私達は、一言も喋ることなく車に乗り込み走り出した
車内には沈黙に冷たい風がまとわりつき、より一層寒さを感じた
父
父
由美
父
ふと、横を見ると彼女は携帯の画面に釘付けになっていた
父
いつから、こうなったのだろう
いつもこのフレーズが頭に浮かび原因を考えるのだが
心底、理由などわかっていた…
由美
父
由美
父
一年前に起きた妻の死からだ
妻の死…以来彼女は私と口をきかなくなってしまった
何故なのかも私はもうわかっている
私の心は一年経った今でもあの日を忘れることはない、昨日のことの様にいつも後悔に取り憑かれている
由美
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不在着信
由美
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不在着信
由美
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不在着信
由美
由美
由美
由美
由美
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不在着信
2時間後
父
父
由美
父
由美
由美
父
由美
父
父
由美
父
それ以降、彼女は口をきかなくなった
登校拒否や1人で家にこもることも多くなり彼女の性格はガラリと変わってしまった
全て私のせいだ
私はそれ以降、その職を捨て様々な場所を転々とした挙句、
人目につきづらい清掃員として、由美との生活を支えていた
父
ふと空を見上げると、灰色の雲から白い粒が振り始めようとしていた
虚しい季節だ……
ヴゥヴゥーン ヴゥヴン
父
私は、突然のエンジン音に驚きとっさに道端に車を止めた
由美
由美
父
父
由美
由美
父
由美
由美
父
私は、途方に暮れながらエンジン点検に取り掛かった
カチッ カチッ ボッ
車の向こう側から音がした… 煙草だ
父
由美
ここまで来てしまうともう親がなんと言おうと戻せるものではない
むしろ私にはそんな力などとうの昔に消えていたのだから
父
由美
父
娘は煙草を吸い始め、エンジンはフリーズしてしまい
内心どこかに逃げ出したい気持ちでいっぱいだった
耐え切れなかった
自分自身が不幸の原因だと感じた… 何も解決できず
負は募るばかりであった
私は、何も感じず何も聞こえなくなった身体を引きづりエンジンに手をかけた
その瞬間……隣で音がした…
ドンッ
父
頭が真っ白になった
声が出ず、動く事も出来なかった
父
沈黙だ…
永遠に続くかの様に思わせる沈黙が始まった
私の頭には自然と、思い出が蘇った
父
なぜ?……由美との思い出が?
どうなってるんだ
心の中で叫んだ…
しかし、永遠はそう長くは続かなかった
父
グシャッ!
父
突如、赤い靄が車と私を覆った
そう……鉄臭かった…
私は寒さを忘れ…じっと真紅に染まった道路を無心で眺めていた
白く色を変えた吐息だけが、私を人間たらしめていた
………
続