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『幸せになりたい』
そう願うことさえも、神様は嘲笑った
だから、私は叶わぬことは願わない
いつまでも
そして、私たちは中学3年生になった
夏
その日は、やけに煩い蝉の声を覚えていた
8月15日快晴
爽
爽
夏音
夏音
爽
夏音
夏音
夏音
爽
爽
爽
夏音
夏音
夏音
爽
爽
爽
夏音
夏音
夏音
爽
爽
一年前からの当たり前の生活
爽が、私に声をかけてくれたあの日から
私の世界は色づき始めた
この生活を失いたくなかった
だからこそ、私の暗い現実なんて爽に知られてはならない
私の本当の親は、私が4歳の頃に死んでしまったこと
その後に私を引き取った親は、暴力や暴言を撒き散らす最低な人間だったこと
学校では常に虐められ、いる場所がなかったこと
そんな私に、彼は優し世界を照らしてくれた
きっと、彼が私の全てを知ったら、彼は罪悪感に押しつぶされてしまう
だから、私は彼に何も伝えない
もし伝えたとして、彼が私の傷を癒し、親を変え、虐めっ子をやっつけるなんて小説のようなことは
起こるわけがない
現実は、小説のようにはいかないのだ
絶対に
日は沈みはじめ、だんだんと辺りが暗くなる
生徒たちの帰りを促す鐘が鳴り響く教室に、私は一人でいた
夏音
夏音
夏音
その時
バンッ!!っという大きな音とともに、聞き覚えのある大きな声が響き渡った
遠藤
遠藤
加藤
加藤
斎藤
斎藤
夏音
遠藤
遠藤
遠藤
加藤
加藤
斎藤
夏音
加藤
加藤
加藤
遠藤
遠藤
遠藤
斎藤
斎藤
斎藤
加藤
加藤
夏音
遠藤
遠藤
遠藤
斎藤
加藤
遠藤
正直、私にはこの人たちが悪霊にしか見えない
息をする様に暴言を吐き出す
今までの一年間の虐めを、甘い虐めだと思っている
そして、何より人のことを嗤いながら傷つける
心も体も
斎藤
斎藤
斎藤
斎藤
加藤
加藤
遠藤
遠藤
斎藤
夏音
加藤
加藤
斎藤
斎藤
加藤
加藤
遠藤
遠藤
加藤
斎藤
加藤
私は、乱暴に教室の中心に連れていかれる
遠藤
遠藤
加藤
遠藤
バシャアッ
夏音
いつぶりだろうか
また、信じられないくらい世界が色を失う
加藤
加藤
もうほんと、どうしようもない自分に呆れ返る
爽
爽
爽
夏音
加藤
加藤
遠藤
遠藤
斎藤
斎藤
爽
爽
爽
爽
爽
遠藤
爽
爽
爽
加藤
夏音
夏音
夏音
夏音
爽
斎藤
斎藤
遠藤
遠藤
加藤
夏音
夏音
夏音
夏音
爽
私は、ぐいぐいと爽を引っ張って行く
爽
爽
爽
爽
夏音
夏音
夏音
惨めだった
自分が虐められていることを爽が勘付いてしまったかもしれない
あんな姿で、しかも助けてくれようとした爽を悪者にしてまで、私は自分の保身を優先してしまった
私は本当に本当にどうしようもないゴミだ
何もできない自分に嫌気がさす
爽
爽
爽
夏音
夏音
夏音
爽
爽
爽
爽
本当に、本当に
神様は、私になんて素敵なものをくれたんだ
見捨てられてなんていなかった
なんて、優しい顔で笑う人なんだろう
夏音
夏音
爽
爽
貴方と
爽と、一緒にいるからだよ
けれど、それを声にすることはなかった
永遠に
しばらくして私は泣き止み、爽と楽しく帰っていた
爽
爽
夏音
夏音
夏音
爽
爽
爽
爽
夏音
夏音
爽
爽
夏音
夏音
夏音
夏音
爽
爽
爽
爽
夏音
夏音
夏音
爽
爽
夏音
夏音
夏音
爽
爽
残り短くなった暗い帰り道を早足で進む
家の前に着き、門をぬけてドアの取っ手に手をかける
ガチャリと音がして、ドアを引く
この時、私はもう既に
引き返しのつかないところまで来ていた
つづく