部屋に入って、黒一色の壁に触れながら扉から真っ直ぐ廊下を進む。
扉の前まで来て、ドアノブがないことに気づいて、それから隣に置かれた装置を見つけた。
武道
掌静脈認証 (てのひらじょうみゃくにんしょう)
注意 掌静脈認証は、指紋認証の掌版! ただし性能が段違いに良い! 掌は指よりも静脈が多く複雑なため高精度の識別能力があるのでなりすまし防止になります! (一応載せときます!)
まさかの高性能システム。
武道
徹底したセキュリティ。
これほどまでに、反社のアジトの警備が厳重だとは思わなかった。
武道
武道
装置に手をかざして、少し待つと扉が横に開いていく。
それと同時に部屋からは新しい部屋特有の匂いが漂ってくる。
武道
今までの自分の部屋の10倍は余裕である。
それぐらいに広いリビング。 壁の方には、まだ扉があり他にも部屋が存在していることを知る。
武道
白と黒を基調とした部屋で、観葉植物すらも置かれていない。
当たり前だが生活感も全くない。
武道
欠伸が漏れて、2度3度と瞬きする。
睫毛に引っかかった涙を親指でふき取って、適当にほかのドアを開けた。
武道
武道
開けた先には、キングサイズのベッドが1つ。
窓の外にはベランダがあり、ベッドの足元あたりにはプロジェクターが置かれている。
いくつかのキャンドルやアロマもあり、睡眠に適した環境。
武道
武道
シャツを脱いで適当に置いて、どさりとベッドにダイブする。
フカフカで、包み込むような触り心地に思わず頬が緩んだ。
武道
しっかりと瞼を閉じて、体から力を抜いた。
武道
自分は今、夢の中だと自覚がある。
その中で、ハッキリとした意識を持っていた。
武道
武道
武道
真っ暗で、何も無い。
ただただ闇が広がっている。
武道
そこで1度、水の中に突き落とされたように意識が急激に沈んだのを感じた。
そしてまた、浮上してくる。
武道
夢の中だと言うのに、ご丁寧に冷や汗が背に伝った。
もう一度、周りを見て、微かに光っているところがあった。
それからまた、同じ波が来る。
武道
武道
ぐわん、と脳をゆらされている感覚にも近い。
今度は、闇の中にわかりにくくもハッキリとした人の形をした影が現れた。
?
シルエットだけのそいつは、どこかで見覚えがある。
そこまで認識して、また同じ波が来る。
さっきよりも強く、深く海に沈んでいく感覚がした。
?
人が増えた。
数人。 全員見覚えがある。
武道
武道
武道
自分の思考に戸惑って、そして、勝手に影に向かって腕が伸びた。
?
また、波が来て。
今度は、夢の中なのに、意識を手放した感覚がして
目の前が本当の闇に変わった。
武道
目を覚ます。
武道
上がりきった呼吸を整えて、額を流れる嫌な汗を拭った。
武道
武道
記憶がしっかりとある。
感じたことの無い感覚と、闇の中に現れた影。
不気味な夢だったことは変わりない。
窓の外を見ると、真上にあった太陽は西に傾いている。
朱を含んだ空の反対側。
少しずつ、紺色へと色を変えていく空を見て、背筋に冷たい汗が流れた。
武道
武道
武道
はぁ、とため息をついて、とりあえず脱いでいたシャツを着て寝室から出た。
武道
イザナ
イザナ
ココ
鶴蝶
鶴蝶
千冬
イヌピー
春千夜
千冬
春千夜
蘭
竜胆
どうやら、ずっと話し込んでいたらしい。
武道
ピキっ、と眉間に皺が寄る。
武道
下、というのは幹部以外が住む9階のこと。
これは嫌だったのだろう。顔色が真っ青に変わった。
武道
武道
みんな
それから、長いこと続いていた話し合いが嘘のように秒で終わった。
武道
奥の方から、左側、 ココ、イヌピー、イザナ、鶴蝶
右側 春千夜、千冬、蘭、竜胆
イザナ
ココ
武道
武道
武道
武道
察しがついたのか、ペロッ、と舌を出して片目を閉じてニヒルな笑みを浮かべた。
武道
千冬
ドクンッ、と1度だけ心臓がはねた。
武道
武道
さすがは相棒?
千冬
ニッ、と調子よさそうに笑った。
武道
武道
「ほんじゃ解散」と言って、自分の部屋に戻る。
武道
武道
あの夢、ぞわりと感覚を麻痺させてくる夢
何かを言われているような気がして、もう二度と見たくない
武道
ふはっ、と吹き出すように笑って、扉に手をかけた。
もちろん、しっかりとココを来させて。
この夢、実話なんですよね…。
受験が本当に近いので投稿頻度が落ちると思いますっ
コメント
6件
いま、一気に全話見ました!!めっちゃ言葉選び好こ
え、実話?怖……。主さん溜め込み過ぎないでください!しっかり休む時は休んで!
この作品好きです、、、笑 頑張ってください(*^^*)