ドラケン
三ツ谷!!

三ツ谷
........

三ツ谷
あの、どちら様ですか

ドラケン
えっ...あっと...その

かつての相棒の声と歌が聞こえて思わず走って来たはいいものの
相手の名前を言うだけで後先のことを考えてなかった俺は、言葉につまる
三ツ谷
・・・ふっ..

ドラケン
え?

三ツ谷
あぁ、いやごめん

三ツ谷
なんかいきなりすごい勢いでドア開けて俺の名前呼ぶもんだから、おかしくなってきて

三ツ谷
でもなんで俺の名前を?

ドラケン
あっと、その、

ドラケン
歌...そう!歌が聞こえてきてよ、聞いていて気持ちいい歌声だったから、誰が歌ってるのかたどってきたら、この部屋について部屋の前に三ツ谷って会ったから

三ツ谷
それにしては随分息上がってんな

ドラケン
嘘はついてねぇって

三ツ谷
ほんとだな

ドラケン
おぅ

三ツ谷
んじゃ信じるわ

ドラケン
あ、ありがとう

三ツ谷
いいって、俺の歌好きなんだろ?

ドラケン
まぁ、

ドラケン
でもその歌、聞いたことない歌だけど、なんて言う曲なんだ

三ツ谷
しらねえ....

ドラケン
は?

三ツ谷
小さい時から歌うことが好きで

三ツ谷
気がついたらこの歌歌ってて

三ツ谷
でも誰もこの歌のこと知らないから、俺だけが歌える俺の歌なんだ

ドラケン
そ、そうなのか

ドラケン
あ、悪ぃ長居しちまったな

ドラケン
知らねぇやつなのに

ドラケン
邪魔したな、帰るわ

三ツ谷
ちょっと待てよ

ドラケン
なんだ?

三ツ谷
せっかくだから話し相手になってくんね?

三ツ谷
ここ(病院)知り合い居ないし退屈だし

ドラケン
......

ドラケン
少しだけなら

三ツ谷
ありがとう

まさか三ツ谷から話し相手になってくれと言われるとは思ってなくて、つい少しと言ってしまった。
俺としては長くここ言いたいでも、そんなことをしたら三ツ谷の迷惑だ。なるべくはやく時間を潰して帰ろう
三ツ谷
お前名前は?

ドラケン
・・・龍宮寺堅

ドラケン
ドラケンって呼ばれてる

三ツ谷
んじゃ俺も呼ぶわ

三ツ谷
俺は知ってると思うけど、三ツ谷隆

三ツ谷
よろしく

ドラケン
よろしく

三ツ谷
堅は、どこで俺の歌を聴いたんだ

ドラケン
ここの近くを歩いていたらたまたま聞こえた

三ツ谷
お前耳いいんだな、近くって言っても結構距離ありそうなのに

ドラケン
なんでそれが分かる

三ツ谷
だってここの病院、庭から俺の病室までそんな距離ないのに

三ツ谷
結構息切らして来てたから相当遠いんだろ

ドラケン
お前すごいな、よくそこまで分かるもんだ

三ツ谷
ま、疑い深くて損することないし、観察や考察は好きだからな

ドラケン
(......昔もそうだったな)

ドラケン
三ツ谷は今いくつだ

三ツ谷
18歳

三ツ谷
ドラケンは?

ドラケン
せっ......23歳

三ツ谷
なんだ年上だったのか、随分大人びてるしそうだろうなとは思ったけど

ドラケン
そうか?

三ツ谷
自覚ねぇのかよ

三ツ谷
そんだけモデル並みに顔整ってるくせに

ドラケン
どうも

その後も、俺は三ツ谷とたわいのない会話をして時が経つことを忘れてしまっていた
ドラケン
あ、もう外暗いな、そろそろ戻らねぇと

三ツ谷
ほんとだな

三ツ谷
今日は話し相手になってくれてありがとな

ドラケン
・・・・

ドラケン
なぁ

三ツ谷
なんだ?

ドラケン
お前がその...嫌じゃなかったらよ、

ドラケン
たまにここ来てまた喋ってもいいか

三ツ谷
........

三ツ谷
ふっ、俺も同じこと思ってた

三ツ谷
いつでも来いよ

ドラケン
ほんとか!

三ツ谷
もちろんだ

三ツ谷
だから早く帰りな

ドラケン
あぁ、じゃぁまたな!

三ツ谷
ふぅ.....

三ツ谷
どうしたんだ俺

三ツ谷
初対面のやつに懐かしさを感じるなんて

三ツ谷
でもあいつ、ほんとに初対面の感じしないんだよな

三ツ谷
なんだろ、この感覚
