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死亡遊戯(デスゲーム)
特定の場所に隔離された登場人物の命を懸けた『架空』のゲーム。上級階級の狂った遊びとして描かれることが多い『フィクション』。
「死亡遊戯なんて画面の向こうで行われてるただの空想でしょ」?
そう思っている君に、一つ質問をしよう。
もしも、死亡遊戯が合法になったら、どうなると思う?
死亡遊戯運営のために、多くの労力が掛かっているとしたら?
公に嫌いな人を殺せるとしたら?
君はどうするんだろうね。人を殺す?それともみんなで生き残ろうと頑張る?
無駄な足掻きなのにね。結局はみんな…………
おっと、失礼。無駄話はここまでにしよう。
これは「死亡遊戯が合法になった世界」での物語、いや記録と言った方が正しいかな。
楽しくカップ麺でも片手に見るといいよ。誰も君を咎めないんだからね。
パソコンの不気味な光のみが部屋に満ちていた。「死亡遊戯をやるだけでさえも電気代がかかるのにお前らなんかに電気代を払ってやるかよ。バーカw」とでも思っているんだろう。ブルーライトが目に刺さって痛い。こんなに気分が重いのは部屋が暗いせいなのか、それとも何日も続けてパソコンの画面を見ているからなのかは分からない。
三日月 乃愛
三日月 乃愛(ミカヅキ ノア)は『デス・ハザード社』で死亡遊戯の監視をしている監視員。大体の企業では給料と仕事の量は比例すると言うが、この会社は「大体の企業」には当てはまらない。答えは単純。ブラック企業だからだ。彼の側に積もったカップ麺と睡眠薬の山がそれを物語っている。
三日月 乃愛
監視カメラ越しに参加者達は寝息を立てていた。デスゲーム物の作品では大人の事情で数秒で眠りにつくのは察していた。しかし現実でもこんなにグッスリ眠れるのは怖いまである。……そういうものなのだろうか?
三日月 乃愛
上司に短く業務連絡チャットを送り、返事が来たのを確認した。やけに顔文字が多い、若者に馬鹿にされそうなチャットだった。パソコンの光を頼りにコップに水を入れる。睡眠薬の小袋を開ける。震えて上手く開けられない。時間を掛けてゆっくりと袋を開けた。水で薬を流し込む。
椅子に体を委ね、ゆっくり目を閉じる。薬が効くことを願いながら、何もトラブルが起こらないことを願いながら、全てが夢であることを願いながら深い眠りについた。
感情を感じない棒読みな音声が振ってきた。体を揺すられる。目を擦りながら体を起こした。斜め左後ろに音声の主が立っている。背筋をぴんと伸ばした乃愛よりもやや背が高い黒子だった。
黒子
三日月 乃愛
乃愛はあくびをしながら黒子の話を左耳で聞いて右耳で垂れ流していた。仕方ない。早朝に起こされて真剣に話を聞けなんて大多数が難しいと答えるだろう。乃愛はもちろんその一人だ。
黒子
三日月 乃愛
黒子
適当に答えた返事を真に受けている黒子に驚き、乃愛は沈黙した。しかし質問の返事を待つ黒子の無言の圧に絶えかねて少し悩んで乃愛は答えた。
三日月 乃愛
黒子
イントネーションが変わらない黒子の声色にはいつも驚く。中には機械が入っているんじゃないかと思うくらいに。
三日月 乃愛
今日の天気は晴れだ。部屋には明るい暖かな光が入っていたが、乃愛の心はいつも晴れないままだった。