<コウ視点>
木霊が黎の元に行ったのを確認して
オレは霧を晴らした
タカダ ユキヒサ
タカダ ユキヒサ
コウ
タカダ ユキヒサ
タカダ ユキヒサ
コウ
コウ
コウ
コウ
ああ
今のオレはひどい顔をしてるだろう
コウ
コウ
コウ
コウ
コウ
コウ
コウ
コウ
タカダ ユキヒサ
タカダ ユキヒサ
コウ
コウ
コウ
コウ
コウ
コウ
コウ
コウ
コウ
コウ
タカダ ユキヒサ
タカダ ユキヒサ
村人たち
コウ
ガリッ
オレは口の中をかんだ
そして手から水を生み出して
息を吹きかける
ミスト状に水が村のやつらの方に飛んでいく
村人1
村人2
村人3
コウ
コウ
コウ
コウ
コウ
<黎視点>
明日
黎
黎
僕は大きな鞄に荷物を積めていた
木霊さんはただ無言でその様子を見ている
黎
僕は鞄に荷物を詰め終わると
木霊さんに渡した
黎
明日
黎
僕は木霊さんの手を引いた
森の端に来た
草原が広がっていて、風が吹いている
明日
明日
黎
明日
黎
僕は懐から一枚の花模様の紙を取り出した
紙の裏面に文字を書き
その後、蝶の形に折った
黎
僕が紙の蝶に息を吹きかけると
その蝶は本物のように動き出した
黎
黎
黎
黎
黎
黎
黎
黎
黎
黎
黎
黎
黎
明日
黎
明日
明日
黎
木霊さんは目に涙を浮かべ始めた
明日
明日
明日
明日
明日
明日
明日
明日
明日
明日
黎
まだ幼く
親の愛がまだまだ必要な時に
病で両親を亡くし
心の傷が癒える隙もないまま
強欲な人間達に傷つけられ
人の恐ろしさを知った
そんな彼女が
僕やコウに出会い
優しさに触れ
彼女自身を取り戻す事ができた
今まで感情を表に出す事が少なかった彼女が
初めていうわがまま
これこそ、彼女の本当の姿
あるがままの姿なのに
僕はそのことを知っていて
「森から去れ」と言っている
ああ
僕はなんて
鬼畜生なのだろう
でも
それでも僕は言わなければ
コウもそれを望んでいるんだ
黎
明日
黎
黎
黎
黎
黎
黎
黎
明日
黎
黎
黎
黎
黎
黎
黎
黎
黎
黎
黎
黎
黎
黎
黎
黎
黎
明日
明日
木霊さんは涙を拭いた
そして手を前に出し、動かすと
キラキラ
光が出て
その光が赤と白の花になった
明日
明日
黎
黎
黎
黎
明日
黎
明日
黎
ヒラヒラ
タッタッタ
式神に導かれて木霊さんは歩いて行った
途中、木霊さんは足を止めて
こちらに手を振った
僕が手をふりかえすと
木霊さんは再び歩いて行った
視界がぼやける
頬に伝う物を感じた
黎
僕はそれを腕で拭った
黎
黎
黎
僕は森の方を見た
黎
彼女が進んだように
僕も進み
彼が決断したように
僕も自分のすべきことをしよう
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