恋崘
はぁ…
恋崘
ここから飛び降りれば、辛くなくなるんだよね…?
僕はゆっくりとフェンスに手をかけた…
でも、優しい友達の顔が浮かんで勇気が出ない
僕は息を吸った
恋崘
待っててね…
恋崘
母さん、父さん…
ガチャッ
??
………何してんの?
恋崘
ビクッ
恋崘
何って… 家族に会いに…
??
お母さんも、お父さんも、お前が死んだら悲しむぞっ‼︎
そうか…僕には…
やらなければならないことがあるじゃないか
あの日のことは、今でも鮮明に覚えている
恋崘
ただいま〜
お母さん
………
恋崘
あれ、母さん?………!?
僕は目を疑った
だってそこには僕の両親が倒れていたのだから
恋崘
ねぇ! どうしたの!?
恋崘
母さん! 父さん!
お母さん
うぅっ…
恋崘
母さん! どうしたの?
恋崘
今救急車呼ぶから…!
お母さん
呼ばなくて…いいよっ……
恋崘
なんで…!!
お母さん
父さんも…母さんも、もう…間に合わない…から
恋崘
やだっ死なないで!
お母さん
恋崘、大好きだよ……
恋崘
うわぁぁぁぁぁぁぁ……
後から、僕の両親はだれかに殺害されたと聞いた
なんで?
どうして?
ただただ泣いて泣いて
何も考えられなかった…
その時に気がついたんだ
最初から幸せなのがいけないんだって
なに不自由ない生活ができることこそ幸せ?
結局失った時が辛いだけじゃないか
わがままなのはわかってる
でも…でも…
静かに話を聞いていたその人は綺麗な目で僕のことを見つめていった
??
世間でいう“幸せ”と自分が思う“シアワセ”は違うんだ、だろ?
恋崘
そう、お兄さんはわかるんだね
??
ああ、だから
俺と一緒にーーーーー
恋崘
うん!!
なぜか、この人にはついていきたいって思えたんだ
この人なら、僕をこの地獄から連れ出してくれるような気がした
それに初対面のはずなのに、どこかであったことがあるような………