僕がこの家に来て5年になる
僕は捨て犬だった
五年前の雨のきつい日だった
ポチ
くぅーん
ぼくはずぶぬれですごく おなかがすいてたんだ
俊介
あれ?今犬の声しなかった?
これが僕と俊介の出会いだ
友人A
俊介いくぞー
俊介
まってあそこに犬がいる
友人A
うわーきったねー
俊介
腹減ってんのかな?
俊介
ずぶ濡れだし…
友人A
おい、いこーぜ!
俊介
おれ…
俊介
連れて帰る
友人A
マジかよ( ̄▽ ̄;)
俊介
マジ
俊介
おーいほらこい
ポチ
くぅーん
こうしてぼくは俊介の家にいった
お母さん
だめよ、返してきなさい
俊介
むりだよ、こんな小さいのに雨に打たれて
俊介
かわいそうじゃん
俊介
俺が面倒見るから
お母さん
もーしかたないわね
ポチ
くぅーん
僕はこうして家族の一員になった
この時まだ人間の言葉は わからなかったけど俊介が 僕の味方だってわかってた
俊介
名前はー
俊介
ポチでイーや
お母さん
あら、女の子みたいよ?
俊介
いーんだよ。ポチで
俊介
なっ?ポチ、
ポチ
わん!
僕にも名前ができた
できればもっと可愛い名前が よかったけど
俊介がつけてくれた
大事な名前だ。
あれからいつも俊介と一緒だった
寝るときもいっしょの布団で寝た
時々俊介は彼女らしき女の子を 連れてきた
けして僕をないがしろには しなかったけど
なんだか嫌な気分だった
ポチ
くぅーん
お母さん
あら、ポチ最近食欲ないわね
俊介
うん…
お母さん
まぁ犬の5歳じゃ老犬ですものね…
俊介
ポチ大丈夫か?
俊介
もうねよ?
ポチ
くぅーん
その日僕は不思議な夢を見た
僕は人間の女の子で俊介と 付き合っていた
あぁそうか、
穆は俊介がすきなんだ…
朝
俊介
おい!
俊介
おいポチ!
俊介
母さん!かぁさん!
お母さん
なにー?朝から
俊介
ポチが…
俊介
息してない
お母さん
えっ…
ポチ
………
僕は俊介の腕のなかで静かに 息を引き取った
僕は犬に生まれたことを後悔してない
俊介と5年間一緒にいれて
しあわせだった。
でももし生まれ変わることができたら
次は人間の女の子に生まれて
俊介と恋愛がしたい…
三年後
俊介
いってきまーす
お母さん
いってらっしゃい。
俊介
(今日から社会人だな)
どんっ!
愛夏
きゃ、
俊介
あっすいません!
俊介
ぼーっとしてて
愛夏
俊介?
俊介
え?どこかで?
愛夏
あ、いえ、どうしたんだろ…
愛夏
なんだか懐かしい気がして…
俊介
ポチ?
愛夏
え?
俊介
あ、いや何か昔飼ってた犬に雰囲気がにてて
愛夏
そうですか…私愛夏っていいます。
俊介
俊介です
愛夏
これからお仕事ですか?
俊介
はい。あの?仕事終わってからご飯でもどうですか?
愛夏
はい。
僕は愛夏となって生まれ変わった
これからはずっと俊介と 一緒にいたい…
おわり