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みんなが夕方出掛けに行った後、俺はぶるーくの部屋に行った。
編集作業を手伝って欲しいと言われていたのだ。
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目の前の彼はそう笑って誤魔化した。
彼はいつもそうだ、いつもふわふわしてニコニコしてて……
でも、毎回仕方ないと許してしまうような雰囲気が彼にはあった。
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俺は、彼に指示されたところを指示通りに編集し始めた。
約1時間後
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どことなく、彼のその喋り方が白々しい気がした。
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彼は少し考えたような顔をして、口を開いた。
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彼はしばらく口をもごもごさせてから、ぼそりと言った。
「スマイルって、シャークんのことどう思ってるの?」
思いもしない問いかけに、俺は思わず固まってしまった。
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俺は思考が停止していた。
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恋人失格だと思った。
自分が……シャークんを相談するほどまでに不安にさせていたなんて、 気付きもしなかった。
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ぶるーくが心配そうにこちらを覗き込む。
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気付けば俺は泣いていて、ぶるーくはそんな俺の背中を 優しくさすってくれていた。
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俺はぶるーくが目の前にいるのに関わらず、独り言のように呟き始めていた。
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自分でも支離滅裂なことを言っている気がしたが、 彼は優しく相づちをうちながら俺の話を静かに聞いていた。
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俺は鼻をすすりながら頷く。
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彼は笑って、俺の肩をバシバシと叩いた。
泣いたままのスマイルが部屋を出ていき、 僕は部屋で一人椅子の背もたれに寄りかかる。
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僕は目から溢れる涙を手の甲で拭った。
彼の座っていたクッションがへこんでいるのを見て、僕は呟く。
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僕は二人が付き合う前から、スマイルが好きだった。
端正な横顔とたまに笑った時のあの笑顔が かっこよくて、それでいて可愛くて……
いつか想いを伝えようと日々を過ごしていた。
そんなある日、二人が付き合ったという報告を聞いた。
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二人は照れ臭そうで、でも二人とも幸せそうだった。
……あぁそうだ、スマイルはずっと……シャークんが好きだったんだ。
最初からずっと、お似合いの二人だったんだ。
そんな報告を受けて、数ヶ月が経った頃のことだった。
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僕はなかむに呼び出されて、近所の公園に来ていた。
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二人の名前を聞いて、胸がずきりと傷んだ。
そろそろ失恋の傷も癒えそうだったのに、 と僕は八つ当たり気味に返事をする。
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僕は驚いてしまった。なかむらしくないことを言っていると思ったから。
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彼は何を言いたいのだろう、と困惑しながら僕は言葉を返す。
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僕は耐えきれなくなって彼に聞いた。
すると、彼は俯いて静かに呟いた。
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そんなにわかりやすかったかなぁ、恥ずかし……
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「二人を別れさせるの」
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僕はこの時、しっかり断って彼を止めるべきだった。
でも僕は、スマイルと付き合えるかも、という淡い期待が胸の奥にあり 心が揺らいでいた。
なかむの言葉を否定しつつ、実は僕も二人があまり上手くいっていないことを わかっていたのかもしれない。
そして二人が別れてくれないかな、とも……思っていたのかもしれない。
……こんな風にしてスマイルと付き合えても、嬉しくないのに。
こうして僕は、彼の協力に応じてしまったのだった。
なかむはシャークんと二人の時間を作り、二人が別れるようにする。
僕はその詳細を聞いたが、上手くかわされてしまった。
大まかに言うと、買い物や夕食に誘い上手く二人きりの時間を作るそうだ。
あまり周りから怪しまれないよう、一応他のみんなにも夕食に誘い ただの"外食"を装う。
ただスマイルが居てはやりづらいため、 僕はその日スマイルを家に引き留める役割を言い渡された。
それが、あの日だった。
僕は必死にスマイルを引き留める方法を考えて、 編集作業の手伝いという口実を思い付いた。
しかし実際にはあまり長く続かなくて僕が焦っていると、 スマイルに嘘を見破られてしまった。
そして、予定にもなくスマイルに話がある、と言って シャークんについて聞いてしまった。 (シャークんから相談を受けた、というのも嘘だ……)
……もしかしたら、シャークんと別れたがってるかもとかいう 最低な希望を抱いて。
でも結局、スマイルは想いの伝え方がわからないだけだった。
だから、僕の淡い期待は全て打ち砕かれてしまったのだ。
気付けば、彼の座っていたクッションはもう元通りになっていた。
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とても悲しいはずなのに、僕は何だか清々しかった。