天使さん

プ～ン

私の名前は「くすのき える」です 今年で6歳になります

お父さんは仕事から帰ってきたら、いつも遊んでくれるので嬉しいです

お母さんはお勉強のこととか、片付けしなさいとか言うので

私は頭がいっぱいになります。 それが少し苦手です

そんな私は、最近天使さんが見えるようになりました

天使さんは私が一人になったときに急に現れました

今まで見えなかった天使さんが見えるようになって

私はなんだか特別になったような気がしました

そんな天使さんはお父さんとお母さんの周りをぐるぐると飛んでいます

そう言って天使さんに近づいても

天使さんは私を避けるように飛び回り、遊んでくれません

次の日、天使さんの数は昨日よりも増えていました

私は天使さんがたくさんになって、すごく嬉しかったです

しばらく私は天使さんをじっと見つめていると

一人の天使さんが私に向かって、宙に文字を描くように飛んでいるのに気づきました

私はそれから天使さんとお話しするようになりました

私は天使さんが見えるようになって、よかったと思いました

次の日も次の日も、だんだんと天使さんの数が増えて

私に話しかけてくれるようになりました

私は止めてほしくて、側に置いてあった包丁を拾い上げ

天使さんに向かって振り回しました

ﾌﾞﾝﾌﾞﾝﾌﾞﾝ…

私の周りにいた天使さんは宙に散らばり

お父さんとお母さんの元へ逃げて行きました

どうして皆私にいっぱい色んな事を言うの？

私そんなに言われても出来ないのに…

人の話を聞くだけでも精一杯なのに…

出来ない私が悪いの？

皆に追いつけない私が悪いの？

・

・

・

プ～ン