瑞希
攫われたって…ほ、ほんき?
瑞希
でも城には警備がついてるじゃん?
瑞希
それなら…
司
…ひとつ、警備のついてない庭園がある
彰人
…東の庭園か
瑞希
あー…咲希ちゃんはそっち側によく行ってたもんね…
司
…油断しすぎていた…なぜ気付かなかったのか…
彰人
…まだ確定とは言えない
とりあえず調査するしかないな
とりあえず調査するしかないな
瑞希
…うん、そうだね
彰人
司センパイ、他のヤツらにはオレから指示出しとくんで
司
…ああ
瑞希
…
瑞希
ほらほらしっかり!司先輩がそんなだと、咲希ちゃんも元気出ないんじゃない?
司
…そう、だな
司
──よし!
咲希
…
咲希
(暇だなぁ…)
咲希
(ひとりで…外を眺めて…)
咲希
(こうしてると、なんだか昔を思い出しちゃうや…)
ガチャ
咲希
…とーやくん…
冬弥
…咲希さん
咲希
こ…この部屋、凄く綺麗だね
冬弥
…ええ
咲希
…ピアノもある
冬弥
…
咲希
…昔、お兄ちゃんととーやくんとアタシで、3人で連弾したよね
冬弥
…はい
咲希
庭園で一緒にピクニックして…
咲希
とーやくんがカップケーキつくってきてくれたの嬉しかったなぁ…
咲希
とーやくんは…覚えてる…?
冬弥
…はい、覚えてます
冬弥
…本当に…あの時は…
冬弥
…
咲希
とーやくん?
冬弥
…いえ。なんでも
咲希
…あ…
咲希
…ねぇ、どうして…アタシをここに連れてきたの?
冬弥
それは…
類
やぁ咲希くん。久しぶりだね
咲希
るいさん!
類
いやいや申し訳ないねぇ
類
久しぶりだというのにね
咲希
…
咲希
あ、あの…どうしてアタシをここに…?
類
…咲希くんは白騎士団の中でとても大きな存在となっているだろう?
類
キミをこっちに連れてくることで大きな影響を出せるんだよ
咲希
…じゃあ…
咲希
アタシは…
咲希
(利用されたって…こと…?)
咲希
2人がアタシをここに連れてきたのは…そのため…?
冬弥
…すみま、せん
類
青柳くん
冬弥
はい
類
そろそろ時間みたいだね
行こうか
行こうか
冬弥
…はい
咲希
…
咲希
とーやくん…るいさん…
咲希
(るいさんは、お兄ちゃんの友達で…)
咲希
(凄い人で、面白い魔法をたくさん見せてくれた)
咲希
(とーやくんは昔からの幼馴染で…)
咲希
(…沢山の思い出がある)
咲希
(その2人に…黒騎士団のために、利用するためにここへ…)
咲希
…お兄ちゃん…アタシ…
咲希
どうしたらいいんだろう………
司
これから緊急で会議を始める
司
…俺の妹─白姫である咲希が攫われたことについてだ
瑞希
…まず当時の状況確認からだよね
司
ああ。会議中で護衛をしている俺がいないとき、
司
咲希がいつも行っていた東の庭園で連れ去られたと思われる
彰人
その時は代わりの護衛ついてなかったんすか?
司
…そうだ
瑞希
まぁまぁ、司先輩!自分を責めないでよ
瑞希
というか、城の警備にも問題があったわけだし、
瑞希
司先輩のせいってだけじゃないじゃん?
彰人
だな。オレらも最近は油断していた
彰人
もっと奴等を気をつけるべきだった
司
暁山…彰人…
司
…感謝する!!
瑞希
司先輩が凹んでるとこっちまで沈んじゃうからね〜
彰人
…それにしても…
彰人
やっと動き出したな、黒が
司
…ああ