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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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くーコンテスト🌱

起承転結

起承転結

四字熟語の中でも最も有名で最も馴染みやすいものでは無いだろうか

それは物語の流れを四字熟語にしたもの

桃太郎で例えるとするのなら

【起】 おばあさんが桃をみつけ桃の中から桃太郎が生まれる 前提としての現状の説明

【承】 悪い鬼を倒すため鬼ヶ島へ出発 その途中でイヌ、サル、キジを仲間にす 大きく物語が動く前の準備段階

【転】 鬼ヶ島へ乗り込み鬼を退治する 物語の1番盛り上がるとこ

【結】 島の財宝を持ち故郷に帰る フィナーレのところ、ここで感動や伏線回収が行われる

物語とはその4つで成り立っている

それは人生も同じであると言われている

先生

はい、この説明文を読んでどう思いましたか?

とてもくだらないと感じました

先生

あら、それはどうして?

人間界に住むものたちは物語に住んでいる訳ではありません

それ故に彼らは「自分の人生は自分の意思で変えられる」という考えを持っている

自分の行動がなくても未来は決められた運命へと進む、それなのに自分から動くことでそこに行くというと思ってるなんてくだらないという考えに着きます

先生

んー、中々にひねくれてる考えね

褒め言葉として受け取っておきます

目の前に居る少女を見つめる

三つ編みでまとめられた真っ白の長い髪 若干つり目気味な水色の瞳 1人前である神になると大きくなる羽はまだ天使だからか小さい

この少女に名前は無い 私たち天界の者は1人前の神になってやっと名前が着くのだ

そしてこの子の考えがひねくれているのも少し理由が分かる

先生

(きっと地獄で3年間過ごしたからね)

彼女はここに来る前手違いで地獄に行きそこで3年間過ごした しかもその間に前世の記憶がすっかり抜け落ちているため命の重さが周りより少し違うのだ

そのため彼女は天使の中でも特殊な者 天国と地獄の狭間人になってしまった

先生

(地獄は多種多様な恨みや妬みが転がっている、それに当てられた彼女がひねくれるのは当然の話ね)

先生

(でもこの子は天使だし...命の重さに着いての認識は変えないとなのに...私じゃ力不足なのよね...)

ゴーン...ゴーン...

昼の鐘...

町中に響く聖なる鐘の音 いつもこの時間にこの学びは終わる

先生

ですね、では、今日はここまでにしましょう

先生

その代わり宿題を出します

子供

お母様!お腹の子はいつ産まれるのですか?

菜月

ふふっもうすぐですよ

姿を消して部屋を見渡す

先生から渡された宿題は死を迎える人間の観察だった

将来1人の神として死んだ人間と関わらなくてはならない、そのために今から慣れろってことで来たけど...

...綺麗な人だな

部屋に差し込む光で輝く銀色の髪 目の色は美しさを引き立たせるような紫 男の子を見る瞳には優しさが満ちていた

お腹が膨らんでおり、さっきの会話から察するに中には赤ちゃんがいるのだろう そんな2人の空間は優しく暖かい空間だった

(なんだろう...これ....)

(懐かしい....?なんでそんなこと感じてるの...?)

陽だまりのような暖かな家族の姿に感じたことのない懐かしさ、それと同時に悲しさも湧いてくる

コンコン

メイド

おぼっちゃま、家庭教師の方がお見えです

菜月

あら、時間のようね

菜月

ほら、行きなさい

子供

えー....休んではダメですか?

菜月

あら?いいお兄様になるのではなかったのですか?

子供

...行きます!いいお兄様になります!

菜月

ふふふっ、いい子ね

子供

では!

子供とメイドが出ていく それを見送る母の瞳はどこか遠くを見つめていた

菜月

さてと....

菜月

もう出てきていいですよ

っえ...?

菜月

お茶でもしながら話しませんか?

菜月

そこに隠れているかわいい小さな天使さん

(これは....隠れているだけ無駄かもしれない)

こちらを見つめる瞳、どこか逃がさないという意思を感じれる

菜月

まあ!やはり天使だったのですね!

あ...はい...

(おかしいな先生にはいつもの調子で行けるのに...なんか緊張する...)

菜月

初めまして、私は天野菜月と申します

あ、知ってます

菜月

あら?ご存知だったのですか?

えと...一応天の使いの者なので個人情報とかは分かるというか...

天野菜月 天野公爵家の夫人であり現在は妊婦 夫の名前は天野カイン 息子の名前は天野誠 夫のカインさんとは国籍が違うので息子とお腹の中の子はハーフである

菜月

あら〜、やはり神には何もかもお見通しなのですね

そういうと紅茶を1口飲む その動きがとても優雅だった

菜月

.....天使さん、突然ですが

菜月

私はもうすぐ死ぬのですか?

っえ、...?

菜月

やはりそうなのですね...

わかってたの?

菜月

えぇ....もう長くないだろうと言うことは少し前から感じていました

(なんでこの人、こんなに普通なの...?)

菜月

ふふふっ...

....いきなりどしたの?

菜月

いや、考えてることがわかりやすいなと思いまして....

菜月

天使さん、お名前はありますか?

