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雛
え？
雛
お母さん
雛
どういうこと？
雛
もういっかいいって？
お母さん
あのね、雛
お母さん
雛はもう、長く生きられないかもしれないの
雛
死ぬってこと…？
お母さん
…いつそうなるかわからない…
雛
なにそれ…
雛
分からないってなに？！
お母さん
明日かもしれないし
お母さん
20年後かもしれない
お母さん
完治する可能性は…
お母さん
10％…
雛
そんな…
ガラッ
裕史
よっ、雛！
お母さん
雛、ちょっとお母さんでてくるね
雛
うん…
裕史
なんだー？
裕史
おばさんも雛も
裕史
暗いな～
雛
裕史…
裕史
雛ー、お前また入院かよー
裕史
お前がいねーとつまんねーじゃん
裕史
まぁ、昔から体弱いのから仕方ないかー
雛
裕史！
裕史
な、なんだよ
雛
あ、いや、その…
雛
別に…幼馴染だからってそんなにここにこなくってもいいよ…
裕史
急にどした？
裕史
なんかあったん？
雛
…私
雛
病気なんだよ
裕史
は！？
裕史
そーだったん？
雛
うん。
雛
完治する可能性は10％
裕史
なんだよそれ？！
裕史
なんの病気だよ！
裕史
俺が医者になって治してやる！
雛
もういいよ！
雛
遅いんだよ…
裕史
ど、どーゆーことだよ
雛
私、死んじゃうんだよ？
雛
死んじゃうかもしれないんだよ！？
裕史
！！？？
雛
明日かもしれないし
雛
20年も先かもしれない
雛
いつ死ぬかわからないなら今死にたい！
裕史
雛！！！
雛
な、なによ…
裕史
死ぬとか、そーゆーこと言うんじゃねぇ！
雛
なんで怒るのよ…！
雛
（裕史が怒るなんて…）
裕史
お前がいなくなって悲しむやつだっているんだよ！
裕史
いい加減分かれよ！
雛
どーゆーことよっ
裕史
いいか、雛！
裕史
俺は別に！
裕史
幼馴染だからここにいるわけじゃねぇ！
雛
は…？
裕史
俺は！
裕史
お前のことが好きだからここにいるんだ！
雛
へっ…！？
裕史
俺はただ、お前とずっと一緒にいてんだよ！
裕史
だから…だからそんなこというな！
雛
裕史…
雛
なんで裕史が泣きそうになるの…
裕史
雛
裕史
雛が好きです。
裕史
付き合ってください。
雛
裕史っ…
雛
わ、私も…！
雛
こんな私でよければ…！
裕史
まじ！
裕史
俺、嬉しいよ！
雛
私も！
雛
裕史、ごめんね
雛
私、生きる
雛
残りの10％にかけてみる！
裕史
おう！
それから10年がたち 私達は26歳になった
お母さん
雛、裕史君
お母さん
結婚おめでとう。
お母さん
二人なら、いい夫婦になるわ
雛
うん！
裕史
ありがとうございます！
お母さん
私ね、裕史君には本当に感謝してるのよ
お母さん
小さい時からずっと一緒にいてくれて
お母さん
雛のことも受け止めてくれて
お母さん
まさか、あのあとみるみる症状がよくなって完治するなんて…
お母さん
愛の力ね
雛
も～、なんか照れるなぁっ
お母さん
裕史くん、これからも雛をよろしくお願いします
裕史
もちろんです、任せてください
裕史
俺絶対雛を幸せにします！
裕史
小さい時からずっと一緒なんだ、これからもずっと一緒にいようぜ、雛
雛
うん！
あの時裕史がいなかったら私は 今ここにはいなかったのかもしれない
私、裕史が好きで本当によかった
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
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