TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

桜のつぼみが少しずつふくらんで

今にも開きそうな今日この頃

みんながいなくなった教室で

1人君との思い出に

ひたることにした

この学校には

まひろとの思い出が沢山あった

最後に足を運んだ教室

まだ机はあの時のまま

ああ、あそこだ

まひろの席は

ガタガタッ

まひろの席に座った

あいつもこの景色を見てたんやな

窓側の1番後ろ

2人でずっと取り合いっこしてたな

ジャンケンにだけは強かった俺

一回しかも譲ったことはなかったっけ

風雅

…まひろ

当たり前のようにシンとして

返事がない教室

でも俺には

聞こえるんや

まひろ

何〜?

そう言って笑う

まひろの顔が

風雅

なんでやっ…!

風雅

なんで残してくれへんかったん?

オモイデ

それは手にできないものばかり

触れられないものばかりで

まひろから貰ったミサンガも

いつのまにか切れてなくなった

願い

叶ってへんのに

風雅

お前

風雅

絶対隠したやろ?

『バレた?』

きっと

お前ならそう言って笑うんだろうな

『また作るからスネんのなし!』

…はぁ

風雅

…帰るか

次は、君が最後を迎えた場所に

行こうと思ったけど

そこに行くのはやめることにした

だってほら

まひろ

もう6時半やん!

まひろ

早よ帰らな、鬼ママに叱られるで!

まひろ

私もとばっちり喰らうのはごめんや!

って言って

俺を引きずりながら帰る

まひろの姿が見えたから

風雅

ありがとう

…ごめん、約束守れなかった

最後の最後で泣いた

まひろ

中学卒業までは泣かないこと!

まひろ

ゆびきり!

ふわふわな笑顔で言ってくれたのに

無理やった

まひろが残してくれたもの

カタチには残らないかもしれない

でもきっと

俺の心には残るはずだから

残らせるから

君の生きた証を

だから見ててな

俺の頑張る姿

お前の分まで生きるのは

荷が重いかもやけど

大好きやから

拝啓 空にいるまひろへ

大西風雅より

この作品はいかがでしたか?

331

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