蘭
風羽ちゃん今大丈夫?
風羽
大丈夫だよ
蘭
今から事務所来れる?
風羽
分かった、すぐ行く
蘭
迎え行かせる
風羽
1人で大丈夫なのに
蘭
…心配だから
電話越しでも伝わる緊張に体が強張った
きっと行ったら良からぬことが起こる
風羽
……蘭ちゃんの為だもんね、
重たい体を起こし、部屋を出た
風羽
失礼します
蘭
………
竜胆
……ん
春千夜
おせぇ
鶴蝶
………
ココ
……ボス呼んでくる
ほら
風羽
…みんないるんだね
風羽
……何かあったの?
蘭
……風羽ちゃん隠してることあるよな?
風羽
え?
緊張、なんてもんじゃない
これは
何に対する怒りなの?
竜胆
風羽、正直に言ってみ
風羽
隠し事…?
春千夜
さっさと吐けよ
普段は優しい春君が私の胸ぐらを掴んだ
風羽
ゲホッ
蘭
………
そっか、止めてくれないんだね
風羽
……私、なにかした?
武臣
敵対組織への情報売買、梵天の経費の横領
部下への脅し…データのハッキング
部下への脅し…データのハッキング
風羽
……え、?
否定を使用と口を開くが、掠れた声が漏れるだけだった
蘭
………
竜胆
………
2人の軽蔑する目が痛む
風羽
………そ………か、
風羽
私、こんなに信用されてなかったんだね、
頬が冷たくて、手をやれば涙が溢れていた
みんなの前で泣いたことないのにな
蘭
風羽ちゃんそれは違っっ
風羽
違わない
竜胆
なんで裏切った…?
蘭
竜胆、待て風羽ちゃんの話も
風羽
……裏切る、か
風羽
……2人は私を1番だって言ってくれたけど
風羽
証明してくれたことはなかったね
風羽
…出会えて幸せだった、ありがとう
蘭
風羽ちゃん、まだ終わってない
手首からミシリと音がなるくらい強く捕まれ、顔を顰めた
それでも緩まない力に悔しさが湧いてきた
風羽
はなし、て
蘭
………
春千夜
…逃げようとしてんじゃねぇよ!!
武臣
……
鶴蝶
三途やめろ
春千夜
ぁあ?!
春千夜
鶴蝶テメェ、裏切り者の肩持つのか?
鶴蝶
まずは話し合うべきだ
誰も私を信用しちゃいない中で?
他人に一度マイナスの感情を、通して見てしまえばそのフィルターが取れることなんて無いのに?
風羽
わからないの?
蘭
は?
風羽
みんなは私を信用する気がないんだよ
風羽
話を聞く気も
風羽
聞いたところで私殺されるでしょ?
風羽
別にいいよどうせ決まったことなら
風羽
話し合いなんていらないじゃん
風羽
誰も私のことを見ないなら私も誰も見ない
風羽
私を信用していない人に『話し合い』なんて言われても信じない
風羽
……嫌い、大嫌い、
蘭
風羽
細く長い指が
前髪に
触れた