、フィーメンニンおばさん。
狼は？七匹の子山羊はどうなったの？

フィーメンニン

チョークを頬張って戻ってきた狼は、再びドアをノックして。

狼

（女性のような声で）坊や達、開けておくれ。
お母さんだよ。

ユーリ

あ！
お母さんの声だ！！

アプリル

ユーリ待って！
変だわ。
そのドアの隙間から見えているのは、お母さんの足じゃない。

フェーブル

ホントだ！
お母さんの足はそんなに真っ黒じゃない！

マイ

そうだ！
また狼だろ！

狼

ちっ、まさか足の色で気づかれるとは。。。

フィーメンニン

そこで狼は、今度はパン屋に行って、そこの主人を脅かして小麦粉で足を白くされたのさ。

ヤーコプ・グリム

なんて悪知恵の働く狼なんだ。

ヴィルヘルム・グリム

大したもんだね。

狼

（女性らしい声で）さぁ、坊やたち開けておくれ、お母さんだよ。

ユーリ

お母さんだ！

フィーメンニン

ドアの隙間から白い足を見た子山羊たちは、大喜びして、遂にドアを開けてしまうのさ。

狼

みんな食ってやるぞ！

ヤヌアール

逃げろーーー！！

逃げ惑う子山羊たち。狼は1匹ずつ捕まえて飲み込んでいく。末っ子のユーリ以外が呑み込まれてしまう。

ヴィルヘルム・グリム

（少し咳き込む）はぁ、驚いた、、、。

ヤーコプ・グリム

大丈夫か？ヴィルヘルム

ヴィルヘルム・グリム

うん、大丈夫だよ、兄さん。

ヤーコプ・グリム

教育的要素も含んでいるし、実に面白い話だな。

ヴィルヘルム・グリム

そうだね！

ヤーコプ・グリム

続きはあるのですか？

フィーメンニン

あぁ、あるよ。
続きはね、、、

仕立て屋の客

フィーメンニンさん！
頼んでおいた服はできているかい？

フィーメンニン

すぐ行くよ。
すまないね。
仕事に戻らなくちゃいけないから、この続きはまた今度でいいかい？

ヤーコプ・グリム

もちろんです。
また伺います。

ヴィルヘルム・グリム

ありがとうごさいました。

フィーメンニン

また、いつでも来ておくれよ。

ヴィルヘルム・グリム

ありがとう、シャルロッテ。

シャルロッテ

素敵なおばあさんでしょ。

ヤーコプ・グリム

あぁ、色々な話を聞くのが楽しみだ。

ヴィルヘルム・グリム

いったいどれぐらいの民話があるのかな。

ヤーコプ・グリム

それを知っていくことも楽しみの1つだ。
この童話集。
これは大事業になるぞ。

妖精

こうして、グリム兄弟の長い長い童話編集が始まったのよ。

妖精

今も世界中の子供達が読んでいる物語は、ここから始まったのね。

妖精

私あの話が好きなのよ！
ガラスの靴の！！

妖精

私はあれよ！
金髪の長い髪のお姫様！

妖精

素敵よね！

妖精

赤い頭巾の女の子も可愛いわ！

妖精

素敵な王子様も沢山出てくるし。

妖精

可愛い小人が出てくるお話も！

妖精

二人はね、とにかく多くの民話を集めたのよ。

ヴィルヘルム・グリム

兄さん！こんな話を聞いてきたよ！
「ブレーメンの音楽隊」っていうんだ。

ヤーコプ・グリム

それは、面白そうだな！

ヴィルヘルム・グリム

兄さんは？

ヤーコプ・グリム

私が聞いてきたきたのは
「いばら姫」と「ラプンツェル」という話だ。

ヴィルヘルム・グリム

どちらも魅力的な題名だね。

ヤーコプ・グリム

そうだろ？
女の子好みの話さ。
それで、
ブレーメンの音楽隊
というのはどんな話なんだ？

ヴィルヘルム・グリム

ある男がロバを飼っていたんだ。
とても働き者だったんだけど、だんだん力も衰えてきて、主人は餌をやることをやめてしまおうと思ったんだ。
それに気づいたロバは、、、

はい、ここまでです。結構長くてごめんなさい🙏 これからも長いです。暖かく見守っててください。

では、次回また会いましょう！

Grimm

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