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私は、家族が大好きだ。

だから、家族がいなくちゃ生きている意味もない。

……そのはずだったんだけど。

水野 楓

お母さん!!朝!今日は私がご飯作るわ!

あら、早起きねぇ、楓は。

水野 楓

そうかな?

えぇ、早いわ。でも朝ごはん作ってくれるのはありがたいかも。よろしく頼んでもいい?

水野 楓

もっちろん!

今日、私は朝早く起きて、お母さんと弟と、そして起きない妹にご飯を作る。

水野 蓮

なになに、姉ちゃんがご飯作るの?

私が食事の準備でバタバタしていると、その音のせいで弟が起きてきた。

水野 楓

そうだよ!蓮も食べるでしょー?

水野 蓮

食べるけどさ、姉ちゃん料理下手そーだなって思った。

水野 楓

なっ!?ひっど!

私は弟と軽い口喧嘩をしながら、釜戸に火を炊く。

……優菜も、食べられたらいいんだけどね。

母は、ボソリと呟いた。

水野 楓

……そうだね。早く、起きてくれるといいね

水野 蓮

前はあんなに元気だったのにな。あの日からどうしてこんなに……

そう、妹の優菜は、みんなで家の裏にある山に山菜を取りに行った日に熊に襲われたっきり、目を覚まさないのだ。

水野 楓

お医者様も呼んだけど、何も以上は無いって言われたもんね。

でも、少し体温が低かったらしいわよ。

水野 蓮

別にそんなの誰だってあるでしょ。

水野 楓

……そうかもね。

私は、何か心の中で突っかかる気がしたが、気のせいだと自分に言い聞かせ、釜戸に向き直った。

水野 楓

ほら、できた!

おぉ、匂いはいいわね。

水野 蓮

匂いは、な。

私は、妹が熊に襲われた日に採ってきた山菜と白米で、お雑炊を作った。

水野 楓

食べてみてよ!

いただきます!

水野 蓮

いただきます。

2人は、一斉に雑炊を口に運んだ。 その様子を、私はドキドキしながら見つめる。

水野 楓

どうっ!?どうっ!?

水野 蓮

……ん、上手い。

美味しいじゃない!!さっすが、私の子ね〜。

水野 楓

ふふ、良かった〜。

私は、美味しそうに雑炊を頬張る2人の様子を微笑ましく思った。

ふと、私は隣の部屋で寝ている妹のことが気になり、席を立った。

水野 楓

ちょっと、優菜の様子見てくる。

わかったわ。

襖を開けて、隣の部屋に入る。

水野 楓

優菜〜、姉ちゃん、雑炊作ったんだよー。

水野 楓

……起きないよね。

私が何を言っても、優菜はビクともせずに深い眠りについている。

水野 楓

……いつ、起きるんだろ。

私はそっと襖をあけ、母と蓮がいる部屋に戻った。

これは、私が大切なことを思い出すまでの物語。

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