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【虎杖総受け】もうどうすればいいのかな。

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【虎杖総受け】もうどうすればいいのかな。

1 - 【虎杖総受け 第一話】もうどうすればいいのかな。

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2021年08月01日

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虎杖悠仁

…先生の家って、初めて来んだけど…急に来て良かったんかな…。

虎杖悠仁、15歳。恋人である五条悟の家の住所を渡されて 早数ヶ月が経とうとしている。

いずれ、家に行かなければならないであろうと言うことはわかっていたものの 二人の任務や虎杖の心の準備によりここまでズルズルと期間が伸びてしまった。

そして家の前まで来たはいいがチャイムを鳴らすまでの時間が長かった。 本当に今鳴らしていいのか、急だからうざがられるのでは…と不安を募らせながら 遂にチャイムを鳴らす。

ピン…ポーン…

手が震え、不自然では無かっただろうかと独りでにわたわたとする。

五条悟

…はぁーい?どちら様?

鍵が開き、部屋から顔を覗かせるはいつもとは違ったラフな雰囲気の五条。 髪の色とは相反した全身黒色統一。

虎杖悠仁

あ…、…っと、…来ちゃった!

照れくさそうな笑みを浮かべ、五条へと元気な声で言い放つ虎杖。 右手には手土産の喜久福の大福を持って。

五条悟

いやぁ、まさか悠仁が僕の家に来てくれるなんて思ってなかったよ

虎杖悠仁

まぁ、突然だったもんな…。ごめんな先生!急に来ちまって。

五条悟

全然良いよー!悠仁ならいつ何時でも大歓迎だし♡

虎杖悠仁

あはは、調子良いなぁ。

虎杖は、この家に居た堪れなさを感じていた。

甘ったるい香水の匂い。分かりずらい所に置いてある女物のアクセサリーや化粧品。

どう考えても五条が使うものでは無さげだ。 どうやら、五条の家には頻繁に女が出入りしている様子で何とも言えぬ感情に駆られた。

そんな事は考えたくもないが、五条は浮気をしているのでは無いか…。と考えてしまい 胸にナイフで深く抉られた様な傷を伴った。

虎杖悠仁

(この格好良い五条先生が、俺だけの物じゃなくて、他の女の人の手中にも入ってるとしたら)

虎杖悠仁

(すげぇ、やだ。)

悶々とそんな事を考えれば傷は進行し、じくじくと膿んでいく。

五条悟

___…悠仁?さっきから上の空だけど大丈夫?体調悪い?

虎杖悠仁

へっ!?…あ、ううん!大丈夫!気にせんで!

紅茶を作ってくれている、綺麗に整った五条の顔が虎杖の顔を覗き込む。 この澄み切った青色の瞳に、いつも見透かされている気がしてならない。

かと言えど目が嫌いな訳でも無い。寧ろ大好きなのだ。 大好きだからこそ、彼のこの優しい瞳を誰にも見せたくない。向けさせたくない。

歪んだ独占欲が虎杖の体を包む。 こんなに嫉妬をしていたら疲れるのは分かっているものの、嫉妬をせずに何をする。

虎杖悠仁

…あんさ、先生。

五条悟

うん?どうしたの?

虎杖悠仁

……マジでさ、俺のこと好き?

五条悟

…何言ってんの?悠仁。僕が遊びで男と付き合える様な奴だと思ってる?

虎杖悠仁

思ってねぇよ、思ってねぇからこそ聞いてんの

虎杖悠仁

………ほんとに、俺のこと好き?

五条悟

……分かった。じゃああっち行こうか。

虎杖悠仁

は?…え、まって、先生、あっちって…____

虎杖悠仁

…っ、まって!先生!やだ!

五条悟

…今更嫌だって何?悠仁が求めて来たんでしょ?

虎杖悠仁

…そうっ、じゃなくて!

虎杖悠仁

五条先生の愛の伝え方は、性行為でしか示せねぇ訳!?

虎杖悠仁

もっと言葉とか、抱き締めたりとかあるじゃんか!

五条悟

……は?

五条悟

何。本当に好きだって照明が欲しいって事は所謂"そーゆー事"がしたいって意味じゃなかったの?

この男は、本当に何を言っている?

