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私には、好きな人がいる。
ずっと片想いしてきた。
彼は通路を挟んで右斜め前に座っている。
すごく近くて、後ろ姿を眺めているだけで幸せだった。
でも、ほんとは話したくて仕方がなかった。
その勇気は出ないけど…
勇気を出して声をかけない自分のせいで
最近ヤキモチをやいている…。
理由?
彼が私の前に座っている子と仲良く喋っているから。
自分が悪いってわかってるけど
それを見てて胸が痛かった。
彼はこの子が好きなのかな
この子は彼が好きなのかな
いろんなこと考えちゃって
余計辛くなった。
彼のあの笑顔を見ると
それを奪いたくない気持ちと
私だけに向けてほしいっていうヤキモチがわいてくる。
何をすべきかわからない…
どうすることも出来ぬまま、
毎日それを眺めることしか出来なかった。
そんな毎日を過ごしてる中で、
彼と二人きりになったことがあった。
だんだん日暮れが早くなってきて
肌寒くなってきた時期だった。
私は部活のあと、忘れ物を取りに教室に向かった。
教室の電気は消えていて
誰もいない、と思ってた。
中に入ると、誰かが窓側に座ってたそがれていた。
それは彼、だった。
勇気を出して声をかけた。
彼から返事はない。
声を掛けなきゃよかった。
しばらく沈黙が続いてしまった。
さっさと忘れ物を取って帰ろう。
そう思ったときだった。
彼が口を開いてくれた。
それから私は今でも、
彼のことが好き。
いや、
今までで以上に
大好き。
藍羅未奈(作者)
藍羅未奈(作者)
藍羅未奈(作者)
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