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コンテスト参加ありがとうございます。 とても悲しいですが、優しいお話でもあると感じました。この中で1番悪いのは赤の他人、つまり周りの人間ですね。娘を授かってから、生きる理由はその子だった。母親にとって、まさにアナタは私の全てだったんだと思います。また、最後の、消えた、で物語が終わる所も素敵でした。
うわ、切ないです 夫、選び間違えたんですね… こんな時、寄り添ってあげるのが夫なのに… もう、最高です、大好きです((
誰にでも嫉妬心とか他の人をよく思わないことってあると思う でも、そんな中頑張って生きてるんだよね もうどうにも我慢できない時、こんな風に全てがなくなっちゃうんだろうな、、ってなった!
私は生まれた頃から 醜い容姿で嘲られてきました
みすぼらしい私に 後ろ指を刺し、笑う人々
暴言も吐かれるだけ 吐かれてきました
でも、そんな私に 転機が訪れたのです
晴天の空の下 鐘の鳴る式場の中で
高い身分の男性と 婚約することができたのです
両方の両親は大賛成 とても幸せな式でして
多くの国民に祝福されて 幸せな日を迎えました
それから私達は一人目の子宝を 授かることとなりました
なんと美しい子供だ…
奇跡の子では?
容姿が完璧だ…
一億年に一度の天使と言えるかもしれない…!
産まれた子は とても美しい娘でした
艶のある金髪に黒く澄んだ瞳
薄い桃色の唇は 桜の花を秘めているようでした
私
夫
隣でにっこりと笑う彼は 優しくて暖かくて
とても嬉しい気持ちになりました
でも、我が子とは裏腹に 醜い私が大嫌いになった
周りの人だって父似で良かった、って思ってるんでしょ?
あぁダメね、私
自分の子に劣等感を抱くなんて 気にしないのが一番なのに
誰もそんなこと言ってないのに
数年後
娘はすくすくと健康に育ちました
華奢な背中に細く長い手足 彼女は多くの人気を集めました
ただ、難点が一つだけ
娘
夫
夫
娘
夫を睨みつけて部屋を出ていく娘
今考えれば反抗期の可愛い喧嘩 だったのかもしれません
でも、その時の夫は 頭に血が上っていて
夫
私
夫
夫
信じられない、という表情で リビングを出ていく夫
私
独りぼっちになった部屋で 私は悔しくて泣いてしまいました
次の日の朝
やけに外が騒がしいので 窓を開けると
瞬間、石を投げつけられて
石が少し頬を掠って血が出ました
また、奥にあるドレッサーの鏡が割れてしまったのです
私
ヒリヒリする右頬を抑えて 外を見ると数々の罵声
昔を思い出すような言葉だらけで 目の前が真っ暗になった気がして
立ち尽くす事しかできませんでした
お前が奇跡の子を 駄目な子に育てたんだろう?!
自分とは反対に 美しい子を持ったからといって嫉妬か!
その醜態晒して 自分が有利だと思うなよ!
夫の仕業だと 瞬時に気づいてしまって
その時私に味方など いるわけがなくて
国中が私の敵でした
それに
これまで封じ込めていた 娘への劣等感が弾けてしまって
すぐさま窓を閉めて 娘の部屋へと急ぎました
そっと部屋に入ると まだ寝ている彼女が見えました
スヤスヤと寝息をたてて 色白の長い手足を無造作に広げて
それでも私とは合わせ鏡のように 彼女は美しかった
私
そっと話しかけたが 熟睡しているのか反応はなくて
私
私
ベッドの上で馬乗りになっても 気づかれなかった
貴女の美貌が憎かった
そして何よりも
羨ましかった
私
私
いつの間にか私の頬を伝う涙も この一振りで消えるでしょ?
両手にはさっき割られた鏡の破片
私は自分の首と
娘の首を
削ぐように切って消えた