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君の幸せ

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君の幸せ

1 - 君の幸せ

♥

6

2018年03月08日

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祐希

ほーたる

なに?祐希

祐希

あのさ、俺

うん

祐希

ずっと蛍が好きでした

祐希

僕でよければ、付き合ってください

え、本気で言ってるの?

祐希

本気だよ

だって、まだ…

祐希

光希が、忘れられない?

まだ、半年も経ってないんだよ?

光希が死んでから……

祐希

まぁ、そうだよな

祐希

彼氏が突然死んだらそりゃ悲しむよな

祐希

俺だって、弟が死んだことなんて受け入れられてねぇよ

祐希

でもさ、俺じゃダメか?あいつと双子なんだぜ?俺

全然、違うの

顔も声も、祐希と光希はよく似てる。でも、似てるだけなの

あなたは光希じゃないの

ごめん

祐希

いや、謝る必要ないよ

祐希

蛍の言ってることは正しいし、俺は確かに光希じゃない

祐希

でも俺は、それでも蛍が好きなんだ

ありがとう、でも今は…ごめん

祐希

そっか、いいよ!気にするな!

二日後

光希

え?

光希?

なんで

光希

わかんない、なんでかな

光希

多分、僕は君に言い残したことがあるんだと思う

光希

僕、事故で死んじゃって、君になにも伝えられてなかったから

光希

神様が兄さんの体を貸してくれたのかもしれないね

本当に、光希なの?本当に、本当に?

祐希がいたずらしてるなら、今すぐやめて

光希

うーん、信じられないよね

光希

あ、そうだ

光希

僕たち二人だけの合言葉があったの覚えてる?

光希

君がまだ、僕と兄さんの区別がつかなくて、困ってた時

光希

二人で決めた合言葉

覚えてるわよ、忘れるわけないわ

私の質問から入るのよ

それに光希が答える

光希

うん、じゃあ質問してみて

5.18、どこに埋めた?

光希

午前二時、裏山の井戸から三本目の木の下

光希

あってるでしょ?

あってる。あってるわ

本当に、光希なのね?

光希

そうだよ、やっと信じてくれた

光希

ねぇ、蛍

光希

ごめんね、死んでしまって

光希

君を置いてってしまって、ごめん

謝らないで、あなたはなにも悪くないの、悪くないから

光希

ありがとう、蛍

光希

僕の最期の彼女が君でよかったって、心の底から思うよ。

光希

愛してる。

光希

ずっとずっと、愛してるよ

うん、私も!

光希

それでもね、いつかはちゃんと前を向いて、歩かなくちゃいけない

光希

きみは僕を忘れて、前を向かなくちゃいけない

光希

でも、君の中に僕は存在してしまったから、忘れることなんてできないでしょ?

光希

だからね

光希

僕の面影を、追いかけてくれても構わない

光希

兄さんに君を譲るのは、死んでも嫌だけど、でもね

光希

むしろ兄さんになら、君を任せられるんだ

え…

それって、まさか

光希

うん、これが僕の最期のお願い

光希

兄さんを、ささえてあげて

光希

君が僕を追いかけるように、兄さんも君を追いかけてるんだ

光希

答えてあげて

わかった、わかったわ

時間がかかるかもしれないけど

まだ、あなたを求め続けてしまうかもしれないけど

私は、私なりに生きるわ

光希

うん、君は幸せになることができるから

光希

じゃあ、僕はもう行くね

待って、嫌よ、行かないで!

ずっとここにいて!

光希

それは無理だよ、僕はもう死んでるんだ

そ、そうね…

もうわがままは言わないわ

あなたを困らせることだけは絶対にしないって決めたから

光希

光希

裏山の、井戸から三本目の木の下

光希

兄さんと一緒に掘り返して

光希

じゃあね、バイバイ

わかったわ!

ありがとう!大好きよ!

一週間後

祐希

この辺か?

そう!ちょうどこの木の下よ

掘りましょう

祐希

わかったよ

五分後

祐希

あったよ、缶の箱?

そう、私と蛍が付き合って間もない時埋めたの

タイムカプセルのようなもの?かな

祐希

へぇ、開けてみるか?

うん!

祐希

封筒?手紙??

そう、お互いがお互いのことを書いて、いつか掘った時読もうねって

何書いたんだっけなぁ

祐希

あいつと同じ声で、俺が読んでやろうか?

いいねそれ、お願い

祐希

蛍へ、君のことが好きすぎて、もう僕は死にそうだよ

なにそれ笑

祐希

君が幸せになれるなら、僕は君のそばにいなくてもいいんだ

え…

祐希

僕のそばにいることが君の幸せなら、話は別だけどね笑

祐希

まぁ、もし僕が隣にいなくても

祐希

君は生きていけるよ、幸せになることができる

祐希

もし君が、兄さんと結婚することになっても、僕はなにも言わないよ

祐希

君が選んだ幸せのためなら僕は死んでも構わない

そんな、光希…

祐希

なんてね、本当は君が僕以外の誰かと幸せになるなんて死んでも嫌、嫌だけど

祐希

もし、どうしようもない時は

祐希

僕以外の誰かと、幸せになってね

祐希

幸せにしてくれる人と、幸せになってください

祐希

大好き、愛してる、光希

光希…

祐希

だって。俺は蛍を幸せにするよ

祐希

絶対に幸せにする、あいつの分まで。

祐希

今はまだ、蛍が光希の面影を探して俺に縋っても構わない

うん

祐希

いつか、俺に気持ちが向くまでずっと待ってるから

祐希

俺と、付き合ってください

私は、光希が好き

多分それは、ずっと変わらない

でも、光希が私の幸せを望んでるから

私は幸せにならなくちゃいけない

祐希

うん

祐希

いいよ、君は、君の幸せのために生きればいいんだ

祐希

光希じゃなくて、君自身の幸せを追わなくちゃいけない

祐希

俺が全力で、君を支えるから

ありがとう、祐希

祐希

幸せになろうな

うん!!

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