テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
楪羽*yuzuriha*
9,466
#家族関係
Shax91
107
#リート
コメント
9件

続きまってます!

続きが楽しみすぎです!!! 次の投稿待ってます!!!
エルフレ・バルサム事件が終結してから、数週間が経った。
世間を騒がせていた‘‘万能の蜜’’という噂は、特務組織の情報操作によって徐々に沈静化していた。
もちろん、完全に消えたわけではない。
一度広まった噂は、人々の記憶から簡単には消えない。
けれど。
少なくとも、エルフレ・バルサムを巡る騒動は終わった。
……表向きには。
佐久間大介
事務所のソファーで、佐久間が大きく伸びをする。
阿部亮平
阿部が端末を確認しながら返した。
阿部亮平
その言葉に、何人かの表情が変わる。
ラウール
ラウールが静かに呟く。
深澤が頷く。
阿部亮平
岩本照
岩本が腕を組む。
その横で宮舘は、いつものように紅茶を淹れていた。
宮舘涼太
渡辺翔太
渡辺が即座に返す。
渡辺翔太
宮舘涼太
渡辺翔太
言葉に詰まる渡辺。
それを見て、佐久間が笑う。
佐久間大介
向井康二
向井も頷いた。
少し前までなら。 二人が何か大きな秘密を抱えていることに気付いても、踏み込めなかった。
でも今は違う。
全部を話してくれたわけではない。
それでも。
少なくとも、隣にいる仲間として向き合うことはできる。
その日の夜。 神崎の研究施設。
以前とは違い、静かな部屋。
そこには霧島と、もう一人の研究員がいた。
白衣姿の男。
長年、特殊な研究だけを続けてきた博士。
名前は――
博士
男は資料を眺めながら、恍惚とした表情を浮かべる。
博士
博士
博士
指先で資料をなぞる。
博士
博士
霧島が少し呆れたように見る。
霧島
博士
霧島
男は笑う。
博士
神崎はそれを横目で見ながら、話を戻す。
神崎
神崎
男は少し考える。
博士
博士
画面に映る、一本の髪。
以前回収されたもの。
博士
博士
霧島が目を細める。
霧島
博士
男は答える。
博士
博士
静かな部屋に、その言葉だけが響いた。
一方。 SnowManの事務所。
阿部は一人、資料を整理していた。
すると。
??
声に振り向く。
宮舘だった。
阿部亮平
宮舘涼太
宮舘は少し笑う。
以前なら。 阿部だけが知っていた。
渡辺と宮舘がエルフレ・バルサムに関わっていたこと。
そして。
宮舘が《命紡》を使ったことで、何か大きなものを生み出してしまったこと。
でも今は違う。
阿部亮平
阿部が聞く。
宮舘は少し黙る。
宮舘涼太
宮舘涼太
窓の外を見る。
宮舘涼太
阿部は静かに頷く。
阿部亮平
宮舘涼太
即答だった。
宮舘涼太
宮舘は苦笑する。
宮舘涼太
阿部亮平
二人で少し笑う。
その時。 阿部の端末に通知が入った。
一瞬。
表情が変わる。
宮舘涼太
阿部亮平
阿部は画面を見る。
そこには。 特務組織から送られてきた新しい情報。
『行方不明者発生』 『能力研究関連施設との接触記録あり』
そして。
添付された一枚の写真。 そこに写っていた人物。
阿部は息を止める。
宮舘も画面を見る。
宮舘涼太
写真の人物は。
以前から神崎が探している。
“最高傑作”
かもしれない存在だった。
しかし。 阿部には別の違和感があった。
写真の背景。 写り込んだ建物。
そして。 わずかに残された能力反応。
阿部亮平
宮舘涼太
阿部亮平
阿部は立ち上がる。
阿部亮平
神崎もまた。 別の写真を見ていた。
神崎
神崎
だが。 神崎はまだ知らない。
最高傑作が。 ただの研究成果ではないことを。
そして。 その人物自身が。
過去に施設から逃げ出した理由を知る者が。
すでにSnowManのすぐ近くにいることを。
――最高傑作を探す者
研究施設。 薄暗い部屋の中央に、一枚の資料が置かれていた。
