渡辺side
俺は正直よくわかんなかった
阿部ちゃんが何を言おうとしてたのか
ただ1人考えてた
仲直りする為に来たのか
なんなのかわからないけど
もう俺は
涼太と心が通じ合えてるんじゃないかって
なんとなくもう会えない気がした
この世界の涼太には
お前らには伝えたから
あとはお前だけだ
早く俺のいた世界の涼太に
伝えなくちゃ
だからきっとこれで
最後なんだ
そんな考えを遮るように
響き渡る大きな音
たった一瞬だった
一瞬だけど
時間にして1秒いくかいかないか
目の前にいる涼太と目があった
そして、思い出した
あの時飛び込んできた涼太を
大きな壁が飲み込んだ
その現実を受け入れられなくて
こんなところまできたのかも
でも
お前を責められないや
だって
気づいたら俺も
身体が動いてた
だってどの世界にいようが
お前が
涼太が大切だから
涼太
照
亮平
大介
辰哉
亮平
辰哉
涼太
みんな大パニック
ごめんね
返事ができないんだ
声が出せない
意識はあるのに
おかしいよな
大介
亮平
涼太
照
出ろ
出ろ声
涼太が心配してる
ほんとに最後なんだ
伝えなくちゃ
言いたいんだ
渡辺
涼太
なんで俺を庇ったの?
って俺も聞きたかったんだよ
ほんとお互い様
大介
照
大介
照
亮平
いいよ
俺大丈夫だから
運転手の方見てやれ
って運転手逃げたのか
涼太
涼太
渡辺
涼太のあんな姿
見たくなかった
涼太
涼太
渡辺
渡辺
渡辺
渡辺
この1ヶ月楽しかった
お前らがいたから
涼太
渡辺
渡辺
渡辺
こんな体験戻っても話せねえけど
涼太にはちゃんと言いたいこと言うよ
約束だもん
渡辺
渡辺
渡辺
渡辺
渡辺
涼太
渡辺
渡辺
渡辺
渡辺
渡辺
最上級の皮肉ってやつ
これはほんと
ずっと言えなかった本音だよ
涼太
渡辺
うん
知ってる
いや
伝わった
俺も同じだ
涼太
涼太
涼太
涼太
涼太
うん
涼太は涼太だ
涼太
涼太
涼太
涼太
渡辺
渡辺
渡辺
渡辺
渡辺
これは
どっちの涼太にも向けて
渡辺
渡辺
渡辺
渡辺
あの日した
涼太自身の香りと血の匂い
こべりついて離れない
涼太
渡辺
渡辺
渡辺
渡辺
渡辺
渡辺
涼太
涼太
涼太
涼太
涼太
渡辺
渡辺
渡辺
渡辺
涼太
だから
お前は後悔しないで
ちゃんと伝えて
できるから
多分これで元通りになるから
辰哉
辰哉
涼太
亮平
大介
照
渡辺
渡辺
涼太
渡辺
渡辺
渡辺
渡辺
渡辺
涼太
渡辺
渡辺
涼太
大好きだよ
とは
声に出せなかった
恥ずかしかったからか
涼太の声に
触れた手から感じるあたたかさに
あの日しなかった
涼太の香水の匂いに
安心したからか
急に意識が遠くなった
渡辺
涼太
意識がどんどん遠くなる中で
皆の声だけが響いていた
涼太
照
辰哉
大介
亮平
亮平
お前と過ごしたのは何日
何時間だっただろう
大切に想うだけじゃなく
ちゃんと言葉にすることの大事さを知った
そんな夏の思い出
教えてくれた彼には
もう2度会うことはない
そう悟った俺は
あの日のお前の同じことを
繰り返した
ばいばい
涼太
早く会いたいよ
涼太
コメント
1件
すごい泣いた😭続きあるといいな待ってます!