道

ｶﾞﾗｶﾞﾗｶﾞﾗｶﾞﾗ…

痛そうに目をギュッと瞑りながら、 ストレッチャーで運ばれる愁斗。

その愁斗の手を握りながら、 僕は走った。

先生も焦ってるし、看護師さんも焦ってる。

何があったの。

ふみにぃは車で病院に向かってるけど。 早く来て…

ｶﾞﾗｶﾞﾗｶﾞﾗｶﾞﾗ…

何を言われるのか怖くて、 唾を飲んだ。

歩くことも奪ったのに、 今度は起きることも奪うのかよ… 何で愁斗ばかり。

2人はもちろん手術してほしい。 でも、またあの痛みと恐怖を味わせてしまうことになるのが、ものすごく申し訳なくて、 悩みだった。

ﾄｺﾄｺﾄｺﾄｺ…

（手術やだ）

ひでは、 未来を勝手に想像して 涙が溢れ出て来た。

何で愁斗ばかり…という気持ちが襲う。

ひでとのバイバイを口に出した途端、 もっと愁斗の涙がこぼれ出し、 焦るように ににと連呼しだした。 それをみて、涙しか流れなかった。

手術を決めた愁斗。 この日から抱っこも許されず、 3日後…すぐに手術が決まった。

俺の出る番じゃないと、後ろで見ていた史記は 密かに涙をこぼしては、 拭うことで忙しかった。

家に帰ることなく、即入院。

ひでも帰らず、 ずっとそばにいた。

ｶﾞﾗｶﾞﾗｶﾞﾗｶﾞﾗ……

着替えを置きに来たケビン。 扉を開けると、 心配そうに振り向くひで越しに 口を開けて、機械に繋がれながらも グッタリと苦しそうにする愁斗がいた。

そうこうしてるうちに、 3日が経ち、 手術の日を迎えるのであった。