そこに書かれているのは、長年追い続けられてきた存在。
《最高傑作》
しかし。 資料のほとんどは空白だった。
名前。 出生。 能力詳細。
全てが消されている。
霧島
霧島が資料をめくりながら呟く。
神崎
神崎は答える。
神崎
施設で生み出された存在。
通常の能力者とは違う。 複数の能力因子。 異常な適応率。
そして――
霧島
霧島が目を細める。
霧島
神崎は頷いた。
神崎
霧島
一瞬。 神崎は黙る。
神崎
珍しく、少しだけ感情が混じった声。
神崎
神崎
一方。 SnowMan事務所。
深澤辰哉
深澤が声をかける。
深澤辰哉
阿部亮平
阿部は笑う。
阿部亮平
深澤辰哉
深澤は真剣な顔だった。
深澤辰哉
深澤辰哉
阿部は少し黙る。
その様子を、宮舘が見ていた。
宮舘涼太
阿部亮平
宮舘涼太
宮舘が静かに言う。
宮舘涼太
阿部亮平
阿部は苦笑する。
阿部亮平
その言葉。 本当に嘘ではない。
阿部自身はそう思っていた。
自分は大丈夫。 自分は壊れない。
そう思っていた。
けれど。 最近。 妙な感覚がある。
電子能力を使った時。 以前よりも遠くの情報が拾える。
能力干渉をしていないはずなのに。 能力の流れが見える。
まるで。
自分の中に眠っている何かが。 少しずつ目を覚ましているような。
夜。 阿部は一人で屋上にいた。
宮舘涼太
振り返るとそこにいたのは宮舘だった。
阿部亮平
宮舘涼太
二人は並んで座る。
しばらく沈黙。
そして。 宮舘が口を開いた。
宮舘涼太
阿部亮平
宮舘涼太
阿部亮平
宮舘は少し迷う。
宮舘涼太
阿部の表情がわずかに変わる。
能力研究施設。
幼い頃。 連れ去られた過去。
その記憶は、完全には消えていない。
阿部亮平
宮舘は続ける。
宮舘涼太
阿部は夜空を見る。
阿部亮平
宮舘涼太
阿部亮平
阿部は小さく笑った。
阿部亮平
その瞬間。 宮舘は何も言えなかった。
同じ頃。 神崎側。
研究員が新しい解析結果を持ってくる。
研究員
神崎
研究員
画面に表示されたデータ。
能力反応。 電子系。
しかし。 ただの電子能力ではない。
霧島
霧島が見る。
霧島
研究員が頷く。
研究員
研究員
神崎は静かに呟く。
神崎
部屋が静まり返る。
霧島
霧島が聞く。
研究員は答えた。
研究員
研究員
一枚のデータを出す。
研究員
そこには。 SnowManの活動拠点周辺。
神崎の目が細くなる。
神崎
霧島が呟く。
霧島
翌日。 いつものように騒がしい朝。
佐久間が叫ぶ。
佐久間大介
阿部亮平
佐久間大介
向井が笑う。
向井康二
岩本照
岩本が言う。
阿部亮平
阿部は笑う。
いつもの阿部。 いつもの日常。 誰も疑わない。
ただ一人を除いて。
宮舘だけは。 昨日の言葉を思い出していた。
――能力を持った自分が、何なのか分からなくなる。
そして。 阿部の髪に見える。 他の誰にも見えない。
鮮やかな電子色。 緑と青の光。
それはまるで。 隠された本質が。
少しずつ表へ出てきているようだった。
その時。 阿部の端末が鳴る。
特務組織からの緊急通知。
『能力研究施設関連事件』 『重要参考情報あり』
阿部が画面を見る。
一瞬。 世界の音が消えた気がした。
宮舘涼太
宮舘が気付く。
阿部は困惑しながらも宮舘涼太に画面を見せる。
阿部亮平
そこにあった説明。
『数年前の集団殺害事件被害者の家族の生き残りの少年の目撃情報あり』 『少年は解析の能力を持つ8歳程の一般家庭育ちの子供』
そのまま阿部は続ける。
阿部亮平
いつもの笑顔。
でも。 宮舘には分かった。
これは。 自分たちの事件ではない。
‘‘彼’’自身の過去へ繋がる事件だ。
そして。
神崎もまた。 まだ知らない。
隠し続けていた秘密が。 今解き明かされようとしている事に。
また。
誰も気づかない。
それが神崎にとって大事な駒を失くす痛恨の一手だと言う事に。