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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

翔琉

今日はすまなかった。

琴里

全然!むしろ、助けてくれてありがとうね

琴里

私もちょっと困ってたから

翔琉

アイツ、気をつけろよな

琴里

翔琉

今日みたいなことがまたあったらすぐ俺に言え

琴里

なんで

翔琉

次はぶん殴ってやる!

琴里

ダメだよ。部員としても仲良くしないと

琴里

先生に怒られるよー(笑)

翔琉

別に良い。お前を守るためならな

小野 琴里

私を守るため……か

琴里を取られたくないからそう言ってるのかもよー?

小野 琴里

小野 琴里

詩菜の言ったことが頭から離れない~っ!!

小野 琴里

……

小野 琴里

お、はよう……

映沢 翔琉

おう。

映沢 翔琉

あ、琴里

小野 琴里

はい!!

映沢 翔琉

? 今日は元気だな

小野 琴里

別に!いつも通りだし!

映沢 翔琉

怒ってんのか?

小野 琴里

全然!!

映沢 翔琉

…で、今日の部活についてだが───

小野 琴里

(あれ?いつも通りだ……昨日の事なんて無かったみたいに。ずーっと考え続けてるの私だけ?)

映沢 翔琉

……り!琴里!

小野 琴里

…え?

映沢 翔琉

大丈夫か?ぼーっとしてたけど

小野 琴里

大丈夫!聞いてる!

映沢 翔琉

その反応は聞いてなかったな。

小野 琴里

ギクッ!

映沢 翔琉

はぁ。全く

映沢 翔琉

……昨日のこと?

小野 琴里

っ……

映沢 翔琉

俺だっていつまでも許さないような鬼じゃない。

映沢 翔琉

大事な……親友に手を出すヤツは部活にだっていらないくらいだがな!

小野 琴里

(全然許してない……)

鈴実 詩菜

おっはよーー!!

小野 琴里

わっ!

小野 琴里

ビックリしたー……

鈴実 詩菜

ごめんごめん笑

鈴実 詩菜

今日も弦君来るかな?

映沢 翔琉

チッ

小野 琴里

ひっ……

小野 琴里

し、詩菜!

鈴実 詩菜

え?あ、あー……

鈴実 詩菜

あはは…何も無いでーす。

小野 琴里

はぁ……

鈴実 詩菜

な、仲直りはしたの……?

小野 琴里

元々喧嘩してないし……

鈴実 詩菜

そかそか。弦君もこれを機に新しい恋初めてサラッと諦めてくれると良いけどねえ

小野 琴里

さっきと言ってること違うじゃん……

鈴実 詩菜

……ん?

鈴実 詩菜

廊下にいるのって…

小野 琴里

小野 琴里

(岩槻君……)

映沢 翔琉

?…もう一人いるぞ。

映沢 翔琉

あいつは……美並じゃないか?

小野 琴里

え?あっ……

岩槻 弦

琴里先輩。少しお話が

小野 琴里

(もしかして…昨日の……)

小野 琴里

うん…

鈴実 詩菜

私もついて行っていい?

岩槻 弦

別にどっちでも

鈴実 詩菜

じゃあついてく

映沢 翔琉

俺も!

岩槻 弦

どういうことですか。

美並 舞

ひっく……ひく……

小野 琴里

えっ!?どうして、泣いてるの……?

美並 舞

とぼけないでください!

小野 琴里

えっ?

美並 舞

昨日私を階段から落とそうとしたくせに…っ!

小野 琴里

ええっ?そ、そんな事してないよ…?!

美並 舞

見てください!これが証拠です!

舞が袖をまくると傷とアザがいくつかあった

鈴実 詩菜

……琴里を信じたいけどこの傷はさすがに、ね。

映沢 翔琉

……。

岩槻 弦

俺だって小野先輩はしないと思ってましたけど証拠もありますし……

鈴実 詩菜

……素直に謝れば許してくれるんじゃないかな…

小野 琴里

詩菜、なんで…!!

岩槻 弦

……すいませんが告白のことは無かったことに。それと美並さんに謝ってください。

美並 舞

ひっく……

美並 舞

(勝った。)

小野 琴里

本当に落としたりなんて…

岩槻 弦

でも傷が残ってるんですから……

美並 舞

もう良いよ。弦君。

岩槻 弦

え?

