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マ イ キ ー

... これが、昔の話だ

昔日の記憶を 幼馴染に話し

恐る恐る 顔を上げる

ハ ル チ ヨ

蒼月 魁 ...

どうやら

重要な事実を 黙っていた事に対しては

怒っていなさそうで

一先ず安心する

ハ ル チ ヨ

嶺の兄貴、か ...

苦虫を噛み潰した様な そんな顔をする三途

きっと俺も 同じ顔をしているのだろう

マ イ キ ー

... この話、

マ イ キ ー

嶺にも、話した方がいいか ...?

ハ ル チ ヨ

... マイキー、

マ イ キ ー

... 否、彼奴には荷が重いか

梵天の 2 TOP を 此処迄悩ませる彼女が

独りで責任を感じ 潰れる事だけは

絶対に避けたい

マ イ キ ー

三途

ハ ル チ ヨ

... はい

そんな俺の心情を 察したのか

三途が片膝を着き 王を崇める様なポーズを取る

まるで命より重い詔を 聞き逃すまいと云う様に

そんな彼に対し 俺は口を開き

マ イ キ ー

嶺を ──⋯

マ イ キ ー

地下に監禁しろ

ハ ル チ ヨ

... 御意

幼馴染として 有るまじき言葉を

零れるが儘に 吐き出した

マ イ キ ー

... 善は急げだ

マ イ キ ー

嶺を見掛け次第、執り行え

ハ ル チ ヨ

了解です

理解のある男が 俺の右腕で良かった

なんて事を考えながら 見据えた扉

ガチ ャ ッ

ハ ル チ ヨ

...?

マ イ キ ー

...!?゙

マ イ キ ー

な ... っ、

ハ ル チ ヨ

は、

レ イ

...

マ イ キ ー

れ、ぃ ...?

藍色髪の女が 静かに

レ イ

やっぱり、そうなんだね

哀に塗られた声音で そう言った

question 人を殺した事は 有りますか?

⇒ Yes   No

Yes 有ります

question それに理由は有りますか?

⇒ Yes   No

Yes 有ります

question それは何故ですか?

⇒ 回答   拒否

回答 正義の為に、殺しました

question その殺しを悔やんだ事は 有りますか?

⇒ Yes   No

Yes 悔やんでばっかです

question 貴方は自分の事が 好きですか?

⇒ Yes   No

No 殺したいくらい嫌いです

question 貴方はいつでも 死ねますか?

⇒ Yes   No

Yes いつでも喜んで

“ 警察官 ” と云う 仕事に就いてから

ずっとしている 自問自答

“ 自 分 の 存 在 価 値 ”

人殺しに 理由を付けては

正義と云う盾で 己の身を守る

それでも 自分の放ったこの弾丸が

何処かの誰かの ‘ イノチ ’ を

護っているのだと 思い込んだから

未だ私は 戦闘マシーンとして 息をしている

誰かを救うという事が きっと自分の存在価値

それでも

自分のせいで

誰かの ‘ イノチ ’ が 消えているのなら

自分の存在価値なんて

こ の 世 界 に は 無 い の か も ネ

レ イ

... そうでしょ?

レ イ

二人とも

マ イ キ ー

...

沈黙は肯定

そう言った昔の偉人は きっと正しい

レ イ

手に負えない、問題だから

レ イ

閉じ込めて、護るフリをする

マ イ キ ー

嶺 ... っ、

レ イ

解ってるよ、マイキー

話を遮る

淡々と話す

薄く笑う

内心哀しむ

誰かを喰って 息をする

全部全部 上辺だけ

自分には 許されていない

逡巡も 行動も 理解も 恋慕も

レ イ

自分だって、そうだし ... さ

貪った先に 何が在るのか

レ イ

護る為? ... 当たり前か

レ イ

自分が捕まると、手に負えなくなるからか

ハ ル チ ヨ

違 ... っ、嶺 ...!

幼馴染二人による 自分の存在否定

典型的な言葉が 棘の様に突き刺さる

レ イ

... その程度の関係なら

レ イ

自分、要らないよ?

兄みたいになる為に 始めたこの一人称も

マイキーに追い付く為の 男勝りなこの口調も

春くんの隣に居る為の 偽ったこの正義も

レ イ

二人の言う通りなら

レ イ

全部無駄だったって事だよね?

自分自身の感情さえ よく解らなくなって

パレット上の絵の具を 全て混ぜ合わせた様な

怒っているのか 哀しんでいるのか 解らなくなる

濁り絡まった そんな

レ イ

二人だけには、そうやって

レ イ

否定されたくなかったの ...

今の自分は どれだけ醜いのだろうか

レ イ

... 大っ嫌い

人殺しを護るという事に

一体全体 なんの意味があるのやら

レ イ

もう全部、

レ イ

どーでもいい

人殺しのレッテルよりも

幼馴染からの否定の方が

如何やら 余っ程しんどいそうだ

レ イ

... さっさと連れてって

ハ ル チ ヨ

... 嗚呼、

苦い顔をした春くんが 自分を地下へ連れて行った

side _ ¿?

がしゃん、と

金属が擦れ 其奴を拘束する

何処を見てるか 解らない

焦点のない 虚ろな瞳で

レ イ

...

其奴は

嶺は

俺から

ハ ル チ ヨ

っ ...

オ レ   ‘ 三途 春千夜 ’ から 目を逸らした

彼女と再開する前

彼女を閉じ込めた あの地下室

レ イ

... 全然違う気がするね

小さく呟く嶺

其れは単に この地下室が変わったのか

はたまた

嶺自身の 心境が変わったのか

ハ ル チ ヨ

... 悪ぃな、嶺

ハ ル チ ヨ

行かねーと

レ イ

うん、そう ...

まるで目が合わない

きっと嶺が 意図的に逸らしてる

ハ ル チ ヨ

っ ...

そんな仕草に そんな表情に

如何しても 胸の奥が痛む

傍から見れば 唯の幼馴染

でも俺からすれば

イノチさえ 代えられる

世界で一番 好いた女

嶺を脅かす奴には 俺が容赦いない

例え其れが 嶺の本当の兄でも

だから

ハ ル チ ヨ

“ ____ ”

その言葉だけ吐き

部屋を後にした

熟れて腐った 果実の様な

甘ったるい 変なキモチだけが

胸の奥を 蝕んでいた

♡ 2000

この作品はいかがでしたか?

6,083

コメント

37

ユーザー

神作すぎ"(∩>ω<∩)"

ユーザー

初こめ失礼します(*・ω・)*_ _)ペコリ すごく面白いです.ᐟ‪ はじめから一気読みしました.ᐟ‪ 主さんの夢小説大好きです.ᐟ‪

ユーザー
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