太宰 治
中也が保健室に戻ると、案の定太宰は心配の念を向けて来た。
中原 中也
太宰 治
あまり深く突っ込まれなかった事に安心した。
少しだけ、太宰の表情が硬く見えるのは気の所為だろうか。
太宰 治
中原 中也
中原 中也
身体が痛む。
二人の前では去勢を張って『一人で大丈夫』なんて空気を出して居たが、矢張り辛い。
太宰 治
中原 中也
笑って云う中也に、太宰は複雑な笑みを返した。
また嘘を吐いた。
何でも云って、と
大丈夫かい、と
心配してくれたのに。
中也は瞼の裏の暗闇に自責を打つけ続ける。
悪い子…
中原 中也
布団を頭迄被り、中也は気絶にも近い眠りへ堕ちた。
ふっ、と浮き上がる様な感覚。
中原 中也
目を開ける体力も気力も残って居ない。
中也の指先が小さく引き攣る。
聞き慣れた声。中性的にも聞こえる、暖かい声。
夢にも出て来るなんて、どれだけ恋い焦れて居るのだろうか。
中原 中也
薄く目を開けると、ふわふわとした蓬髪が目に入る。
だが、膜が掛かった様に滲みと歪みで殆ど見えない。
中原 中也
中原 中也
現実感のない、否現実でない此処で、総て吐き出したかった。
中原 中也
中原 中也
中原 中也
紡ぎ出される細い声。
夢の中の太宰は、じっと聞いてくれる。
中原 中也
中原 中也
中原 中也
肉親に見捨てられ、汚れ仕事を教え込まれた。
上手く行かなければ、死を見て二度と帰れない世界。
そんな中也にとって、『普通』がどれだけ羨ましい事か。
中原 中也
中原 中也
涙を堪えて、中也は笑む。
中原 中也
中原 中也
でも、と。
中也は喉に詰まり掛けて居る言葉を、咳き込む様に曝け出す。
中原 中也
濃青の瞳が、閉じられる。
再び寝息を立てる中也。
清掃終了時間の鐘が響いた。
風に揺れる白衣。
憂いを含んだ濃褐色の虹彩が、窓から差し込む日光に照らされる。
太宰 治
太宰は、姫抱きにした中也をそっと寝具に寝かせ直した。
太宰 治
斜陽を受けて中也の目元で光ったのは、何だったのだろうか。
コメント
59件
はぁ……白瀬…お前○にてぇのか?いや,○にたくなかったらこんな愚かな真似はしないよなぁ?ねぇ??○んで罪を償え。
白瀬、中也は完璧なんかじゃないぞ勘違いすんな中也はただの人間なんだよ
白瀬〜?我々の…いや、太宰さんの中也に何してくれてんのかなぁ〜?( ´ ω`*)💢 まじでぶっ○すぞこの野郎………う゛う゛ん、少々取り乱しました。 本当に最高です。神ですね。