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アラサー女子の恋愛事情

第1話 - アラサー女子の恋愛事情

2018年01月23日

#恋愛

いよをとこ

とある会社の社員食堂

如月公平

先輩、相変わらず食べますね〜。

柴田真弓

ほっとけ！

如月公平

ラーメンとカレーなんて、女子のお昼ご飯じゃないですよ。

柴田真弓

あんたこそ、男のくせに何よ、その乙女な弁当は。

如月公平

いや、これは僕の趣味ですから。

柴田真弓

弁当作りが趣味ねぇ。

柴田真弓

将来いい嫁さんになるよ。

如月公平

いやぁ、照れるなぁ。

柴田真弓

いや、褒めてないから。

如月公平

子供の頃からの趣味なんですよ、お料理は。

柴田真弓

いや、聞いてないから。

如月公平

そうだ！

柴田真弓

何よ？

如月公平

何なら、先輩の分も作ってきましょうか？

柴田真弓

いらない。

如月公平

え〜、何でですか？

柴田真弓

いらないったら、いらない！

如月公平

そう言わずに、一度食べて見てくださいよ。

如月公平

ねっ！

如月公平

ねっ！

如月公平

ねっ！

次の日の社員食堂

柴田真弓

あんたさぁ、何？この弁当は。

如月公平

えっ？おかしいですか？

柴田真弓

なんで重箱が出てくんのよ。

柴田真弓

おせち料理じゃないんだから。

如月公平

先輩のために、頑張りました！

柴田真弓

頑張ったって、あんた・・・

真弓の上司

おや、柴田くん。

真弓の上司

今日は、ピクニックですか？

柴田真弓

いや、部長、これには訳が・・・

真弓の同僚

あら真弓、いいわね〜、愛妻弁当www

柴田真弓

誰がじゃ！

如月公平

はい、あなた、あ〜ん。

柴田真弓

お前も、悪ノリするなっっっ！

如月公平

まあまあ。

如月公平

さっ、食べましょう、先輩。

柴田真弓

全く、なんで私がこんな目に・・・

如月公平

どうですか、お味のほどは？

柴田真弓

まだ食べてないよっ！

如月公平

・・・

柴田真弓

・・・

柴田真弓

うっ、美味い・・・

如月公平

えっ？

如月公平

何て言いました？

柴田真弓

美味いよっっっ！

如月公平

よかった〜、喜んでもらえて。

柴田真弓

ちょっと待て。

柴田真弓

美味いと言っただけで、喜んではいないからな！

如月公平

はいはい。

如月公平

あっ、先輩、これも食べてください。

柴田真弓

そんなにいっぺんに食えるか！

某居酒屋にて

如月公平

いやぁ、感激だなぁ。

如月公平

先輩にご飯おごってもらえるなんて。

柴田真弓

まぁ、その・・・

柴田真弓

この前の弁当のお礼だよ。

如月公平

何なら、明日も作りましょ・・・

柴田真弓

いらんっ！

如月公平

そんな、即答しなくてもwww

如月公平

先輩って、結構照れ屋さんなんですね。

柴田真弓

あのなぁ・・・

如月公平

じゃ、乾杯しましょ。

如月公平

はい、カンパーイ！

柴田真弓

お疲れさん。

柴田真弓

（グビグビ）

柴田真弓

プッは〜〜〜

如月公平

いつもながら、いい飲みっぷりですね。

柴田真弓

このために生きてるからね〜、あたしは。

如月公平

生ビールのための人生・・・

如月公平

何て切ないんだろう。

柴田真弓

いちいちうるさいっ！

柴田真弓

お前、絶対彼女いないだろ。

如月公平

はい、いません。

柴田真弓

うむ、素直でよろしいwww

如月公平

先輩は、彼氏いるんですか？

柴田真弓

ん？

柴田真弓

何だよ、突然に。

如月公平

いやいや。

如月公平

言い出したのは、そっちですよ。

柴田真弓

あたしに彼氏がいると思うか？

如月公平

いるんですね？

柴田真弓

何でそうなる！？

如月公平

そっか、残念だなぁ。

柴田真弓

何だよ、残念って。

如月公平

いや、先輩に彼氏がいないのなら、僕が立候補しようと思いまして。

柴田真弓

あっそ。