美並 舞

私はもう大丈夫。

美並 舞

先輩は多分、弦君が好きだから近くにいた私が邪魔だったんですね…それでこんな酷いことを……

美並 舞

けど私、許します。謝らなくて結構です

岩槻 弦

そんな、美並さん!こんな酷いことされてるのに……

小野 琴里

だから!違う!!

岩槻 弦

何も違いませんよ。

岩槻 弦

先輩ははっきりとした証拠がない。言葉だけでは何も伝わりません

小野 琴里

っ…!

鈴実 詩菜

あっ、琴里!どこ行くの!?

映沢 翔琉

待て。俺が追いかける

鈴実 詩菜

わ、私も

映沢 翔琉

琴里は親友であるお前が自分を信じてくれなかったと思っている。お前が行けば琴里は余計に傷つくだけだ

鈴実 詩菜

っ……。

美並 舞

弦君私の味方をしてくれてありがとう。守ってくれてありがとう。

岩槻 弦

別に。それはさすがに酷すぎるしな。放っておけないよ

美並 舞

ふふっ、それでね弦君良ければ私と付き合っ───────

鈴実 詩菜

美並さん。

鈴実 詩菜

それ、本当に琴里に落とされて出来た傷?

映沢 翔琉

待てって!!

小野 琴里

な、何…!

小野 琴里

どうせ翔琉も私の味方をしてくれないんでしょ!私がやったって言うんでしょ!

映沢 翔琉

んなわけあるか!

小野 琴里

っ……

映沢 翔琉

泣いていい。我慢すんな。お前は昔からそうだよな。泣き虫の癖に強がって

小野 琴里

翔琉だけには言われたくない…っ

映沢 翔琉

んだと!?

映沢 翔琉

……まぁ俺もお前と同じなのかも

小野 琴里

え?

映沢 翔琉

俺は、「琴里が人を階段から突き落とすなんて最低なことするわけねえ!」ってさっき言ってやりたかった

映沢 翔琉

けど少し怖くなってさ、言葉が出てこなかったんだ。

映沢 翔琉

だから俺、ホントは弱虫なのにいつも強がってるのかなって今思った。

映沢 翔琉

……琴里。

小野 琴里

え……

翔琉は琴里を優しく抱き締めた。

映沢 翔琉

俺の中では思う存分泣け。それと今回のことについて思い当たることがあるなら全部言え

小野 琴里

うっ、ううっ…っ!!

小野 琴里

美並…さんに、岩槻君の…こと、好きじゃないなら応援してって……邪魔…すんなって…言われて……っ

映沢 翔琉

おう。

小野 琴里

でも…多分、怒らせた…のかも。最近、岩槻君と…仲良く…っしてたし……

映沢 翔琉

おう。分かった。

映沢 翔琉

何となーく真実が見えてきたぞ!

小野 琴里

映沢 翔琉

よし!戻ろう!

小野 琴里

み、みんな私の事嫌ってる……今更教室に帰れない……

映沢 翔琉

大丈夫だ。俺がついてるから。

小野 琴里

……

放課後。

響 匠海

どうしたんだ?小野。なんか今日音も外すし全く合わない。練習に身が入ってない感じだな

小野 琴里

す、すいません……

他の部員

ねえ知ってる?あの小野さん新しく入った1年生の女の子をいじめてたらしいよ?

部員

えっ…!怖すぎだろ

他の部員

だよねー。私達も逆らったりしたら……

そんな声が聞こえてきて琴里は怖くなった。

小野 琴里

(やっぱり広まってた。虐めてなんかないのに……)

映沢 翔琉

おい!皆!!

小野 琴里

映沢 翔琉

そんなの噂だろ。簡単に信じるなよ。いつも皆に丁寧に優しく教えてる小野がそんな事すると思うのかよ?

部員

それは……

他の部員

まぁ確かにそうだけど…

映沢 翔琉

…あ、すいません先生。話が逸れました。練習、続けましょう。

響 匠海

お、おう……

小野 琴里

(翔琉…)
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