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<コウ視点>

木霊が黎の元に行ったのを確認して

オレは霧を晴らした

タカダ ユキヒサ

誰だ。お前

タカダ ユキヒサ

鬼の手下か?

コウ

手下じゃなくて、親友

タカダ ユキヒサ

鬼はどこだ!!

タカダ ユキヒサ

言わないと殺すぞ!

コウ

あー、はいはい

コウ

和解する気はゼロなのね

コウ

じゃあ

コウ

オレはお前らに怒りをぶつけるから

ああ

今のオレはひどい顔をしてるだろう

コウ

お前らさー

コウ

自分たちが何したかわかってるのか?

コウ

黎の事を木霊を使って殺そうとしたんだろ?

コウ

明らかにおかしいもんな?

コウ

イケニエの木霊に毒を飲ませて

コウ

その量はまだ小さい木霊を殺すには明らかに多かった

コウ

黎を毒殺するための毒餌

コウ

木霊はイケニエじゃなくて、トラップだったのさ

タカダ ユキヒサ

わ、私の人型だ!

タカダ ユキヒサ

何のために使おうと私の勝手だ

コウ

クソみてえなこと言ってんじゃねえぞ!!

コウ

まだ9歳だぞ

コウ

9歳の子供に

コウ

名前を言わせず

コウ

ひどい扱いをして

コウ

感情や心を殺させて

コウ

一体どっちが人じゃないんだか

コウ

欲に溺れて

コウ

道を間違えた、けだものども

コウ

オレが遊んでやるよ

タカダ ユキヒサ

あ、あいつを殺せ!

タカダ ユキヒサ

首をとったやつに褒美をやる

村人たち

うおーーー!

コウ

・・・

ガリッ

オレは口の中をかんだ

そして手から水を生み出して

息を吹きかける

ミスト状に水が村のやつらの方に飛んでいく

村人1

う、うわあーーー!

村人2

痛い痛い!

村人3

目が開かない!

コウ

オレの口の中の血は強い刺激物だ

コウ

ハバネロやジョロキアにも負けない一品だぞ

コウ

味わっていけよ

コウ

木霊が感じた苦しみはこんなもんじゃない

コウ

まだまだ楽しもうぜ

<黎視点>

明日

・・・

えっと

これと、これ

僕は大きな鞄に荷物を積めていた

木霊さんはただ無言でその様子を見ている

よし

僕は鞄に荷物を詰め終わると

木霊さんに渡した

持てますか?

明日

うん、何とか

よしっ、おいで

僕は木霊さんの手を引いた

森の端に来た

草原が広がっていて、風が吹いている

明日

こっちって

明日

村とは逆の方向

そうです

明日

どうして、こっちに?

・・・

僕は懐から一枚の花模様の紙を取り出した

紙の裏面に文字を書き

その後、蝶の形に折った

フーー

僕が紙の蝶に息を吹きかけると

その蝶は本物のように動き出した

これは僕が作った式神だ

君を導いてくれる

いいかい?

この森は君にとって安全な場所ではなくなってしまったんだ

この平原をまっすぐ行けば

ここから二番目に近い村に着く

渡した鞄には食べ物や毛布なんかが入ってる

村まではもつだろう

この森を出て

新しい君の場所を探すんだ

この蝶がただの紙に戻ったとき

君の前に居る人が信頼できる人だ

いいね?

明日

・・・

木霊さん?

明日

・・・

明日

いやだ

えっ?

木霊さんは目に涙を浮かべ始めた

明日

いやだ

明日

ここにいたい

明日

二人といたい

明日

周りの人は怖い

明日

でも、コウと黎は私のこと叩かないし

明日

私のこと考えてくれる

明日

もうひとりぼっちはいや

明日

もっとたくさんお手伝いする

明日

役に立つから

明日

側にいて

っつ!・・・

まだ幼く

親の愛がまだまだ必要な時に

病で両親を亡くし

心の傷が癒える隙もないまま

強欲な人間達に傷つけられ

人の恐ろしさを知った

そんな彼女が

僕やコウに出会い

優しさに触れ

彼女自身を取り戻す事ができた

今まで感情を表に出す事が少なかった彼女が

初めていうわがまま

これこそ、彼女の本当の姿

あるがままの姿なのに

僕はそのことを知っていて

「森から去れ」と言っている

ああ

僕はなんて

鬼畜生なのだろう

でも

それでも僕は言わなければ

コウもそれを望んでいるんだ

君は今、いくつだい?

明日

・・・9歳

そうだ

9年

まだ9年しか生きていない

君は若い

100年や200年生きた僕やコウとは違う

君はまだ9年しか生きていない

ここで自分の道を決めちゃいけない

明日

でも、ずっと二人といたい

君はもっと広い世界を見るんだ

ある悲しみや苦しみで

臆病になって

自分の未来の可能性を潰しちゃいけない

僕もコウも

たった一度の経験で

人を憎み、恨んだ

君には間違えてほしくない

色々な人と会って

色々な場所に行って

色々な経験をして

命を、人を

尊いものだと思ってほしい

「人は怖い」と言った

それだけではないと知ってほしい

君には幸せになってほしい

僕らの願いだ

明日

・・・

明日

わかった

木霊さんは涙を拭いた

そして手を前に出し、動かすと

キラキラ

光が出て

その光が赤と白の花になった

明日

これ、コウに渡して

明日

コウにはさよなら言えなかったから

こんなことも出来たんですね

幻術じゃない

本当の花だ

ちゃんと渡しておきます

明日

また会える?

あなたが望むなら

明日

<コクン>

行きなさい

ヒラヒラ

タッタッタ

式神に導かれて木霊さんは歩いて行った

途中、木霊さんは足を止めて

こちらに手を振った

僕が手をふりかえすと

木霊さんは再び歩いて行った

視界がぼやける

頬に伝う物を感じた

ああ

僕はそれを腕で拭った

僕も歳かな?

ふう

さて

僕は森の方を見た

行こう

彼女が進んだように

僕も進み

彼が決断したように

僕も自分のすべきことをしよう

枯れた花は水と共に

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