如月公平

・・・

柴田真弓

何？その沈黙は。

如月公平

先輩の返事を待ってるんです。

柴田真弓

返事なんかないよ。

柴田真弓

ふざけてないで、飲もうぜ。

如月公平

ふざけてなんかいません。

如月公平

僕は本気です！

柴田真弓

はいはい、気持ちだけもらっとくよ。

柴田真弓

さっ、飲もうぜ。

如月公平

・・・はい・・・

とあるショットバー

柴田真弓

・・・でさぁ、「僕は本気ですっっっ！」とか言うんだぜ。

観月智子

・・・

柴田真弓

もう、笑っちゃったよ。

観月智子

・・・

柴田真弓

今時の若い子ってのは、みんなああなのかねぇ。

観月智子

真弓ちゃん！

柴田真弓

何だよ、突然大きな声出して。

観月智子

何だじゃないよ。

観月智子

真弓ちゃん、本当にそれでいいの？

柴田真弓

何が？

観月智子

それって告白だよね！？

柴田真弓

そうなるな。

観月智子

何よそのふざけた態度は。

柴田真弓

ふざけてなんか・・・

観月智子

ふざけてるよ。

観月智子

もっと真剣に考えてあげなきゃ！

柴田真弓

・・・

観月智子

後輩くんは、真剣だったんじゃないの？

柴田真弓

う〜ん、どうかなぁ。

柴田真弓

あいつはいつも、あんな感じだからなぁ。

観月智子

真弓ちゃん、最近私と会った時は必ずその後輩くんの話をするよ。

柴田真弓

それは、面白いやつだから・・・

観月智子

それだけじゃない。

観月智子

その時の真弓ちゃんは、本当にいい顔してる。

柴田真弓

・・・

観月智子

もうわかってるんでしょ？自分の気持ち。

柴田真弓

・・・

柴田真弓

だったら何さ、あいつと付き合えって言うの？

観月智子

素直になりなさいって言ってるのよ。

柴田真弓

・・・

柴田真弓

あいつはさぁ、まだ子供なんだ。

観月智子

・・・

柴田真弓

今は、あたしのことを尊敬してくれている。

柴田真弓

その尊敬を、恋愛感情と勘違いしてるんだよ。

観月智子

いいじゃない、それでも。

観月智子

尊敬も好きも、同じだよ。

柴田真弓

それに、あたしみたいに面倒くさい女、すぐに嫌になるよ。

柴田真弓

だったらさ、今のままの関係を壊したくないんだ。

観月智子

三十路を目前にして、そんなことでいいの？

柴田真弓

・・・

観月智子

とにかく、明日後輩くんに謝りなよ。

観月智子

それから、改めてこっちから告白しなさい。

柴田真弓

無理、あたしにはできない。

観月智子

やりなさい！

柴田真弓

嫌だ！

観月智子

もう、後悔しても知らないからね。

１週間後

如月公平

先輩、待ってくださ〜い。

柴田真弓

ん？

如月公平

先輩・・・（ハアハア）

如月公平

黙って先に・・・（ハアハア）

如月公平

帰っちゃうんだもの・・・（ハアハア）

柴田真弓

何だよ。

如月公平

すみません、ちょっとだけ話がしたいんですが、そこの喫茶店に入りませんか？

柴田真弓

ああ。

柴田真弓

じゃあ、コーヒーおごれよ。

如月公平

はいっ！

喫茶店の中

柴田真弓

ホットコーヒーをひとつ。

如月公平

僕も同じもので。

柴田真弓

で、話って何よ。

如月公平

先輩、この前は突然変なこと言い出して、すみませんでした。

柴田真弓

ああ、その話？

柴田真弓

もう、忘れてたわwww

如月公平

本当に忘れてたんですか？

柴田真弓

・・・

如月公平

あの日は、話の流れでつい告白みたいなことを言ってしまって・・・

柴田真弓

いいよいいよ。

柴田真弓

誰にでも間違いってのはあるからな。

如月公平

違います！

如月公平

間違いなんかじゃありません！

柴田真弓

声がでかいよ。

如月公平

すみません。

如月公平

でも、僕は本気なんです。

柴田真弓

・・・

如月公平

だから、もう一度きちんとお願いします。

如月公平

先輩、僕と付き合ってください。

柴田真弓

・・・あのさ・・・

如月公平

はい。

