首を、噛まれたのだ──
──だが 山田はβだ。 項を噛んでも 番うことができないことなんて、本人が一番分かっているはずだ
……じゃあ、なんで。
まさかβと嘘を吐いて 勝手に番にされたんじゃ…と、ネガティヴ故の嫌な勘が働く
…本当に、俺の考えすぎだといいんだけど。
取り敢えず 山田本人に確認しないと…! そう思い たくぱんは荒い息を整えながら山田に訴えかける
tk
ym
したり顔でそう呟く山田にたくぱんは本気で困っていた。
どう言えば辞めてくれるだろうか、話に立ち会ってくれるだろうか、…
…クッソ、山田が執拗に弱い所ばかりを突いてくるから 頭が回らない、
どうすれば…
そう 考えていると突然カーテンの外からガラガラガラ、と大きな音が聞こえた
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ut
… まあ 撮影は4人でも出来る。もう戻ろう
保健室に来たのはうたとはるてぃーだった。
話を聞く限り 山田は撮影をばっくれたんだろう。何してるんだコイツは…、……っ!?♡
急に訪れた快楽に思わず声を洩らしそうになったが たくぱんの口は山田の唇で塞がれた
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ym
そうはいいつつも 山田はピストンを辞めない。どうやら こんな状況に置かれて混乱している俺を見て楽しんでいるらしい
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ようやく帰ってくれるのか、そう思った矢先 はるてぃーの口から思わぬ言葉が発せられる
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まずい、バレたか?と 俺と山田は顔を見合わせる
まあ 流石にカーテン開けて中を確認するほど A組は不躾ではないだろう、と俺は安心して目を瞑った
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と、思っていた矢先 勢い良くカーテンが開けられ俺は大袈裟に身体を跳ねさせる
幸いにも毛布を被っていたから剥き出しの下半身は見られていないからまだいいが……どう乗り切ろう。
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「 特に山田 !! お前だぞ !! 」とはるてぃーは俺に覆いかぶさる山田を強く指差す
まあ 撮影をばっくれた訳だし、ここまで起こって当たり前か。
それはそうと なんでコイツはずっと喋らないんだ?早く抜いて撮影に戻って欲しいんだが……
ym
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山田は弱々しくそう呟く
調子はいつも通りだが 明らかにさっきので疲れきっているようで息も荒かった
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戸惑う俺に山田が「…首絞めセ※クスごっこ。」とまあ頭のおかしい返しをした
「首絞めセッ……!?」といつのまにか椅子に座り顔を赤らめるうたに「お前はもう黙ってろ」とはるてぃーが冷たい視線を送る
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ym
山田はさっきの喋っていない間にズボンを履き終えたらしく スムーズにベッドから起き上がり、はるてぃーに強制連行される。
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tk
「うん、そっか。気を付けなね」とうたが軽く流し 俺に背を向ける
……が、俺はずっと気付いていた。
うたがαということ。
はるてぃーは俺がΩということに気付いていないようだったが うたは完全に気が付いている。
さっき座っていたのも、恐らく 匂いに耐えられなくなって立てなくなったのだろう。
今でもうたの背中は大きく上下していた、
呼吸が荒い。いつ襲ってくるか分からない。
さっきので俺は少し体調がマシになったのでベッドから立ち上がり、ズボンを───
───うん?
tk
ズボンの丈が、短い?
……それに、何かズボンの先が折り曲げられているような………
tk
色々と察しがついた 俺は保健室から制御剤を取り出し、飲み込むと急いで山田を追った。
その後 部室に短いズボンを履いて走ってきた俺を山田にバカにされ そのまま喧嘩が始まったことは言うまでもない