短編集！皆DEもっと光クラブ★

月明かりが照らす、螢光町に聳え立つ廃墟と化した工場にて

そこに哀れにも迷い込んだ侵入者は月明かりとは違う

複数の光と力強い笛の音

そして、何かを叫ぶ少年達に終われていた。侵入者は必死に逃げていた。

フェア フォルグ！！

ベフライエ ニヒト！

侵入者は情けなくも半べそをかいて、廃墟のあちこちを無我夢中に走り回っていた。

出口もわからない。ひたすら走っていると

前方に彼らとは違う少女がいた。

ピーー！！

ダス ゲハイムニス！

デア シュテュッツプンクト！

侵入者は少女を突飛ばし、その先へと逃げ出した。

少女は男の背中を見つめ、男が行った方向とは逆の道を歩きだす。

侵入者はしぶとくも逃げ延びていた。ここまで無事でいる自分を幸運の持ち主と

楽観視していたのがよくなかったのだろう。

少女が向けた銃？のようなものは蒸気をふかし、プシューと圧力のかかった音がした。

シュパンなのかパリンなのか、あるいはドカンなのか

とにかく凄い破裂音と共に、侵入者は膝を抑え、断末魔をあげながら倒れた。

侵入者が抑えている膝は二度と治ることはないだろう。なんなら、もう走れもしない。

侵入者は這いずりながら、少女の足首をつかんで命乞いをする。

しかし。

そして、侵入者は両膝を破壊され、身動きが取れなくなったところを少年達に捕まった....

玉座らしきところに座っている少年の前にはざっと8人ほどの少年達が侵入者を囲んでいた。

シュパンなのかパリンなのか、あるいはドカンなのかわからないが蒸気と圧力のかかった音と共になった破裂音。

放たれた銀の釘は侵入者の眉間を貫くだけでは飽き足らず、長く丸い風穴をも開けてしまった。

哀れな侵入者にライチ酒をかける少年達。

彼は、彼こそは

螢光町を灯す光

光クラブだ。

そして、我は....私は

穢れた物....全てを壊す物。

全てをゼロにするなり者。

完