テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
2件
蚕が大好きだ、弱くてふわふわで儚くて白いあの姿が大好きだ 人間の品種改良によって作り出された可哀想な生き物の蚕が大好きだ
子供の頃、蚕を飼っていた
桑の葉をもそもそと食べてる、イモムシみたいな姿に少し愛着が湧いた
ころころと転がしてよく遊んでいた
弱くて、小さくて、少しひんやりしてた
蚕が繭に籠った時、繭の中はどうなってるんだろうと気になった
イモムシみたいな姿じゃなくて、セミみたいな姿になっていた
白かった体は何故か茶色で、気持ち悪かった
その後、母にバレて叱られた
父にも叱られた
お父さんもお母さんも大嫌いだ
体がおっきくて、大きな声で怒鳴りつけて、力が強い
今現在も蚕を飼っている
成虫になった蚕は白くてふわふわで羽が綺麗
手に乗せて撫でていると携帯のアラームが鳴る
私の職業は武装探偵社の事務員
蚕を元のケージに入れて仕事の準備をする
私は、蚕が大好きだ
私の同じで白くて、弱くて、強者に負ける弱者
子供の頃、よくこの白い髪が気持ち悪いと言われ虐められてきた
子供の頃、事故で足が麻痺し動かしにくくなった
子供の頃、よく自分より小さな虫を踏んで殺して来た
弱いものは殺される
弱いものは強者に逆らえない
弱いものは支配される
だから、私は蚕が好きだ
人間という強者の自己満で品種改良され
自然界で生きられなくなり
私と同じ気持ち悪い白い体毛と黒い目
私と同じ様に足腰が弱く風が吹けば地面に落ち強者に踏み潰される
そんな、弱くて儚い蚕が大好きだ
乱歩さん
私は、自分より弱いものが大好きだ
乱歩さん
だから、蚕が好きだ
そして、私より小さくて弱い
江戸川乱歩、彼が大好きだ
乱歩さん
人物紹介
乱歩さん