哉太
俺、鈴木哉太(すずき かなた)
哉太
俺には大親友の霧島響(きりしま ひびき)がいる。
哉太
そいつ、マジめっちゃくちゃモテる!
哉太
ほら、噂をすれば…
女子高生
ねーねー!あれ霧島くんじゃない?
女子高生
あっ!ホントだ!
女子高生
きゃー!霧島くんおはよ♡
響
ん…おはよ。
女子高生
やだー♡あいさつ返してくれちゃった♡
哉太
こんなふうに、響は女子にすっごいちやほやされてる。
哉太
なぜかというと、
女子高生
イケメンだし、性格ちょー紳士!ハンカチ持ってるとか女子力高すぎー!
哉太
とか、
女子高生
イケボで一人称「私」とか紳士かよ…
哉太
…って感じらしい。
哉太
響は俺にべったりだから、女子にときどき妬まれる…
響
あ、哉太、おはよ。
響
昨日遅くまでラインしとったやろ。マジごめん、よう眠れた?
哉太
おはよ、いや11時ぐらいやったから大丈夫やよ!
哉太
むしろ話してて楽しかったしな!
響
…そ。なら良かったわ。
哉太
響はクールで、淡々と話す。女子には妖艶だと言われるらしい。
哉太
俺だけには、方言を使ってくれるから、これまた女子に睨まれる。
響
な、今日も一緒帰ろうや。あと、できれば家きてくれん?
哉太
わかった!
哉太
響の方から家に誘うなんて、珍しいな。
響
ふふ、たまにはお返しせんとね。
響
あ、でもあいつは呼ばんどいて。
哉太
ん。わかった。
哉太
あいつって言うのは、俺の幼なじみの悠真。
哉太
彼もまたモテモテ王子様。響派と悠真派で冷戦が起こっている。
哉太
最初は響とも仲良くしていたが、響がモテると知ると、すっごい嫌がらせをしてくるから、最近関わらないようにしてる。
響
じゃ、放課後なぁ
哉太
おうよ。
チャイムがなる。
哉太
俺は、響と大親友だが、一つだけ知らないことがある。
哉太
男なのか、女なのか。
哉太
別に、女だから仲良くするの辞める、とかじゃない。
哉太
純粋に、気になる。
哉太
連れションしたときも、俺の学校のトイレは全部個室でわからなかった。
哉太
ただ、俺と二人きりのとき、女々しいときがあって、
哉太
それが本当に綺麗な女の子に見えたんだ。
哉太
でも、それを聞いたことはない。
哉太
響を、傷つけたくないから。この関係でいいから。
哉太
ちょっとだけ、勇気を出して、聞いてみたい。
響
哉太、こっちよ。
哉太
はいはい!
放課後。
悠真
お、イケメン紳士の霧島くん(笑)じゃん?
響
…!!
哉太
こらこら、悠真。
悠真
何だ。哉太くんは今日もあいつと帰るのかい?
哉太
えぇ…まあそうだけど
嫌な予感。
悠真
じゃあいっか。僕は女の子と帰るし。
女子高生
悠真くーん♡
悠真
ここだよ、お姫様。じゃあね。
そうすると、悠真は帰っていった。
哉太
…ほっ
響
ふぅ、心臓に悪いなぁ
哉太
あいつ彼女いるのによく堂々とできるな…
響
あはは、そうやね。じゃ、行こっか。
哉太
お邪魔しまーす
響
ちょっと汚いかもやけど。
哉太
お、けっこう綺麗な部屋だな。
響
ふふ、ゆっくりしてな。
ゲーム、雑談。何気ない会話も楽しい。
響
あ、そうだ。言いたいことがあるんよ。
哉太
?なに?
響
実はなあ…
後半へ続く