理科室の人体模型というのは、お面のような顔をした男の子が一般的ですが、私の学校のものは、髪も見た目も本物みたいに美しい女の子の姿をしていました。
先生
先生
夏実
夏実
瑶
瑶
理科の授業が終わった後、わたしたち女子数人は、先生といっしょに人体模型の前で話をしていました。
瑶
華香
華香
華香
夏実
私は思わず、大きな声を出してしまいました。
だって、私はこの風変わりな人体模型が大嫌いだったから…。
特に使われることもなく、理科室の隅に置かれたままの人体模型。
でも……
いつだって、こっちをじっと見つめているような気がしてならないのです。
夏実
夏実
__ある日の放課後。
理科室にペンケースを忘れた事に気づき、1人で取りに行きました。
机の上にペンケースを見つけて戻ろうとした時、……キシッ。
教室の隅の方から、小さな物音がしました。
ふり返ってみても、特に変わった事はありません。
でも…大嫌いな人体模型と目が合ってしまったのです。
夏実
夏実
夏実
夏実
急いで教室を出ようとした時、左腕に何かが触れるのを感じました。
グッ……。
グググググググ。
夏実
夏実
血管と筋肉のむきだした手が、私の腕を掴もうと伸びてきてるのです。
人体模型
人体模型
振り返ると教室の真ん中に、人体模型が立っていました。
ギシッ、ギシッ……ギシッ!
おかしな音を立てる、人体模型の関節。
ギョロリと動く透明な目。
人体模型
夏実
夏実
夏実
今すぐ逃げ出したいのに、足が固まってしまったみたいに動きません。
ギシッ、ギシッ。
私を見つめながら、近づいてくる人体模型。
夏実
私は無我夢中で、持っていたペンケースを投げつけます。
ペンケースが頭に当たっても、人体模型はビクリともしません。
目の前に来た模型は、ものすごい力で私の肩を掴みます。
ギリギリギリギギギギィィィ
表情はどんどん険しくなり、まるで鬼のような恐ろしさです。
人体模型
人体模型
人体模型
人体模型
人体模型
瑶
瑶
華香
華香
華香
先生
先生
瑶
華香
先生
先生
先生
先生
先生
先生
先生
先生
先生
夏実