理解がし難い。きっと、そのような女としか付き合って来なかったんだろう。 …惨めで、可哀想だと言う感情がふつふつと湧き上がる。

虎杖悠仁

(もうちょっと早く、俺が五条先生と会ってたら。)

こんな顔が良いだけのクズにならなかっただろうか。

五条は気分が削がれたとでも言いたげな顔で虎杖を見下す。 その目が異常に冷たく、身が竦む。

虎杖悠仁

……離れて。

五条悟

は?何?

虎杖悠仁

……離れろっつったんだよ

五条悟

…え?何、どうしたの悠仁

嗚呼。この人のこういう所が嫌いだ。 自分の都合が悪くなりそうだったらこの甘々対応に戻る事が。

虎杖悠仁

……もういやだ。

喜久福の大福が机上に転がるのに脇目も振らず、五条の家を後にする。

五条悟

ちょっと、待ってよ悠仁!

虎杖悠仁

…伏黒……。

伏黒恵

…お前どうした…。そんな窶れて…。今日五条先生の家行くって浮かれながら言ってたじゃねぇかよ。

虎杖悠仁

…その…。すげぇ言いにくいんだけどさ…

伏黒恵

…なんだよ。ハッキリ言え。

虎杖悠仁

…おう。…ごめん。

虎杖悠仁

五条先生、もしかしたら浮気してるかも知んねぇんだ

伏黒恵

……は?浮気?

伏黒は明らかに五条に嫌悪を抱いた顔をした。 いや、その半分に"やっぱりな"と何か分かっている様な雰囲気も感じた。

虎杖悠仁

…やっぱ、五条先生も女の子の方が好きだよな…。

__だって、男だもんな。

伏黒恵

…まぁ。あの人が一人の人に執着してるなんて所。見た事ないからな

伏黒恵

でも、あの人からお前は告白されたんだろ?

伏黒恵

なら多少は五条先生に本気で好きって想われてんじゃねぇのか?

虎杖悠仁

…伏黒ってやっぱなんだかんだ言って優しいよな

いつもとは違う、はにかんだ様な笑みを浮かべる虎杖。 そんな笑顔に伏黒は胸の何処かが締め付けられる。

どうしてこの善の塊のような善人の虎杖が、 あの様な男の手中にすっぽり収まってしまっているのだろうか。

そんな事を悶々と思いながら、沈んだ様子でベンチに腰掛ける虎杖を眺める伏黒。

どうしたら、虎杖のあの人に対する執着心と嫉妬心を取り除かせてやれるのだろうか_。

虎杖悠仁

…最悪だ…。

虎杖悠仁

なんで好きな人の浮気疑わなきゃなんねぇんだよ…。

虎杖悠仁

…意味分かんねぇ…。

そう虎杖の気分が落ち込んでいる時。

パチン、と指を鳴らす音が。

虎杖悠仁

……は?

この指を鳴らす音の正体を即座に理解したその瞬間、虎杖の意識は遠のいた。

虎杖悠仁

…お前マジでふざけてんじゃねぇぞ…。

虎杖が歩みを進める度、水が跳ねる音がする。

両面宿儺

愉快愉快。小僧の普段の善人面が歪む姿、実に滑稽だな?

くつくつと喉からの笑いを上げる宿儺。

虎杖悠仁

るっせぇ。んだよ急に呼び出しやがって。返せ。

苛立ちを隠しきれぬまま、宿儺へと八つ当たりの様な物をしてしまう虎杖。

両面宿儺

…どうやら今日の貴様は随分気性が荒い様だな。

いつもと対応は違わない筈だが、何故こうも気付かれるのか。

虎杖悠仁

うるせぇな、別にいつも通りだろ。

両面宿儺

あの呪術師に小僧の他にも伴侶が居た事がそんなに不服か?

虎杖悠仁

……は?

両面宿儺

何も、今一人の伴侶が居ようとその人間の人生はそいつの物であろう?

両面宿儺

何故、ただの伴侶のうちの一人にしか過ぎない貴様が、何人も伴侶を作るあの呪術師に腹を立てている?

虎杖悠仁

…だって、ンなもん、一人の奴愛せてる方が誠実で良くねぇか?

両面宿儺

その誠実さは、貴様と周りの人間には良く映るかもしれん。

両面宿儺

だが、誠実だ、と言う印象を漕ぎ着けられているその人間の内心はどうだ?

