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第5話 使用人殺人事件

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第5話 使用人殺人事件

1 - 第5話 使用人殺人事件

2018年09月25日

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軽く朝食を摂った2人は山田が来る時間まで辺りを散歩していた。

加藤 恭子

なんだかこうしていると旅行でもしてるみたいですね!

轟 健二

あぁ、そうだな。

加藤 恭子

…背中、大丈夫ですか?

轟 健二

昨日よりかはマシにはなったな。

加藤 恭子

それなら、良いですけど…

加藤 恭子

少しでも痛みが増したら言ってくださいね。

轟 健二

あぁ、判ってるよ。

轟 健二

お、自販機があるな。適当に飲み物でも買ってくか。

加藤 恭子

良いですね。

2人は自動販売機で暖かい飲み物を買った。

加藤 恭子

よく、ブラックの珈琲飲めますよね?

加藤 恭子

苦く無いんですか?

轟 健二

慣れてるからな。

轟 健二

そこまで、苦くない。

ガサッ

轟 健二

ん?

轟は何か物音のした方を振り向いた。

だが、そこには何も無かった。

加藤 恭子

どうかしましたか?

轟 健二

…いや、何か音がした様な気がしたが…

轟 健二

気のせいだったらしい。

加藤 恭子

もう、しっかりしてくださいよ。

加藤 恭子

それより、そろそろ、山田さんが着く頃ですよ。

轟 健二

そうか。なら戻るか。

2人は散歩を中断し、宿へと戻った。

???

……

宿の前にて

山田 隆夫

あ、轟さん、加藤さん。おはようございます。

加藤 恭子

えぇ、おはようございます。

轟 健二

山田、昨日の資料を見せてくれ。

山田 隆夫

朝の開口一番がそれですか?

山田 隆夫

別にもう慣れましたけど。

山田はパトカーの中にある事件の資料を轟に渡した。

加藤 恭子

すいませんね。

山田 隆夫

良いんですよ。この人は、こう言う人ですから。

轟 健二

その、”こう言う人”を頼る県警も県警だがな。

轟 健二

ところで、この指紋の照合はどうやってしたんだ?

山田 隆夫

それは、被害者の持ち物や使用人部屋の指紋と照合したんですよ。その結果、被害者が後藤さんと判明したんですよ。

加藤 恭子

取り敢えず、車の中に入りましょう。

轟 健二

そうだな。

山田 隆夫

あ、今、開けます。

加藤 恭子

ありがとうございます。

車に乗り込んだ2人は昨日同様、山田の運転で佐藤邸に向かった。

その間にも轟は様々な事を山田に聞いていた。

轟 健二

この被害者には何か目立つ傷なんてのはあったのか?

山田 隆夫

いえ、特に目立った傷も無く、手術歴もありません。ただ、被害者がいつも付けている指輪を付けていたんですよ。

轟 健二

被害者は中肉中背か?

山田 隆夫

えぇ。そうですよ。

等々の資料だけでは分からない事を事細かく聞いていると、いつの間にか、佐藤邸が目の前に現れた。

山田 隆夫

着きましたよ。

加藤 恭子

ところで、なんでここに来たんですか?

轟 健二

少し、使用人の部屋を見ておきたくてな。

轟が車から出ようと、座席から立とうとすると、背中に痛みが走った!

くっ!

轟 健二

…加藤、すまんが、少し肩を貸してくれ。

加藤 恭子

えぇ、構いませんよ。

加藤は轟に背を向け、轟の腕を首に回し、担ぐ様に持った。

加藤 恭子

よいしょっと。

轟 健二

…すまんな。

加藤 恭子

謝らないでください。私は頼ってくれて嬉しいんですから。

加藤 恭子

もっと頼ってくださいよ。

轟 健二

なら、しばらくの間、健二と言ってくれないか?そうしてくれると、かなり助かるんだが。

加藤 恭子

〜〜〜!

