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初コメ失礼します! とってもいい作品でした!是非続きも見てみたいです!
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matt
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言葉だけじゃ伝わらないかもしれないが、この時のマットはこれ以上ないくらい真顔だった。 目にはいつものハイライトが入っていない。
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matt
ごめんごめんと言ったかと思うと、次の瞬間にはいつもの顔したマットに戻っていた。逆に怖い。
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軽い気持ちで聞いた。 それが悪かったのか。 唐突に手に強い力を感じ、思わず目をしかめる。違和感の方に目をやれば、自分の手がマットに強く握られていた。
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matt
顔を見上げると、口元は笑っているが目元は全く笑っていない表情のマットがこちらを見下ろしている。
tom
マットの圧に少し怯えながら、しかしそれが悟られないように普段通り会話を繋げようとする。
直ぐに逃げていれば良かったのに。
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突然の意味不明な質問に拍子抜けする。だが本人は至って真面目らしい。
matt
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軽くそう答える。 実際別に嫌いでは無いし。
matt
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さすがにどうしたんだと心配になりそう聞くと、マットの表情が少し不機嫌そうになる。
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マットが早口で意味のわからないことを言いながら俺の方に近づいてくる。 身の危険を感じて後ろに下がっているうちに俺の背中が壁に当たった。 追い詰められ逃げ場のない俺にマットが覆い被さるように腕を広げたと思うと、いきなり抱きしめてきた。
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普段のマットでは想像のつかないような声色と口調に体が強ばる。
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いきなり扉の開く音がしたと思えば、いつもよく聞く友人のこえがした。 それに酷く安心した俺は大声で友人の名前を呼んだ。
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エッドが返事をするのと同時に、マットの体から力が抜けた。 数秒後、ばっと身体を起こしたマットと目が合う。
matt
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さっきのマットとは別人のようだった。とりあえずおはようと言ってみたがさっきのこともあり緊張で声が裏返った。
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エッドがそうてきとうに言った。マットは嘘でしょ、と言った表情で俺に謝ってきた。俺の方も軽く返事をするとそのまま自室に帰っていくマット。 それを見かねてエッドが俺の方に近づいてくる。
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tom
あまり教えたくなかった。だがその返事はエッドを煽ったらしかった。
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そういうと俺のフードの中から小さな機械を取り出した。
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edd
恐怖でしか無かった。 やっと恐怖から逃げられたと思ったばかりだったのに。
tom
その質問に、エッドは答えることは無かった。 その代わり、目を細め、暗い瞳を向けて笑うエッドを俺は見てしまった。 喉がヒュっと鳴った気がした。
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じっとこちらを見下ろしていたエッドが、屈んで目線を俺に合わせてくる。エッドの顔が少しづつ近づいてくる。
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名前を呼んでも返事は無い。 俺は反射的に目を瞑った。 何秒か後に、耳元にふっと息がかかった。どうやらエッドが笑ったらしかった。 何が何だか分からなくて、とりあえず目を開けたのと同時に、耳元で声がした。
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いつもよりワントーン低い声で囁かれたその言葉の内容を察してしまい、顔にボッと熱が集まったのがわかった。
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勢いよく立ち上がり、エッドから距離をとる。赤い顔を隠すためにフードを被り、部屋から出ようとドアの方に体を向ける。 部屋から出る際後ろからエッドの声がしたが、無視をして廊下に飛び出た。
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飛び出して少しの間歩き続けたが、立ち止まった瞬間、今までの恐怖と恥ずかしさとで涙が出てきた。いつもなら直ぐに拭う所だが、それもせずにただただボーッと泣いていた。
そのせいで重大なミスを犯したことに気づけなかったらしい。
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苛立った声が聞こえた方に目を向けると目を見開いたまま固まるトードがいた。
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咄嗟に涙を拭おうと腕を動かそうとする。が、トードが俺の腕を掴んだことで出来無かった。
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もう体力が残っていなかった俺はされるがままトードの部屋に入っていた。 もうどうでも良かった。
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部屋に入ると、腕を引かれ、何故かトードの膝の上に座らせられた。 意味がわからなすぎて少し涙が引っ込む。
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その発言を聞いて、ますます分からなくなる。俺が困惑の表情を向けると、トードの重そうな口がまた開いた。
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そう目を逸らしながら言うトード。 そのトードと一瞬目が合った。 心臓の辺りが痛んだ気がした。
それからどんどん顔に熱が集まるのが分かって、思いっきりトードの首筋に突っ伏した。
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突っ伏しているから、トードの表情は分からない。が多分嫌そうな顔をしてるんだろうなと思った。 張り合うようだが、ざまぁみろと思った。
引き剥がしてくるかなと想像していた が、俺はまた自分の言動に少し後悔することになった。
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トードの表情を確認しようと顔をあげると、バチ、とトードと目が合った。その顔は少し赤くなっていて、なんとなくこちらもドキドキした。
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爆弾発言の連発に驚きが隠せず、そう叫ぶ。だってお前は俺の事大嫌いなはずだろ。じゃあ今までの行動はなんだったんだよと聞きたいところだ。
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恐怖でまた目を瞑った。今度こそ逃げられない、そう覚悟した。 が、それ以上なにも動きはなかった。その代わり、先程より心做しか優しめの声が聞こえてくる。
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そうケラケラ笑うトードに、いつもなら腹が立つところ、今は心から安心してしまう。
tom
これまでの発言は俺をからかうための嘘。安心した、はずなのに何故か少し心臓がまた痛んだ。
それはコイツの言う「好き」が偽物だったからか? 何故。俺もコイツが嫌いなはずなのに。
はずなのに
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あ、しまった。そう思った時には遅く、トードが目を見開いて固まっているのが見えた。
恥ずかしすぎていたたまれなくなり、勢いよく立ち上がると早歩きで部屋を出ようとする。 が、腕を掴まれ、そのせいで後ろの方に体が傾いてしまった。やばい、倒れる、と体が強ばったが、倒れることはなく見事にトードに受け止められてしまった。まるでバックハグされているような体制に、体が熱くなる。 すると突然耳元で熱っぽい声がした。
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そう否定しない返事を返すとトードの腕に力が入った気がした。
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普段の何倍も低い声で囁かれたそれに、恐怖すら感じられる。
ーーートードの腕に更に力が入る。ーーー
ーーートードの声が耳元にかかる。ーーー
この速い心臓の鼓動は、果たして本当に恐怖から来るものなのだろうか。
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tom
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どうやら自室に帰れるのは、またしばらく先らしい。