1 6 か ら 2 8 ,

# 16

まだ慣れない通学路 .

１ヶ月ほど前に 高校生活 が始まった 。

話すような友達は出来たけど

全然 陰キャ だ　.

柊花 は小学生の時からの親友で 、

2人で同じ高校に入りたくて 、

頑張って同じ高校に入れた 。

柊花 は 田中 樹 って言う人が好きらしい

なのに1回も話しかけた事が無い 。

私が話しかけて話すみたいな事はあったけど

それ以外では 柊花 が見惚れてるだけ 。

でも私だって恋ぐらいはする 。

ひなには好きな人がいることだけ言ってるけど 、誰かは言ってない 。

松村 北斗くんが好き 。

インスタでDMとかしてよく話すけど

向こうは恋愛感情なんて これっぽっちも無いと思っていた

実は嘘だ

この前衝撃的な事が起きてしまった

ちょうど 1 週間程前

貴方から告白された

私は有り得ない程戸惑ってしまって

1回落ち着こう

せっかく彼が告白してくれたんだ

私は深く深呼吸をして

返事を口に出した

" 秘密にしない ? "

理解に時間がかかった 。

でも

嫌では無かった

もう 1 人私の事を好いてくれる人が 居る事にもびっくりしたけど 、

それだけじゃなかった

友達と好きな人が一緒なら普通は

付き合ってる事を公表して 諦めさせる 。

多分これが一般的だ 。

でもなんで ?

数秒考えて私は分かった

彼は優しいんだ

すごく

友達を傷つけたくないんだ 。

私は別に皆にバレようが内緒にしようが 北斗くんと付き合えるならそんなの

どうでもよかった

それから私と北斗くんだけの

秘密の恋愛が始まった

クラスメイトからしたら

私と北斗くんが付き合ってるなんて知ったら みんなびっくりするだろうなぁ 。

私は昔から注目されたり茶化されたり

そういうノリがどうも理解できなかった 。

「 そういうノリじゃん 。」 「 ノリ悪 。」

意味が分からない 。

そっちのノリならそっちだけでやれよ

私は自分がひねくれてる事ぐらい もう十分承知してる 。

けど

こんなに合った人は

北斗くんが初めてだった

もう貴方は私のものなんだ

凄く嬉しい

授業中

貴方と目が合うと

前とは違うドキドキを感じる 。

周りにバレちゃいけない

そういうドキドキが出来た

案外楽しかった

そんなのドラマや少女漫画などの話だ

今私はそれを大好きな人としてるんだ

嬉しい 。ほんとに 。

でもこの時私は何も知らなかった

その頃まだ私は 16 で

全てを知ることが出来る

全てを手に入れる事が出来る

全てを彼に差し出し

共に笑い飛ばす権利が

自分にのみあるのだと思い込んでいた

私が欲しているのは

体を貫くような

眩い閃光だけなのだ

目が回る程

息が止まる程

震える程 。