何も聞きたくない

※無断転載ダメ

※参考おk

※アンチは来んじゃねぇぞ？

※悲しい表現や、言葉が悪くなったりします

俺は人の心が読めた。

読みたくない相手でも目を見てしまうと絶対に脳に入ってくる。

それが家族でも、友達でも、好きな人でも。

俺はそれにずっと悩んでいた。

ﾊﾞｻｯ

毎回見る夢で朝を迎える。

怖い。読みたくない。

家族には俺が心を読めるって知ってる。

だから何も言われない。

でも、真実は違った。

こうやって、信じてなかった。

家族だけは、信じてるって思ってたんだけど。

心が読める自分が嫌いだ。

登校中は定期的に下を向くようにしている。

通りすがる人などの心を読まないようにしている。

読むと、余計なことまで知ってしまうから。

ﾀｯ

教室でもそうだ。

友達を作らず、人と会話をしない。

その方が楽だった。

心を読まなくていいし、人と話さなくていい。

ﾊﾞﾁｯ

ほらね。

心の中を見てもいい事ない。

だから、人は嫌いなんだ。

放課後。

俺は気を紛らわそうと、ずっと大好きだったバレー部に入った。

最初は、不安だったけど一人で練習すれば問題なかった。

それに、俺に近付いてくる人なんか滅多に居ないから。

相手の目を見ないようにずっと伸ばしていた前髪も、注意された。

切らなきゃ、変な目で見られる。

言う事聞かない奴だって、思われる。

だから、従うんだ。

逆らうことなんか、俺には出来ないから。

1人だけ、は俺に話しかけてきた。

月島だけは···何があっても、俺が突き放しても絶対に俺に話しかける。

俺の事を知らないから、こうやって話しかけてくるんだって、自問自答した。

もし、俺のことを知ったらみんなはすぐに俺から離れていく。

心の中で｢コイツはヤバいやつ｣だと言われる。

前も、そうだったから。

俺が、余計なことをしたから···唯一の友達も離れていったんだ。

全部、俺のせい。

ｸﾞｲｯ

なんで、優しいの？

表だけ、だよね？

裏は、···俺の悪口言ってるんだ···よねっ。

信じちゃ、ダメ。

これは···ただ、俺をからかうために接してる···だけだから。