こはく
グスッ
だいや
こはく、もう泣き止めよ
こはく
だってー
こはく
グスッ
ゆうり
こはく、、、
こう
やっと泣き止んだー
こはく
やっと落ち着いた
だいや
ったく迷惑かけやがって
こはく
ごめーん
ゆうり
こはくって泣くとき多いよね
こはく
そう?
だいや
この中で一番多いだろ
こう
うんうん
こはく
えー
こう
一番少ないのは
だいや
ゆうりだろ
ゆうり
え?
こはく
うんうん
だいや
ゆうりが泣いたとこ一度も見たことねえよ
こう
俺も
こはく
わたしも
ゆうり
私、小学1年生の時から泣いたことないんだ
こはく
え?
だいや
は?
こう
ん?
ゆうり
実は、、、
ゆうりは小学1年生になるまですごく泣き虫でわがままな子だった
しかし母親が家を出ていってしまったのだ
理由は
ゆうりが泣き虫でわがままだから耐えきれなくなってしまって
出ていってしまったのだ
それでゆうりは
もう絶対に何があっても泣かないと決めたのでした
ゆうり
ていうことなの
だいや
そんなことがあったんだー
こはく
泣き虫だからって出てくことないよね!
こう
それから一度も泣いてないのか
こはく
すごーい!
だいや
いや、ダメだろ
こはく
ダメなの?
だいや
コクッ
こう
コクッ
ゆうり
それからずっとお父さんが育ててくれたんだ
こはく
大変だね
だいや
俺たちにできることがあれば言えよ!
こう
なんでもしてやるから
ゆうり
ありがと!
先生
はーい、出席とりまーす
先生
伊藤こはくさん
こはく
はい!
先生
井上、、、
先生
先生
渡邉ゆうりさんはお休みか
こう
なんで、休みなんですか?
先生
ゆうりさんのお父さんが倒れたそうよ
だいや
倒れたって
こう
マジかよ
こはく
みんなで放課後よっていこ!
だいや
おう!
こう
おう!
ゆうり
はーい
ゆうり
みんな、、、
こはく
大丈夫?
こう
なわけないだろ
だいや
なにかしてあげられることないかと思って
ゆうり
大丈夫だよ
ゆうり
みんな、ありがと!
ゆうり
(ニコッ)
こう
えっ、、、
こはく
こう、行こ!
こう
あ、うん
こう
あいつ、なんで笑ってんだよ
こはく
え?
だいや
え?
こう
あいつ、大事な親父が倒れたのに笑ってるんだぞ
こう
おかしくないか?!
こはく
おかしいけど
だいや
なにもしてやれないし
こう
うっ、、、
こう
なにも、してやれない、、、
先生
出席とります
伊藤、、、
先生
渡邉ゆうりさんは
先生
お葬式か
こう
えっ、、、
こはく
お葬式?
だいや
嘘だろ
ゆうり
、、、
こう
ゆうり、、、
こはく
ゆうり
だいや
ゆうり、、、
ゆうり
あっ、みんなおはよう!
ゆうり
どうしたの?そんなくらいかおして
ゆうり
(ニコッ)
こう
はっ!
こう
お前無理すんなよ!
ゆうり
え?無理なんかしてないよ?
こう
ほんとはしてんだろ!
こはく
ちょっ、こう!
だいや
こう、やめろよ
こう
無理して笑いやがって
こう
ほんとは泣きたいんじゃないのか?
こう
なのに
こう
そうやって無理して笑っても周りにいる人たちはわかるんだよ
ゆうり
、、、
こう
泣きたいんなら泣いたほうがいいぞ
ゆうり
でも、なかないって決めたし
ゆうり
泣きたいってわけじゃないし
その時ゆうりの目には今にもこぼれ落ちそうななみだがたまっていた
こう
ゆうり
ゆうり
えっ、、、
こう
俺、お前が泣きたくなったらこうやって
こう
抱きしめて俺の胸のなかでたくさん!
こう
泣かせてやる
こはく
こうやるー!小声
だいや
さっすがー小声
こう
ゆうり、我慢しなくていいんだ
ゆうり
我慢しなくていいの?
こう
あぁ!泣きたいときはたくさん泣けばいい
ゆうり
グスッグスッ
ゆうりはこうの胸のなかでたくさん泣いた
これまでにないってほど泣いた
ゆうり
こう
こう
ん?
ゆうり
ありがとう
こう
いいよ
こう
これからはお前が涙をこぼしそうになったら
こう
俺が受け止めてやる
ゆうり
うん!
こう
ニコッ
ゆうり
こう
こう
ん?
ゆうり
大好き!
こう
俺もだ