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……あつ
五月 柊(さつき しゅう)
まだ、外は完全には明るくない。 カーテンの隙間から差し込む光が、部屋をほんのり照らしていた。
ぼんやりとした視界の中で、 なにかが近くにある。いや、“誰か”。
顔を向けると、すぐそこに――律。
めっちゃくちゃ、近い。
枕、ほとんど重なってる。 布団も、気づけば半分くらい律の方に寄っていて、向かい合っている形になっている。
律の手が、僕のシャツのすそあたりを無意識につかんでて。
昨夜、ちゃんと枕も布団も分けたはずだ。 少し距離を取って寝た。なのに今は……
彼の髪がすぐそこにあって、 息づかいが微かに聞こえる。 目を開けたら絶対こっち見える距離。いや、もうほぼくっついてる。
五月 柊(さつき しゅう)
律はまだ寝ている。 少しだけ眉が緩んでて、普段よりずっと静かな顔だった。
五月 柊(さつき しゅう)
いやいやいや何考えてるんだ。落ち着け自分。
焦った拍子に動こうとしたら、 律の手と足が乗ってきてほぼ、抱きつかれている。
五月 柊(さつき しゅう)
心臓はどんどん速くなるのに、体がまるでフリーズしたみたいに動かない。
佐藤 律(さとう りつ)
律が、微かに声を漏らす。 まぶたが少し動いて、柊の方を向いた気がした。
反射的に目を閉じた。
寝たふり、寝たふり、寝たふり…
心臓がうるさくて仕方がない。
もういっそ起こしてしまおうか。
もう外は明るくなっているみたいだ。
…柊はもう起きてるよな
さっきから、呼吸がちょっと速い。 それに、たぶん顔、熱いだろ。 ほっぺがうっすら赤いの、薄明かりでもわかる。
佐藤 律(さとう りつ)
とか思いながら寝返り打ったふりして、 ちょっとだけ距離を縮めてみた。 いや、ほんのちょっとだけ。事故範囲、事故。
……シャツのすそ、無意識っぽくつかんでたのも、まあ偶然。 偶然……ってことにしといてほしい。
佐藤 律(さとう りつ)
小さく声を出してみたが、柊は目をつぶったまま微動だにしない。
佐藤 律(さとう りつ)
可愛いなとか思ったら負けだなって思ってるのに、 どうしても笑いそうになる。
……と、そのとき。
五月 柊(さつき しゅう)
小さい声。
それだけで、心臓が軽く跳ねた。
五月 柊(さつき しゅう)
え。
名前、呼ばれた。
そりゃ知って入ると思うけど…
寝起きテンションで、まさかの“律”呼び。
佐藤 律(さとう りつ)
寝たふりしてる場合じゃない。 これ以上聞いてたら、顔に出そう。
佐藤 律(さとう りつ)
ごまかすように目を開けると、 至近距離で見つめ返す柊の顔があって――
五月 柊(さつき しゅう)
案の定、びっくりしている柊。
顔が赤い。可愛い。やばい。
もう抱きつきそう
佐藤 律(さとう りつ)
佐藤 律(さとう りつ)
柊に抱きついてみる
五月 柊(さつき しゅう)
五月 柊(さつき しゅう)
五月 柊(さつき しゅう)
はぁもう可愛すぎ。
佐藤 律(さとう りつ)
五月 柊(さつき しゅう)
五月 柊(さつき しゅう)
佐藤 律(さとう りつ)
佐藤 律(さとう りつ)
五月 柊(さつき しゅう)
五月 柊(さつき しゅう)
佐藤 律(さとう りつ)
五月 柊(さつき しゅう)
五月 柊(さつき しゅう)
柊の顔、まだちょっと赤い。
佐藤 律(さとう りつ)
寝起きの声でそう言うと、 柊は小さく「おはよう」って返して、すぐに洗面台の方へ行ってしまった。
バレてないと思ってた気持ちが、 ちょっとずつ、隠しきれなくなってきた。