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威榴真side

紫龍いるま

(俺の方こそお前だけには
言われたくないんだけどな)

咄嗟に言い返そうとしたが 八つ当たりだと分かって いるから口にはしなかった。

代わりに少し意地の悪い質問をする。

紫龍いるま

そういう澄絺は、美琴とはどうなってんだよ

春緑すち

別にどうも?

春緑すち

まぁ、でも暫く一緒に帰れないとは言われたかな

なんてことない口調だった為 咄嗟に反応が遅れた。

暑さでやられかけた脳を 1周、2周してようやく 状況を理解する。

紫龍いるま

...... は?おいおいおい、それって距離を置こうねってことだろ?

赤暇なつ

思いっきり、どうかしてんだろ!

夏都も椅子から立ち上がり ブンッと空を切って澄絺を指差した。

だが当の澄絺は机に頬杖をつき 茶の間でバラエティ番組でも 見ているかのようだ。

春緑すち

2人とも、リアクション熱いね ~ 笑

赤暇なつ

お前が冷めすぎてんだよっ!

赤暇なつ

それでいいのか!?理由は聞いた?

我がことのように必死になる夏都を 澄絺が眩しそうに見上げて言う。

春緑すち

ん?ん ~ ... コンクール用の作品制作が
佳境だからって言ってたかな

赤暇なつ

じゃあ別に、澄絺がどうこうってわけじゃないんだな?
良かったやん

紫龍いるま

ったく、人騒がせな ...

俺も安堵の息をついたが 肝心の部分が有耶無耶になった ままだったと思い至る。

さきほども『美琴とどうなのか』と 聞いて、はぐらかされたばかりだ。

俺の方も意図的に 『2人の仲に進展はあったのか』 という言葉を省きはしたが 澄絺がまったく動揺を 見せなかったことが気になっていた。

紫龍いるま

つーか、澄絺と美琴って付き合ってないんだよな?

赤暇なつ

ぁ、それ俺も聞きたいと思ってた

ここぞとばかりに夏都が乗っかり 相変わらず2対1の構図のままだ。

だが澄絺はやはり腰を 浮かせる様子もなく「ふーん」と 面白くなさそうに呟いた。

そして身を乗り出した夏都を通り越し 俺に向かって普段の澄絺からは 想像し難い鋭い視線が飛んでくる。

春緑すち

聞いてどうするの?

春緑すち

もし俺が、みこちゃんと付き合ってるなら ...

春緑すち

いや、らんらん以外を好きだって言えば
威榴真ちゃんは安心するの?

春緑すち

安心して、それで終わり?

頭を殴られたような衝撃だった。

俺は言葉を失い呆然と 澄絺を見返すしかない。

紫龍いるま

( ... 澄絺の言う通りだ。
俺は安心したかった、)

痺れがとけた脳が ゆっくりと動き出す。

そうして浮かんできたのは これまで必死になって 目を逸らしてきた事実だ。

たとえ蘭が澄絺を思っていても 澄絺が別の人を思っていれば 最悪の事態は免れる。

告白予行練習の相手に 選ばれてからずっと そんな最低な事を願っていた。

しかも後ろめたい気持ちに 気付かないように蓋をして、 鍵をかけて蘭の理解者のふりを してきたのだから救いようがない。

紫龍いるま

(俺は結局、乾や澄絺に嫉妬してただけだったんだよな ... )

赤暇なつ

なぁ、威榴真

どれくらいぼーっとしていたのか 気が付くと夏都に名前を 呼ばれていた。

目が合うと心配そうな表情に ほっとした色が混じる。

赤暇なつ

難しいことはよく分かんねぇけどさ、腹空かね?

紫龍いるま

えっ .....

咄嗟に何も言えないでいると 早速帰りの支度を始めた澄絺が頷く。

春緑すち

空きすぎて、胃に穴できそう

春緑すち

俺、昨夜から何も食べてないんだよね

赤暇なつ

澄絺、昼休みも爆睡してたからな ...

ハハ、と夏都の乾いた笑いをBGMに 澄絺の視線が再び俺に向けられた。

先程のような鋭さはなく いつもの澄絺の優しい 表情を綻ばせている。

春緑すち

ラーメン、行っとこっか

紫龍いるま

... ついでに新規開拓しとこーぜ

紫龍いるま

スーパーの裏に出来たってさ

俺も席を立ち、 とっておきの情報を提供する。

赤暇なつ

ぇ、また新しいところ見つけたん?

赤暇なつ

威榴真ってマジでラーメン好きだよなぁ ... 笑

その後はもう いつも通りの空気だった。

3人で何でもないことで バカ笑いしながら部室を後にする。

紫龍いるま

( ... いや、なかったことにしちゃマズイよな)

春緑すち

『聞いてどうするの?』

春緑すち

『もし俺が、みこちゃんと付き合ってるなら ... 』

春緑すち

『いや、らんらん以外を好きだって言えば
威榴真ちゃんは安心するの?』

春緑すち

『安心して、それで終わり?』

澄絺の真意までは分からなかったが 俺にとっては意味のある 問いかけだった。

何が問題なのかはっきりすれば 解決したも同然なのだから。

校門を出る瞬間 澄絺だけに聞こえるように呟いた。

紫龍いるま

目が覚めた。ありがとな

春緑すち

! ... 、、笑

澄絺は一瞬不意をつかれた 表情をしてからニコッと 笑って軽く俺の背中を叩いた。

春緑すち

振られちゃったら、またラーメン食べ行こっ!笑

紫龍いるま

ぇ、縁起でもねぇこと言うなっ!!

きみ宛ての2文字 __ 。

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コメント

3

ユーザー

最後の紫緑の絡みが好きすぎます✨💕 続き楽しみです!

ユーザー
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