田久保早苗
宮本創
会社員の宮本創が暮らすのは安い木造のボロアパートだった。
部屋の中も散らかっており、とても清潔な雰囲気ではない。
故に、壁に掛けられたアンティーク調の鏡に、交際中の田久保早苗は違和感を覚えた。
宮本創
宮本創
田久保早苗
田久保早苗
宮本創
宮本創
宮本創
宮本創
宮本創
田久保早苗
田久保早苗
宮本創
宮本創
宮本創
田久保早苗
宮本創
宮本創
田久保早苗
田久保早苗
宮本創
宮本はまじまじと鏡を見詰めていたが、不意にニヤッと笑みを浮かべた。
宮本創
宮本創
宮本創
宮本の嗜好を理解しているつもりの早苗が気味悪がるのもよそに、
宮本は壁に掛けられた鏡を益々気に入った様子だった。
それから1週間後。
会社から帰宅した宮本を、大家の宮内芳夫が呼び止めた。
宮内芳夫
宮本創
宮内芳夫
宮本創
宮内芳夫
宮内芳夫
宮内芳夫
宮内芳夫
宮内芳夫
宮本創
宮内芳夫
最初、宮本は隣の部屋では?と異を唱えたが、すぐにそれはないな、と自分で否定した。
隣に住んでるのはうだつの上がらない中年の男で、もう一方は空き部屋だからだ。
だが、その隣の中年の住人からも宮内と同じことを言われてしまった。
どうやら、宮本の部屋から昼間、女性の鼻歌が聞こえるのは間違いないらしい。
宮本創
宮本創
一時期、宮本はそう思ったが、結局は考えすぎだと自分に言い聞かせた。
しかし、数日後のこと…。
田久保早苗
宮本創
田久保早苗
田久保早苗
宮本創
田久保早苗
田久保早苗
田久保早苗
宮本は愕然としながらも、慌てて早苗の説得を試みたが、早苗の興奮は収まらない。
田久保早苗
田久保早苗
宮本創
宮本創
田久保早苗
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通話
01:06
落胆した宮本は帰宅し、恐る恐る部屋の電気を点けると、
確かに女物と思われる長い髪の毛が数本、床に無造作に落ちていた。
恐怖よりも怒りが先に込み上げた宮本は、髪の毛をむしりとるとゴミ箱に捨てた。
宮本創
宮本創
宮本創
宮本はタンスの上の置時計を掴むと、鏡に目掛けて思い切り放り投げた。
ガッシャーーン!
鏡はクモの巣を描いたように中心から亀裂が入った。
宮本は壁から鏡を外し、思い切り床に叩きつけた。
宮本創
と、同時に響く女の悲鳴。
宮本創
我に返った宮本が恐る恐る床に散らばった欠片に視線を向けた。
粉々に砕けた欠片には、憎悪に歪んだおぞましい女の顔がいくつも映っていた。
宮本の体が氷のように冷たくなった。
2019.06.09 作