マ イ キ ー
昔日の記憶を 幼馴染に話し
恐る恐る 顔を上げる
ハ ル チ ヨ
どうやら
重要な事実を 黙っていた事に対しては
怒っていなさそうで
一先ず安心する
ハ ル チ ヨ
苦虫を噛み潰した様な そんな顔をする三途
きっと俺も 同じ顔をしているのだろう
マ イ キ ー
マ イ キ ー
ハ ル チ ヨ
マ イ キ ー
梵天の 2 TOP を 此処迄悩ませる彼女が
独りで責任を感じ 潰れる事だけは
絶対に避けたい
マ イ キ ー
ハ ル チ ヨ
そんな俺の心情を 察したのか
三途が片膝を着き 王を崇める様なポーズを取る
まるで命より重い詔を 聞き逃すまいと云う様に
そんな彼に対し 俺は口を開き
マ イ キ ー
マ イ キ ー
ハ ル チ ヨ
幼馴染として 有るまじき言葉を
零れるが儘に 吐き出した
マ イ キ ー
マ イ キ ー
ハ ル チ ヨ
理解のある男が 俺の右腕で良かった
なんて事を考えながら 見据えた扉
ガチ ャ ッ
ハ ル チ ヨ
マ イ キ ー
マ イ キ ー
ハ ル チ ヨ
レ イ
マ イ キ ー
藍色髪の女が 静かに
レ イ
哀に塗られた声音で そう言った
question 人を殺した事は 有りますか?
⇒ Yes No
Yes 有ります
question それに理由は有りますか?
⇒ Yes No
Yes 有ります
question それは何故ですか?
⇒ 回答 拒否
回答 正義の為に、殺しました
question その殺しを悔やんだ事は 有りますか?
⇒ Yes No
Yes 悔やんでばっかです
question 貴方は自分の事が 好きですか?
⇒ Yes No
No 殺したいくらい嫌いです
question 貴方はいつでも 死ねますか?
⇒ Yes No
Yes いつでも喜んで
“ 警察官 ” と云う 仕事に就いてから
ずっとしている 自問自答
“ 自 分 の 存 在 価 値 ”
人殺しに 理由を付けては
正義と云う盾で 己の身を守る
それでも 自分の放ったこの弾丸が
何処かの誰かの ‘ イノチ ’ を
護っているのだと 思い込んだから
未だ私は 戦闘マシーンとして 息をしている
誰かを救うという事が きっと自分の存在価値
それでも
自分のせいで
誰かの ‘ イノチ ’ が 消えているのなら
自分の存在価値なんて
こ の 世 界 に は 無 い の か も ネ
レ イ
レ イ
マ イ キ ー
沈黙は肯定
そう言った昔の偉人は きっと正しい
レ イ
レ イ
マ イ キ ー
レ イ
話を遮る
淡々と話す
薄く笑う
内心哀しむ
誰かを喰って 息をする
全部全部 上辺だけ
自分には 許されていない
逡巡も 行動も 理解も 恋慕も
レ イ
貪った先に 何が在るのか
レ イ
レ イ
ハ ル チ ヨ
幼馴染二人による 自分の存在否定
典型的な言葉が 棘の様に突き刺さる
レ イ
レ イ
兄みたいになる為に 始めたこの一人称も
マイキーに追い付く為の 男勝りなこの口調も
春くんの隣に居る為の 偽ったこの正義も
レ イ
レ イ
自分自身の感情さえ よく解らなくなって
パレット上の絵の具を 全て混ぜ合わせた様な
怒っているのか 哀しんでいるのか 解らなくなる
濁り絡まった そんな
レ イ
レ イ
今の自分は どれだけ醜いのだろうか
レ イ
人殺しを護るという事に
一体全体 なんの意味があるのやら
レ イ
レ イ
人殺しのレッテルよりも
幼馴染からの否定の方が
如何やら 余っ程しんどいそうだ
レ イ
ハ ル チ ヨ
苦い顔をした春くんが 自分を地下へ連れて行った
side _ ¿?
がしゃん、と
金属が擦れ 其奴を拘束する
何処を見てるか 解らない
焦点のない 虚ろな瞳で
レ イ
其奴は
嶺は
俺から
否
ハ ル チ ヨ
オ レ ‘ 三途 春千夜 ’ から 目を逸らした
彼女と再開する前
彼女を閉じ込めた あの地下室
レ イ
小さく呟く嶺
其れは単に この地下室が変わったのか
はたまた
嶺自身の 心境が変わったのか
ハ ル チ ヨ
ハ ル チ ヨ
レ イ
まるで目が合わない
きっと嶺が 意図的に逸らしてる
ハ ル チ ヨ
そんな仕草に そんな表情に
如何しても 胸の奥が痛む
傍から見れば 唯の幼馴染
でも俺からすれば
イノチさえ 代えられる
世界で一番 好いた女
嶺を脅かす奴には 俺が容赦いない
例え其れが 嶺の本当の兄でも
だから
ハ ル チ ヨ
その言葉だけ吐き
部屋を後にした
熟れて腐った 果実の様な
甘ったるい 変なキモチだけが
胸の奥を 蝕んでいた
♡ 2000
コメント
37件
神作すぎ"(∩>ω<∩)"
初こめ失礼します(*・ω・)*_ _)ペコリ すごく面白いです.ᐟ はじめから一気読みしました.ᐟ 主さんの夢小説大好きです.ᐟ