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恋乃
たえちゃん
恋乃
今何してる？
多恵
カラス追っかけてる
恋乃
カラス？
恋乃
どうして？
多恵
邪魔だから
恋乃
ふーん
たえちゃんはちょっと変だ
学校のガラスを割って回ったり
町中に殺虫剤を撒いて回ったり
近所の犬を殺したり
でも、たえちゃんは私の大切な友達だ
失いたくない、大切な友達だ
恋乃
ねえねえ
たえちゃん私ね
たえちゃん私ね
恋乃
ずっと欲しかったリップクリーム
恋乃
遂に買ってもらったの
多恵
よかったね
恋乃
うん！
恋乃
でもね
お店の人ずっと私のこと監視してた
お店の人ずっと私のこと監視してた
恋乃
たぶん私が万引きしないか見てたんだよ
恋乃
ほんと嫌な気持ち
多恵
嫌だね
恋乃
私の家が貧乏で服もボロボロだからって疑ってるんだよ
恋乃
そんな嫌なこと思う人いなくなってほしいな
多恵
そうだね
恋乃
たえちゃんに愚痴聞いてもらったら
恋乃
なんかスッキリしちゃった！
恋乃
ありがとね
たえちゃん
たえちゃん
多恵
うん
恋乃
じゃあね
多恵
じゃあね
このちゃん
このちゃん
～数日後～
恋乃
恋乃
ねえ
たえちゃん
たえちゃん
多恵
どうしたの？
恋乃
今日学校で嫌なこと言われちゃった
多恵
嫌なこと？
恋乃
髪がボサボサで
まるで野良犬みたいだって
まるで野良犬みたいだって
恋乃
お前は汚いって言われた
多恵
このちゃんは汚くないよ？
恋乃
うん
でもね
でもね
恋乃
3年4組の芳野さんはそう言うんだ
恋乃
自分が裕福で髪も綺麗だからって
恋乃
私のことを馬鹿にするんだ
恋乃
自分は恵まれてるからって
恋乃
私のことを汚いものを見る目で見てくるんだ
恋乃
最悪だよ
多恵
最悪なんだね
恋乃
うん
ほんとあんな奴消えちゃえばいいのに
ほんとあんな奴消えちゃえばいいのに
多恵
そうだね
恋乃
たえちゃんは私なんかの話し聞いてくれて優しいね
多恵
そんなことない
多恵
このちゃんと話してて
多恵
すごく私も楽しい
恋乃
たえちゃんが友達でよかったよ
恋乃
ありがとね
多恵
うん
恋乃
じゃあね
多恵
じゃあね
このちゃん
このちゃん
～数日後～
恋乃
恋乃
ねえ
たえちゃん
たえちゃん
多恵
なに？
恋乃
今日学校でね
恋乃
3年1組の玖尾野さんの持ってた膝掛けが
恋乃
すっごく可愛かったんだ
多恵
そうなんだ
恋乃
玖尾野さんのあの膝掛け
恋乃
私も欲しいなー
多恵
欲しいの？
恋乃
すっごく欲しい！
多恵
私がプレゼントしてあげる
恋乃
ほんとに？！
多恵
うん
恋乃
ありがとう
たえちゃん！
たえちゃん！
多恵
このちゃんは私に優しいから
多恵
そのお礼
恋乃
たえちゃん
恋乃
私たちずっと友達だよ！
多恵
うん
～次の日～
恋乃
恋乃
たえちゃん
恋乃
今日はありがとうね
恋乃
膝掛け大切にするね
恋乃
恋乃
たえちゃん？
恋乃
返事して
恋乃
たえちゃん？
恋乃
何かあったの？
たえちゃん、もしかして…
恋乃
(嫌だ嫌だ嫌だ)
恋乃
(たえちゃん
ねえ！)
ねえ！)
恋乃
(返事して！)
恋乃
恋乃
(たえちゃん
今どうしてるだろうか？)
今どうしてるだろうか？)
恋乃
(大丈夫かな？)
恋乃
(大丈夫だよね？！)
恋乃
恋乃
(私のこと喋ってないよね？！)
恋乃
(大丈夫だよね)
恋乃
(だって私
何もしてないし)
何もしてないし)
恋乃
(何もしてほしいなんて言ってない)
恋乃
(あのときだってそうだ)
恋乃
(学校のガラス拭きが面倒だって言ったときも)
恋乃
(町中で蜂に襲われて恐いって言ったときも)
恋乃
(近所の犬が吠えていなくなってほしいって言ったときも)
恋乃
(私はどうしてほしいなんて一言も言ってない…！)
恋乃
(私は悪くないよね)
恋乃
(私は捕まらないよね)
恋乃
恋乃
(膝掛け隠した方がいいよね)
恋乃
(たえちゃんがくれた大切な…)
恋乃
恋乃
(捨てた方がいいか)
恋乃
(私は悪くない)
恋乃
(私は悪くない)
恋乃
(私は悪くない)
恋乃
(私は悪くない)
恋乃
恋乃
私は悪くない
…クズなだけだ
…クズなだけだ
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