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桃
青
ただ単純に嬉しくて
あんな気持ちになったのは初めてかもしれない
あのとき、強く思ったのは...
バレたのが青宮で本当に良かったと思った
紫
紫
ぼんやり昨日のことを思い出していた瞬間
ていっ、!ど頭を小突かれた
紫
紫
さっきの夢の余韻で頭がぼーっとしていて
紫ーくんの顔がぼやけてよく見えない
ここは暗いから今何時かも分からなくて
目覚めはすこぶる悪い
俺から布団を引き剥がして紫ーくんは俺の背中をポンと叩いた
紫
紫
すっかり忘れていた
そうだ、今日は文化祭当日だった
桃
おれは飛び起きると
黒シャツのボタンを乱暴に片手ではずして脱ぎ捨て
白シャツに着替える
紫
紫
桃
おれは乱暴にバックを手に取りドアに向かった
重たいドアを開けた瞬間溢れるほどの光が真っ直ぐに差し込んで俺の目を刺した
紫
紫
桃
桃
静かに呟いておれはうるさい街を通り抜けた
女子のリーダー的存在である菊池さんに首を絞められることなのは確実だ
おれは覚悟を決めて急いでチャリ置き場に向かう
おれは自転車置き場に自転車を置くと
ふと、あの人があれ以来来ていないことが頭に浮かんだ
なぜだか、胸騒ぎがする
俺は、妙な気持ちを抱えたまま学校へと向かった
菊池
桃
菊池
菊池
菊池
菊池
追い出されるように手を振られたおれは
急いで教室から出た
とにかく、早くこの人混みから抜け出したかった
なんだか酸素が薄く感じる
何より、感情の量が半端じゃない
桃
頭痛が痛いする
頭が割れそうだ
音楽を聞こうにも、そんなのじゃ収まらないほどの量の感情
頭痛に耐えながら もがくように人混みをすり抜けて
やっと辿り着いた人気のない場所 そこで俺はため息を着く
雑音が一気に消えていく
なぜこんなにここだけ人がいないのか疑問に思ったが
教室前にある看板を見たら納得した "中で実際に書いてます!"
と書かれた紙が貼ってある
桃
俺は足を進めて、ひっそりとその教室を覗いた
桃
その瞬間、思わず息をのんだ
教室のど真ん中で1人、浴衣を着て字を書く青宮がいた
バスケ部のマネージャーのはずの青宮がここにいることに驚いているが なにか理由があるのだろう
裾をたくし上げて 太い筆をすらすらと動かしている
真剣な顔で反しと向き合う彼の姿を見て 息が詰まった
きっと今、 彼の心を読んだって、何も聞こえないだろう
目が離せない 字を書いている時の青宮は 単純に綺麗だと思った
このままずっと見つめていたい ...そう思うほどに
青
ふっと、青宮が視線を上げた瞬間 ぱちっと目が合ってしまった
桃
青
青
青宮がそういった後、俺はゆっくりと教室に足を踏み入れた
壁中に貼り出されている作品の数々は ずしんと重い字だったり すらりと軽い字だったり
書き方は様々で 想像以上に見応えがあった
俺が字に見入っていると、青宮が頭を掻きながら恥ずかしそうに近寄ってきた
青
青
青
桃
青
青
青
青宮はくるっと俺に背を向けて さっき書いた作品を洗濯バサミで挟んで吊るした
青宮が動く度に揺れる髪飾りと裾に 何故かドキドキしてしまう
浴衣のせいでいつもと雰囲気が違うから戸惑ってしまい、目が泳いだ そんな俺知ってか知らずか、青宮はまたひらりと浴衣をひるがえした
青
青
青
青宮が指さしたそこには"桃"という1文字
俺が青宮の浴衣姿に見とれている間に書き上げてくれたらしい
線の太さも微妙に変えた俺のイメージだという その字は、水面に広がる波紋のように涼しげで美しかった
今、初めて自分の名前が少しだけ綺麗だと思えたかもしれない 大袈裟かもしれないけど、そのくらい、感動したんだ
変なとこで切ってごめん🙇♀️💦 次は早めに出せるようにする🥺
𝕟𝕖𝕩𝕥➯➱➩2300