柴田真弓

あたしなんかの、どこがいいわけ？

如月公平

どこって、そんな一言では・・・

柴田真弓

７つも年上だしさぁ。

如月公平

年なんか関係ないです。

柴田真弓

全然女らしくないしさぁ。

如月公平

そんなことありません。

如月公平

いつも颯爽としている先輩は、女性としても素敵です。

柴田真弓

会社でも色々言われるだろうし。

如月公平

それは、僕がまだ一人前じゃないからで・・・

如月公平

早く先輩に釣り合う男になれるよう、頑張ります。

柴田真弓

あんたは知らないだろうけど、あたしこう見えて結構甘えん坊なんだよね。

如月公平

聞きました。

柴田真弓

えっ？

如月公平

あ・・・

柴田真弓

何だよ、聞きましたって。

如月公平

いや、その・・・

柴田真弓

吐けっ、全部吐けっ！

如月公平

うわぁ・・・

柴田真弓

・・・

如月公平

・・・

柴田真弓

・・・

如月公平

・・・

柴田真弓

なるほど、智子がね。

如月公平

はい、もう一度告白してやってほしいって。

柴田真弓

全く、お節介なやつだ。

如月公平

智子さんは、先輩のことを心配して・・・

柴田真弓

で、智子にそそのかされて、今日の告白ってわけだ。

如月公平

そそのかされただなんて。

如月公平

僕は、智子さんに言われなくてももう一度告白するつもりでした。

柴田真弓

ふ〜む。

如月公平

・・・

柴田真弓

う〜ん。

如月公平

・・・

柴田真弓

分かった、付き合ってやるよ。

如月公平

本当ですか！？

柴田真弓

ああ。

柴田真弓

ただし、条件がある。

如月公平

何でしょう？

柴田真弓

まず、あたしのことが嫌になったら、遠慮せずに言ってくれ。

柴田真弓

後腐れなく、別れてやるから。

如月公平

・・・分かりました。

柴田真弓

それから、二人きりの時は敬語はやめて、名前で呼んでほしいんだ。

如月公平

・・・分かったよ、真弓さんっ。

柴田真弓

そうそうwww

柴田真弓

最後に、さっきも言った通り、あたしって結構甘えん坊なんだ。

如月公平

うん。

柴田真弓

だから、二人っきりの時には甘えたことを言うかもしれないけど、笑わないでくれや。

如月公平

もちろん。

如月公平

どんどん甘えていいよ、真弓さんっ。

柴田真弓

公平く〜ん、このパフェ美味しそ〜。

如月公平

・・・

柴田真弓

何だよ、似合わないか？

如月公平

いえ、可愛すぎて、キュン死にしちゃいそうです。

如月公平

すみませ〜ん、追加でパフェくださ〜い。

柴田真弓

www

如月公平

www

柴田真弓

まあ、こんなところかな。

柴田真弓

ふつつか者ですが、よろしくお願いします。

如月公平

こちらこそ、よろしくお願いします。

柴田真弓

それからさ・・・

如月公平

なに？

柴田真弓

明日のお弁当、よろしくね！

如月公平

うん、任せてっ！

それから３年後

如月公平

真弓さん、そろそろ起きてよ。

柴田真弓

う〜ん、もうちょっと寝ていたいよぉ。

如月公平

ダメだったら。

柴田真弓

やだぁ、あと１０分だけ寝かせてぇ。

如月公平

遅刻してもいいの？

柴田真弓

じゃあ、おはようのキスしてくれたら起きるぅ。

如月公平

もお・・・

如月公平

（チュッ）

柴田真弓

（チュッ）

如月公平

（イチャイチャ）

柴田真弓

（イチャイチャ）

如月公平

わっ、もうこんな時間！

如月公平

僕、朝から会議だから、先に行くよ。

柴田真弓

うん、頑張ってね。

如月公平

朝ごはんとお弁当は、テーブルの上だから。

柴田真弓

わ〜い、いただきま〜す。

如月公平

じゃあ、行ってきます。

柴田真弓

行ってらっしゃ〜い。

如月公平

（チュッ）

柴田真弓

（チュッ）

如月公平

また会社でね。

柴田真弓

うんっ！

終わり

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