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@_のあるくん
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ゆた
おさでい
前方からは、何人かで横並びになって歩いてくる人たち
談笑しながら、歩いているようだ
ゆたゆたが俺の手を握る力は少し強くなる
おさでい
そういって、手を握り返す
ゆた
おさでい
さっきの人たちが通り過ぎ、また俺たちはお店の方向へ歩き出した
ゆた
おさでい
ずっと聞きたかったことを今思い出した
おさでい
視覚障害について少し知識があるとは言っても、やっぱりわからないことばかりだ
だから、ゆたゆたに聞いておきたかった
ゆた
ゆた
ゆたゆたの顔が少し暗くなったような気がした
ゆた
おさでい
ゆたゆたは寂しげな笑顔を浮かべた
笑っているというより、無理して笑顔を”造っている”ように見えた
ゆた
そう、僕が弱視になったのは後天性の目の病気のせいだ
病気になる前までは、皆と同じように見えていた
だから、物のイメージとかも大体できる
だけど、僕が失ったのは視覚だけじゃない
この病気のせいで、たくさんのものを失った
僕の家庭はごく普通の幸せな家庭だった
ゆた
らお
ゆた
小学生になってからは、よくお兄ちゃんと一緒に学校に行っていた
だけど、お兄ちゃんとは7歳も年が離れているから、途中からはいつも友達と行ったり、一人で行ったりしていた
この時までは、幸せだった
異変を感じたのは、小学2年生の春だ
ゆた
遠くの文字や小さな文字が見えないことが増えた
その少し前から、目が悪くなったとは感じていたが、そのときはあまり気にも留めていなかった
だけど、この時になってから、明らかにおかしいと思った
ゆた
そう、徐々に視力が低下していったため、最初は気づいていなかった
だけど、本を開いたときに文字が見えづらくなったのをきっかけにこの異変に気づいた
この時に家族に相談してみることにした
ゆた
そのことを言うと、すぐに眼科に行くことになった
眼科に行き、検査を何回か受けた
すると、お医者さんは険しい顔でいくつかの資料を持ってきた
そのときに、僕は目の病気だと告げられた
そのときは、僕含め両親もお兄ちゃんもショックを受けていた
その後もお医者さんがいくつか説明をしていたけれど、当時の僕には理解がなかなかできなかった
だけど、これだけははっきりと聞こえた
もう、元の視力に戻ることはないと思います
治療は最善を尽くしますが、失明を防ぐので手一杯かと…
僕の何かが壊れる音がした
ゆた
もう、見えなくなってしまうんだ
どれだけ願っても、叶わない
家に帰っても、沈黙が続いた
みんな何を言えばいいかわからなかったから
らお
お兄ちゃんが話を切り出し、その日はそのまま外食に行くこととなった
会話こそあったが、気まずさが解消されることはなかった
そして、この外食が家族全員での最後の外出だった
その日はいつもより早く寝室に向かった
今日のことは忘れよう、切り替えようと思いながら布団に潜り込んだ
目を瞑ると、お兄ちゃん達の会話が聞こえてきた
これから、ゆたのことどうすればいいのか、迷ってるのよ…。
お母さんの声だ
え…!?迷ってるってどういうこと…?
お兄ちゃんの驚く声が聞こえてくる
障害を持つ子を育てられる気がしないの…。
ゆた
だから、おばあちゃん家とかに預けるのも考えてるだ…。
ゆた
もう”いらない子”なんだ
は!?絶対そんなのおかしい!ゆたも家族じゃん!!
お兄ちゃんは僕のことを庇ってくれているのだろうか
親にも、お兄ちゃんにも迷惑かけて…、僕って…
ゆた
そのあとの話は聞かずに、布団に包まった
声を押し殺して一晩中泣いた
その次の日は、予想通り祖父母の家に預けられることを話された
やはり、ショックだったが分かってはいたから何とか耐えられた
だけど、一つだけ予想外のことが…
らお
お兄ちゃんが僕に手を差し伸べてきた
ゆた
らお
お兄ちゃんの手を取って歩き出した
その手はすごく温かかった
ゆた
おさでい
ゆたゆたの過去はあまりにも壮絶だった
俺が想像できないほどに
ゆた
笑顔でこちらを振り向いた
さっきよりも、明るい笑顔
偽りのない笑顔だ
すいあ
すいあ
すいあ
すいあ
すいあ
コメント
1件
ああ、ゆたの過去がこんなに壮絶だったなんて……。「いらない子」って自分を責める展開、胸がぎゅっとなりました。でもお兄ちゃんが「一緒に行こう」って手を差し伸べるシーン、あの温かさが本当に救いです。最後に見せた偽りのない笑顔、読んでいて私もほっとしました。次回はおさでいの過去なんですね。楽しみにしています。