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音楽の授業はいつも音楽室で行われています。
そして今日は歌のテストの日でした。
歌のテストは1人ずつ行うので、自分の順番が来るまで、教室の後ろで待たされなければなりません。
教室の後ろの壁には音楽家の肖像画が飾ってあるのですが、私は気味が悪いので、この絵が嫌いでした。
後ろの壁にもたれかかって順番を待ってると、どこからかヒソヒソ声とクスクス笑う声が聞こえてきました。
ベートーヴェン
バッハ
ベートーヴェン
バッハ
バッハ
私はクラスの男子の誰かが喋っているのだと思って腹が立ち、怒鳴りました。
亜里沙
亜里沙
秋菜さん
秋菜さん
隣に並ぶ秋菜さんが驚いた様に私を見ます。
亜里沙
亜里沙
秋菜さんに聞こえた会話を説明しようとしたその時、真後ろからトントンと肩を叩かれました。
それは横やナナメからではなく、真後ろからだったのです。
亜里沙
亜里沙
亜里沙
恐る恐る壁の方へと振り返ると、壁に飾られた肖像画の音楽家達がいっせいに私を見下ろしているのです。
その目はギロリと赤く光り、まるで怒っているかの様です。
亜里沙
亜里沙
しかし、大きな声をあげたくても声が出ません。
そして手足も固まってしまったかの様に、動かなくなりました。
壁から青白い手が伸び、グッと私の足首を掴みます。
そしてそのまま、凄い力で私を壁へと引っ張るのです。
グググ…グググ…。
亜里沙
亜里沙
抵抗しようとしても、私の体はどんどん壁へと引きずり込まれてしまいます。
そして、私の視界がフッと真っ暗になりました。
しばらくして、隣から声が聞こえてきました。
ベートーヴェン
バッハ
バッハ
私は声の方を見つめました。
すると、青白い顔をした音楽家達が、不気味に笑っていました。
ベートーヴェン
バッハ
私は必死に助けを求めましたが、私の声は届きません。
みんなは何事も無かったかの様に、テストを続けています。
先生
先生が私の名前を呼びました。
しかし、秋菜さんを始め、クラスの皆がキョトンとした顔で答えました。
クラスの皆