ない、私たちは1人前である神になってから名前が着くの

菜月

そうなのですね...なればセラと呼んでもよろしいですか?

...セラ?

菜月

ええ、私の母国の言葉で夢という意味を持っているのです

夢...

菜月

ええ...ダメでしょうか?

ううん...別にいい...

菜月

ホッ...なら良かった..

菜月

...セラ、私はひとつ思うことがあるのです

なに?

菜月

私は、後どのくらい生きられますか?

...さぁ、どうだろうね

あなたはもう物語でいう【結】の部分に入っている、もうどの神であっても、たとえ命の神の加護があっても助からない

あまり誤魔化すのは得意じゃない だから事実だけを述べた

もしかしたらショックを受けてしまうんじゃないか...

菜月

そうですか

あれ?

案外楽観的だった

菜月

こんな事をいちいち気にしていたら公爵家の女主人は務まりませんわ

なんて言うか...強いのね

菜月

よく言われます....ふふっ

なんて言うかギャップという言葉が似合う人だと思う 見た目は少しでも触れると壊れてしまいそうなほど儚げなのにその中にある意思は硬い

(...かっこよ)

菜月

あー、でも一つだけ...本当に一つだけ悔いがありますわね

悔い?

菜月

ええ

菜月

セラ、私は悔しいのです

菜月

今私の中に居る子はあなたがさっき言ってた方法で言うと【起】の状態にある

菜月

これからどのように成長していくのか、どの様な人生を歩いて行くのか楽しみなことばかり

菜月

だけど私は【結】....死んでしまう

菜月

それは息子に対しても思うことは同じ

菜月

成長を見れないのは母親として辛いのです

...そう

運命には抗えない この人が死ぬ未来は生まれた時から決まっていたことだ

こういう時気の利く返しが出来ない自分が嫌いになる

菜月

セラ、お願いがあります

菜月

この子と...レイアと仲良くしてくれませんか?

っえ?

菜月

この子はきっと生まれて直ぐに色んな噂が立ちます

菜月

いい噂から悪い噂まで、貴族会とはそういうものです

菜月

だからこの子が1人の時、悩んでいる時に寄り添って貰えませんか?

私の手を優しく包み、こちらを見つめてくる瞳は真剣そのもの

(あぁ...この人はきっと怖いんだ)

(自分が亡くなってから自分の子が見ていないところで悲しい思いをするのが、その時に助けられないのが悔しいんだ)

そこで初めて菜月の言いたいことを理解する

そして本当に心底、お前今?って感じでどうでもいいことが引っかかった

そのレイアっていう名前には、意味あるの?

菜月

ええ!あります!

少し目が輝く 嬉しそうで、でもどこか安心している瞳

菜月

レイアという名前には幸せという意味があります

菜月

あなたの名前と同じ、私の母国語ですけど

それと同時に頭を撫でられる

菜月

っセラ?どうしたのですか?

え?

頬に何か暖かいものがつたう

な、なんで...私...ポロポロ

菜月

大丈夫ですよ、大丈夫

ずっと撫でてくれる手で思い出した

(ああ、この懐かしさ....やっと思い出した)

(これは...母親の愛だ...)

先生

さて...宿題どうでした?

あの文もあながち間違ってないなって思った

あと...死ぬことにもがくのも...

先生

そう....考えが変わったのね

完全にじゃないけどね

ただ、そういう考えもあるんだって思っただけ

先生

も〜素直じゃないわね

先生

ところで...なんかいい事あった?

別に

先生

(絶対何かあったと思うんだけどな〜....まぁ、これもあの文で言うとこの子にとっては【承】の経験になったのかな?)

目の前にいる少女からは少しだけ毒々しさが薄れていた きっといい経験になったのだろう

先生

(どうか、この子が健やかに成長しますように...)

レティシア

セラー!へーループー!!

セラ

どうした?またなにかやらかしたのか?

レティシア

間違えてルイの鎌借りて歯ボロボロにしちゃった!

セラ

お主が悪い怒られろ

レティシア

えー!んな無慈悲なー!!

セラ

お主が悪いのじゃろうが!我は手伝わぬからな!

白い髪に白い瞳 あの人と色彩は違ってもよく似た優しい顔立ち

セラ

(菜月さん、あなたの娘は死んで生まれ変わっても元気ですよ)

レティシア

どーしよ...これひよちゃんと遊んでボロボロにしてるからひよちゃんもルイに怒られちゃう...!

セラ

よし、レティシア

セラ

我が時間を稼いでやる、その間に全力でルイに謝る文を考えろ

レティシア

...ちなみになんすけど、ひよちゃんが絡んでなかった場合って...

セラ

捨てた

レティシア

ですよね!!

この作品はいかがでしたか?

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コメント

4

ユーザー

知らないところで被害にあっている僕の分身が見えた気がする。 すてーき。素敵。

ユーザー

こりゃまぁ...神作品を作って... 最初は悲しみがあったのに最後に なると涙も吹っ飛ぶわ( '-' ) もう君が1位って事で))...えーご参加 アリガト。結果は気長に_( ˙꒳​˙ _ )_チョコン

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