轟 健二

ふふ、冗談だ。

山田 隆夫

大丈夫ですか?轟さん。

山田 隆夫

昨日、あんな事を言ってたのに、怪我してるじゃないですか。

轟 健二

調査には問題無い。

山田 隆夫

ですが…

轟 健二

執拗いぞ。それより、被害者の部屋に案内してくれ。

山田 隆夫

…はぁ。判りました。

山田 隆夫

加藤さん。轟さんの事、頼みましたよ。

加藤 恭子

えぇ、勿論です。

3人は被害者の部屋へと向かった。

???

背中を怪我か。

被害者の部屋にて

加藤 恭子

結構、綺麗な部屋ですね。

轟 健二

あぁ。だが、少々狭いな。まぁ、使用人の部屋にしては良い方か。

轟 健二

あ、加藤。もう大丈夫だぞ。

加藤 恭子

それなら、椅子を用意しますね。

山田 隆夫

それなら、これをどうぞ。

山田 隆夫

もう現場検証は住んでるので。

山田はそう言うと近くにあった椅子を轟の近くに置いた。

轟 健二

…すまんな。

轟は礼を言い、椅子に座った。

山田 隆夫

珍しいですね。轟さんが礼を言うなんて。

山田 隆夫

加藤さんの影響ですかねぇ。

加藤 恭子

なっ!

轟 健二

…お前、本当に今月の給料、なくされたみたいだな。

山田 隆夫

調子乗ってすみません!

轟 健二

許さん。

山田 隆夫

本当に勘弁してください!

加藤 恭子

轟さん。もう少し、やってください。

山田 隆夫

か、加藤さん…

轟 健二

取り敢えず、山田の処罰は置いとくとして。

轟 健二

えらく綺麗過ぎないか?

山田 隆夫

え、えぇ。佐藤さん自身が少し潔癖症でして。

山田 隆夫

それを、使用人や他人に押し付ける程ではありませんが、自分のお気に入りの被害者の部屋は他人所か被害者自身の髪の毛1本も残さない程の潔癖ぶりですね、

轟 健二

だが、資料では髪の毛のDNAで被害者を断定したんだろう?

加藤 恭子

確かに、そう書いてありましたね。

山田 隆夫

いくら潔癖と言っても、実際に掃除をするのは使用人達ですからね。

山田 隆夫

流石に、髪の毛1本も残らす掃除をするのは大変でしょう。

加藤 恭子

まぁ、使用人自身、そこまでの気持ちでは掃除もしないでしょうからね。

轟 健二

……

あ、あのすみません……

轟が考え事をしていると、ドアの向こう側から、使用人らしき女性が話し掛けてきた。

山田 隆夫

どうかしましたか?

いえ、あの、近藤さんはどうなりましたか?

山田 隆夫

…近藤さんはまだ見つかっておりません。

山田 隆夫

今回の事件もあって捜査に回せる人数も少なくなっているんですよ。

そうですか…

お忙しい中失礼しました。

使用人の女性は一礼しその場を去って行った。

轟 健二

近藤って誰だ?

加藤 恭子

聞かなき名前ですね。

山田 隆夫

近藤さんとは、1ヶ月前に行方不明になった人でして、失踪届も出されているんですよ。

轟 健二

1ヶ月前か。

加藤 恭子

まだ見つかってないんですか?

山田 隆夫

えぇ。佐藤さんの使用人と言うことから当初は捜査もされていましたが、失踪届を出したのも、あの使用人でして。

山田 隆夫

佐藤さん自身も近藤さんが失踪したのも大して気になっていない様子で、それで、捜査もそれ程進んで無いんですよ。

加藤 恭子

佐藤さんが関わってるか否かでここまで影響があるんですね。

…ここに来て、行方不明者の近藤か。

1ヶ月前の事だし、今回の事件には恐らく関係は無いだろうが、気になるな…

第6話に続く

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