月末の仕事が片付いたので、俺の慰労を労ってくれるとの事で、南雲の兄貴の行き着けのバーラウンジに来ている。
南雲梗平
小峠華太
南雲梗平
華太は出された、カクテルに口をつける。口の中で、カカオリキュールとレモンがコーヒーのような味わいを醸し出す。
小峠華太
南雲梗平
小峠華太
カクテルといえば、守り代を貰っている店の嬢たちが、花言葉のように、カクテルにも言葉が存在するので、一度でいいから、お酒で口説かれてみたい、と話してた事を思い出す。
南雲梗平
小峠華太
南雲の兄貴が席を立った後も、適当に注文したお酒を飲んでいたが、ふと、先ほど南雲の兄貴が選んでくれたカクテルには、どんな意味があるのか、時間潰しにスマホで検索してみる。
小峠華太
南雲梗平
その後、南雲の兄貴が電話を終えて戻ってきた。しばらく、飲んだ後、明日も仕事がある為、その日はお開きとなった。
数日後、俺はまた南雲の兄貴の誘いで、あのバーラウンジに赴いていた。そして、前回と同様に南雲の兄貴は、俺の最初の一杯目のカクテルを選ぶ。
南雲梗平
小峠華太
ワインに卵と砂糖とナツメグを加え、ブランデーとシェイクしたものなので、やはりブランデーの強さが際立つ。
南雲梗平
小峠華太
南雲梗平
小峠華太
そもそも 南雲の兄貴が、カクテル言葉を知ってるとは限らない。 偶然が重なっただけだと自分にいい聞かすが、送られたカクテルが、着実に華太の心に熱を灯す。
数日後、また南雲の兄貴に連れらて、例のラウンジに来ていた。やはり、三回目も前回と同様に南雲の兄貴が、俺の飲むカクテルを指定する。
南雲梗平
小峠華太
頬を染める熱は酒のせいなのか、南雲の兄貴のせいなのか分からない。ただ胸の鼓動が邪魔して、この後、兄貴と何を話したかさえ、全く覚えていない。
そして、今日もまた、華太の前に、南雲の兄貴セレクトのカクテルが置かれている。 ホーセズネックのカクテルが。
きっと、一度目は偶然、二度目は奇跡、三度目は必然、四度目は運命、と掛けているのだろ。 四回目の今日、南雲の兄貴から華太に送られたカクテルもまた 『運命』 だから。
小峠華太
南雲梗平
小峠華太
南雲梗平
小峠華太
南雲梗平
モーニンググローリーフィズ あなたと明日を迎えたい。
南雲梗平
敢えて、逃げ道を用意してくれる南雲の優しさに、また心が跳ねる。 華太は躊躇いなく、グラスに口をつけ、一気に呷る。
南雲梗平
小峠華太
その後も他愛ない話に興じながら、バーテンダーから死角になる バーカウンターの下で、互いの指を絡ませ合う。
おわり
あとがき バーカウンター固定なのは、バーテンダーからは死角やけど、後ろの客からは丸見えなんで、なぐかぶがラブラブしてるのを後ろの席から見守りたい。 スレッジハンマーってカクテルがある事を、最近知ったわ。やっぱり犬養みたいにパンチあるカクテルなんやろか? お酒の良いとこは、自然な感じでお持ち帰りが出来るとこ。 別に、カクテル言葉を使わなくても、カクテルの名前に『キス・ミー・クイック』早くキスをして!などの直球なものがあるのもいいよね。
コメント
8件
良すぎてチヌ😇 最高でした!