両面宿儺

勝手に誠実だと想像を付けられ、何をするにも誠実で、完璧でないと行けない。

両面宿儺

そんな物、そやつの人生ではなく、その人間の周りにいる奴達が、その人間の人生を決めているでは無いか。

虎杖悠仁

…でも、…んなの、……認めらんねぇよ……

両面宿儺

…はぁ。…小僧のそういう所が駄目なのだろうな。

両面宿儺

執拗く、真面目すぎるが故、人間に求められる完璧像に囚われ過ぎだ。

虎杖悠仁

……俺の事、なんにも知らねぇ癖にベラベラ語ってんじゃねぇよ……

両面宿儺

先程までの威勢はどうした。

両面宿儺

言葉は荒いが、声色は弱々しいぞ?

虎杖悠仁

……っ!黙れ!!

両面宿儺

煩わしい。

両面宿儺

俺の耳が劈く程の声量を出して何になる。

両面宿儺

散れ。

キンッ、と虎杖の首が切られる。

ばしゃん、と虎杖の頭が宿儺の生得領域内の水の中へと落ちる。

虎杖の意識はそこで再び途絶えた。

__翌日、虎杖は任務が無く、寮に居ても五条と鉢合わせになるのが嫌な為 カフェにやってきた。

勿論、伏黒と釘崎も交えてだ。

釘崎野薔薇

アンタにしては気が利くじゃない。

釘崎野薔薇

全部アンタの奢りなんて。

釘崎野薔薇

でもまぁ、アンタに全部払わせちゃうのは私も気が引けるから割り勘しましょ。

虎杖悠仁

結局割り勘かよ!

虎杖悠仁

つか何?釘崎普段割り勘とか、んな事言わねぇのに。

釘崎野薔薇

煩いわね!

釘崎野薔薇

伏黒から聞いたのよ。

虎杖悠仁

伏黒から?

伏黒恵

…お前が五条先生に浮気されてるかもって事、釘崎に言っちまった。

虎杖悠仁

……嗚呼、そっか。

虎杖悠仁

全然!気にすんなよ!

釘崎野薔薇

そんな傷心し切った奴に全額負担なんて、流石の私にもそこら辺の配慮はあるのよ。

虎杖悠仁

……ん。そっか。

釘崎野薔薇

今日はとことん愚痴聞いてやるわよ。

釘崎野薔薇

特別ね。

虎杖悠仁

!……おう。サンキュ。

釘崎野薔薇

…はー…。マジで何してんのよあのクソ教師は!

虎杖悠仁

そ、そこまで言わんでも良くない?

釘崎はアイスティーを机に叩きつけるようにして置いた。

伏黒恵

釘崎。んな強く叩き付けんな。割れる。

釘崎野薔薇

そんな力強くないわよ!!

虎杖悠仁

嫌、十分強ぇぞ

釘崎野薔薇

うるせぇ!!

やいやいとして、虎杖の話が終わると虎杖以上に釘崎の方が怒っていた。

虎杖悠仁

釘崎、俺より怒ってんじゃんか。

伏黒恵

余り怒り過ぎると皺増えるぞ

釘崎野薔薇

アンタほんっっと余計な事しか言わないわね!

伏黒は虎杖の隣の席に座り凛とした表情でアイスコーヒーを啜る。

虎杖はと言えば、コーラをストローで肩を萎ませ吸い上げている。

虎杖悠仁

まぁまぁ…。二人とも落ち着けって。

釘崎野薔薇

……何で浮気されてるかもって言ってた本人が一番落ち着いてんのよ。

虎杖悠仁

釘崎たちが怒りすぎなんだよ。

虎杖悠仁

お陰で俺の分まで全部怒ってもらった気になっちまって今更怒る気にもなれねぇし。

釘崎野薔薇

…まぁ…。…虎杖がそう言うなら良いんでしょうけど。

そんな時、虎杖の携帯に一通メールが届いた。

虎杖悠仁

……五条先生からだ

釘崎野薔薇

……私達にも見えるように机の上でやり取りしなさい。

釘崎の言葉にこくりと頷き、虎杖は携帯を取り出し、机上に置き、LINEを開いた。

【続く】

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早く続き見たいです

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なんだただの神か

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